干したん炊いたん

三日間天日干ししてカラッカラになったエリンギとひらたけとえのき。こんなにカサが減るんかとじっと眺めてから八百屋さんへ。ごぼうと生姜が必要だったから行ったんだけどそこで八百屋は言う。「今日はアスパラとほうれん草と里芋がええで」……ええのんか。ほうれん草はぴんぴんだしアスパラは細いけどきゅってしてる。里芋は少し大きめでしゅっとしてた。冷凍庫の手羽元と、この里芋と干したきのこたちを炊こうと決意。

うちの冷凍庫には今いただき物のお魚たちがいて、私も冷蔵庫もわくわくしている。何だかメインだらけだなぁって思う。夏フェスみたいだ。好きなバンドを見に行って、合間合間でその辺に座ったり寝転んだりしながらシュワシュワしたものを飲んで、聴こえてくる知らないアーティストの音が耳と心に刺さった時みたいな気持ち。避けようがない魅力。食材はさ、それ自身が持ってる旨みだけじゃない。レシピを思い浮かべる楽しみや作る幸せや、食べてくれる至福の時間。幸せのモッシュピット。何言ってんだろうな私は。

里芋は塩ずりを省略して下茹でした。ころんと大きめに。少しだけザルに放置して乾燥させている間に水から手羽元を炊く。カラカラのきのこたちはハサミで切ってざっと洗ってから入れる。三つ巴にしたらコトコト。里芋に箸が通ったら味付けしてまたコトコト。ものすごいきのこの香りがする。水分がとんだ頃に火を止める。うん、いい感じ。

里芋めっちゃホクホク。良い芋だ。八百屋さんの言う通りだ。味を染み込ませる放置の間にほうれん草とアスパラを茹でて保存する。ほうれん草……多いな!

粗熱が取れてきのこの炊き合わせは完成した。
いやうまいな! 干したきのこ最高だな。出汁は出まくってるのに味が濃縮されてる。煮汁も含んで歯ごたえ最高。いやほんとに最高。……きのこは干すべきだって教えてくれた子にひれ伏したい。最高……!

食材を最高にしたい。
好きが増しそうな夜。

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