見出し画像

福岡旅行日記〜ひこうきこわい編〜

飛行機に乗り福岡に行ってきた。
人生初の福岡であり、人生初の飛行機搭乗である。

乗ることが決まってから底知れない恐怖が私を支配しており、それは離陸時にピークを迎えた。

ああ私は無力だ。
無心で安全のしおりを熟読した。

…うわ怖ぇ。
読むことで逆に恐怖感が刺激された。
全ての想像しうる最悪がそこにあり、ビビりの人間には十分すぎる情報であったが、私は生き残りたいので歯を食いしばり読むことにした。

ガタガタと揺れる機体は高度を増していく。
地上がジオラマみたいに小さく見えて、まるで見えないレールの上を滑るように弧を描きながら上昇していくのは、なんだかジェットコースターみたいだった。

ある程度まで上昇してしまうと機体は安定し完全に雲の上まで来て、すこんと抜けるような青空と床みたいな真っ白い雲しか見えなくなった。
全く幻想的だ。
子供の頃に見た映画「ドラえもんのび太と雲の王国」を思い出した。


そこら辺から少し安心して寝ていたと思う。
当日は朝の4時起きで、ハイパーくそビビり侍の私は緊張で前日1時間程度しか寝ていなかったため、気付いたら寝落ちしていた。

あんなに重いはずの金属のかたまりは人を乗せて浮いたのだ、本当に良かった。飛行機作った人も操縦している人も、そこで働いてる人たちもみんなすごい。
そんなことを思いながら意識を失った。

1時間ほど経った頃、もう間もなく着陸しますというアナウンスが聞こえて目が覚めて、また徐々にジオラマみたいな景色が見えてきた。

その後、大きな振動と音とともに着陸したが、私としては着陸のほうが恐怖感は比較的マシであった。地上に帰って来られて安心するからだろう。

到着して気付いたが、福岡空港はかなりの街中にあって中心地へのアクセスが良く、実際とても便利だった。

ただなんの知識もなかった私は、
え、今から着陸だけどめっちゃ街ん中じゃね?えっ大丈夫?怖い、というオマケのビビりを発動してしまったことも素直に書いておく。

無事に福岡空港に着き、息を吸うとほんのり豚骨の香りがした気がした。
楽しい旅行のはじまりはじまり。


続く。

――――――

今帰りの飛行機の中でこれを書いているが、書いている側からガタガタと揺れだしとても怖い。時おりスッと急降下しそのたびに何とも言わぬ覚悟を決めている。私が書いているのはもはや日記やエッセイではないのかもしれない。

離陸時に膝の上に乗せていた安全のしおりを再び取り出すかどうか迷っていたが落ち着いてきたようだ。
しおりはしまっておこう。

あっという間に羽田だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?