安売りしない会社はどこで努力しているか?
※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です
はじめの一行
「価格」を下げずに、「価値」をあげる
値決めの本で、「値決めは経営である」なんて言葉をいきなりぶっこんでくると、もう気になってしょうがないという感じです。
値段というのは最近は、ライバルを見ながら決めることが多いように思いますが、「それって経営的にどうなの?」と言われるとちょっと口ごもってしまいそうです。
値決めは利益に直結するものであることをだれもがわかっているのに、売れないと安易に下げてしまいがち。そんな行動へのアンチテーゼがはじめの一行に込められているような気がします。
本書の内容
値段を下げないための事例集
ビジネスっていうのは、価値の取引。何かの価値を提供し、その価値に対する対価を払う。私たちは、その価値の部分を触ることなく、対価の部分を調整してビジネスを成り立たせようとしがちです。
たとえば、販売不振の商品は、値段を下げて売ろうとしたりします。営業は、競合他社との関係の中で安さを強調しがちです。
なるほと、人にとって安さというのは大事な価値です。
けどたとえば、値段の高さが価値という事はけっこうあると思います。
時計やファッション、車や家など、ステイタスシンボルは高ければ高いほど、一般の人の手に届かなければ届かないほど、価値は高くなる。
安さが価値になることもあれば、高さが価値になることもあるというのが価格の難しさ。
じゃあ、やみくもに高くすればいいかというと、競合商品がある場合は特に、「高くても納得できる理由」が必要になってきます。
その理由をどのように提供するのか、といったところの様々な企業の実践が紹介されたのが本書。
たとえば、日本の場合、ある商品がヒットするとお客様を「待たせる」ということを良しとせず、一生懸命増産体制を整えたりします。
しかし、逆に待たせるという事が価値になることもあるようです。
例えば伝統工芸品などは、注文してからずいぶんと待つケースも多いようですが、だからこそ価値が出るという一面もあるように思います。
ある飲食店では、100食限定とすることでビジネスモデルを組み立てている。
もっともっと、という考えを捨てることで見えてくる世界もあるようです。
本書は価格の本ではあるものの、価格の中には戦略が組み込まれていることがほとんど。
いわば戦略の本とも言えますし、さらに言うなら会社の軸を問うことさえあるのかも、と思ったりします。
全体的に比較的読みやすく、ボリュームもほどほど。
ビジネス書初心者でもお勧めできる一冊です。
いやーーー、読書って素晴らしいですね。
ちなみに私はこんな本書いてる人です。