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酒と鬼(オンナ)は二合まで/作品レビュー

”貴女だけのバーテンダー

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無類の酒好きを自覚しており、気付いたらバーで働いておりました。
そんな私から今回紹介させていただくのはこちらの作品です。

酒と鬼(オンナ)は二合まで/原作 羽柴実里先生 作画 zinbei先生 
スクウェア・エニックス

ちなみにこちらの写真は私の働いているバーのカウンターで撮ったもの。
写っているいいちこは私のキープボトルです。

あらすじ

バーテンダーのおじいちゃんからその技術を受け継ぎつつも、友達のいない酒好き大学生・ナオリはある日、数合わせで呼ばれた合コンでギャルのひなたに出会う。居酒屋で倒れた彼女を介抱しようと自宅に連れ帰るが、けろりとしているひなた。「お酒作ってくれたりしない!?」と言う彼女にカクテルを作って差し出すと、その姿はたちまち変化して―――。

レビュー

かつて「バイオーグ・トリニティ」を読んだ私の友人は言った。
「女の子がバイクになるなんて、なんてエロいんだ」と。
そう、そうなのだ。
変化して人間じゃなくなってしまう女の子はエロいんだ。
女の子から角が生えて、それを確かめるように触らせるなんて。

性格やタイプは真逆であるが、二人にはそれぞれ孤独を抱えている。
ナオリは大学生活に馴染めていないし、ひなたは自分のルーツを隠して生活している。
そんな彼女たちは“酒”で、繋がっていく。

お酒を作る人と飲む人。ぼっちとギャル。
補い合うように距離を縮めていく彼女たちが触れ合うその瞬間に百合味(ゆりみ)を感じずにいられようか。作中、動きを伴って身体的に触れ合うシーンが差し込まれるたびにドキドキしてしまう。
ひざまくらをしながら顔を寄せたり、相手の髪の毛を指先でくるくるしたり、二人で一つの毛布にくるまって傷に触れたり、私は女子同士で身体的にすぐ触れ合えるほどの近い距離をよく”許された距離”と呼ぶが、まさしく彼女たちは許された距離の中でいつの間にか一人と一人から二人になっていく。二人になった彼女たちはひなたの目的のためにどうしていくのか、先が気になるところだ。現在2巻まで刊行中で来たる2月7日には3巻発売ということで​ぜひ、気になったあなたに読んでいただきたい。

元ヴィレッジヴァンガード店長ということで、店頭に並べるのを想定した手書き風POPも勝手に書いてみました。字が下手でPOPが苦手だったのを思い出しますね。

酒と鬼はPOP

久々にレビュー記事を書いて、百合コラム連載時を思い出しました。
また何か記事を書いてあげていきたいと思います。百合だけに限定しないと思いますが、よろしくお願いしますね。
オーイワ

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