How to study ミュージック「フィンランディア」編

こんにちは。
硫化カピバラです。

今回はいよいよ
実際のクラシック楽曲について
ゆるっと考察、読解をしていきます。

以前記事にした
楽曲の読解の仕方に沿って進めていくので、
気になる方はそちらも是非ご覧ください。
(一番下にリンクがあります)

それでは早速本編です。
今回書いていく曲は
ジャン・シベリウス作
交響詩「フィンランディア」です。

1:地理・歴史編
まずは地理と歴史の観点から
この曲を見ていきます。

曲名にもなり、作曲者の出身地でもある
フィンランドについてです。

フィンランドは北欧と呼ばれている地域にある
寒く自然豊かな国です。
北欧はキャラ立ち豊富な国々で
構成されています。

ざっくりと主要な国のキャラクターを書いてみると
デンマーク:商売上手で陽気な北欧では南の方の国。
ノルウェー:幻想的でトロールの生みの親の国。
スウェーデン:IKEAの国、ものづくり得意な国。
フィンランド:サンタクロースが住んでいるとされる国。
アイスランド:オーロラと地熱の観光大国。

フィンランドで有名なのは
サンタクロースとムーミンではないでしょうか。
どちらもざっくり思い浮かべるシルエットが
丸っこくて可愛いイメージがあります。

ムーミンは可愛いタッチと独特な世界観で
あまり気づかれていないかもしれませんが、
反戦やマイノリティ保護など
様々な思想が入り組んだ
複雑な作品だったりもします。

そんなフィンランドは
北欧の中でも不憫な立ち位置にいる認識です。
(カピバラのフワッとした認識なので
当てにしすぎないように。)

まず地理的に
一時は北の強国であったスウェーデンと
世界最大面積を誇る大国ロシアに
挟まれる位置にあります。

当然ガッツリ影響も受けており、
どちらの国にも占領されていた時期があります。
スウェーデンとはある程度
うまくやっていたそうですが、
ロシア(あるいはソ連)とはギッスギスしております。

というのも「フィンランディア」は
ロシアからの独立運動を表現した、
愛国の楽曲なのです。

あまりの愛国っぷりに
帝政ロシア政府が演奏禁止処分にした
というエピソードも残っております。

恐ろしいロシアの圧力、
広大な自然、
決して諦めないフィンランド、
そして平和の未来を願う
感動的な楽曲なのです。

2:前半の金管楽器
冒頭に高圧的な低音金管楽器が登場します。
音高は下降しているのに対して
強いクレッシェンドが印象的ですね。
トランペットも参加して、
ギラギラした感じが増していきます。

ここはロシアの恐ろしさを
表現していると考えられますね。
金属的な音色が
銃器や戦争、ともすれば血の匂いを感じる人も
いらっしゃるかもしれません。

サビ(?)前にはさらに露骨な
銃器の表現が出てきます。
裏拍から鋭く入るリズムは
曲の歴史的背景を考慮すると
少し怖いです。

それに対比するように
サビでトランペットが高らかに
ファンファーレを吹きます。
ここは非常に煌びやかで
軽やかな演奏になっています。
パーカッションも元気に鳴って、
凱旋を彷彿させます。

同じ金管楽器でも
全く異なる2つの側面がこの曲では
見えてくることになります。
奏者はそれを意識して、
しっかりと吹き分けることを求められています。

3:木管楽器に求められているもの
冒頭のロシアのファンファーレが終わると、
木管楽器と弦楽器の出番です。
弦楽器が滑らかで雄大な自然全体を表しているのであれば、
木管楽器たちは木々一本一本や
その間を抜ける冷たい風、
その中で身を潜め恐怖に凍えるフィンランド民を
表現しているのかもしれません。

(フィンランド民は言い過ぎかもしれませんが、
ただの自然ではなく、どこか寂しさのようなものを
硫化カピバラは感じました。)

4:愛国の歌
サビが一通り済むと
歌唱パートが入ってきます。
この曲最大の特徴でしょう。

この旋律はフィンランディア賛歌と名付けられ、
後に合唱ように編曲されています。
国家存続の危機に対して
フィンランド国民を奮い立たせるための歌で
現在も国家に次ぐ、第二の愛国歌として
広く親しまれています。

雄大で伸びやかな旋律が
弦楽器とともに奏でられ、
非常に美しくフィンランド国民が
祖国への愛に震えたことは想像に難くありません。

以上です。
こんな感じでざっくり曲の雰囲気を掴むことで、
それぞれの細かいパートを各人が演奏する場合は
このイメージや世界観をもとに、
「じゃあ自分のパートは、ここでは
何を表しているのだろう?」

なんて考えてみると
より楽しい合奏が経験できるでしょう。

他にもこの楽曲をふんわり読解してほしい、
などありましたらコメントください。
待っています。

硫化カピバラ

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