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スマホ脳
※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です
はじめの一行
まえがき
2018年5月、私はアメリカ精神医学会(APA)が毎年開催する学会でニューヨークを訪れた。世界最高レベルの脳科学者たちが、最新の研究成果を発表する場だ。それを聴くために、世界各地から1万人もの同業者が一堂に会す。“双極性障害”という単語がこれほど飛び交う場所はほかにないだろう。
APAのような学会で興味深いのは、講演だけではない。同じくらい刺激的なのは、精神科医や研究者たちが今どんなことに関心を持っているかだ。
まえがきで訴えていることは、世の中の変化があまりに早く、それに人の真価がついていけていないのではないか、という思いがこのAPAの中で交わされる会話のうち、多くの方の共通点であるということ。そしてその原因はどうやら社会のデジタル化にあるらしい、という話が精神医学会での大きな関心ごとであるという話に続きます。そして本書はその関心についてを突き詰めた一冊ということで、期待が高まります。
本書の内容
結論から言うと…
本書の主張は、結論から言うとデジタル機器、それも特にスマホとのかかわり方はそれなりに注意したほうがいい、ということになります。なぜならば、という話を大雑把にすると、スマホには依存性があるから。子供にアルコールを飲ませないとか、たばこはダメとか言っているのと同じように、スマホとの付き合い方もそれなりに真剣に考えるべきではないか、とアンデュ・ハンセン氏は訴えています。
本書を読んでいくと、内容的に、自説に都合のいい論文だけを引用して強引に自説を主張しているというより、できるだけ丁寧に反対意見を述べた論文も読み込み、公平なジャッジの上で自説を展開しているような公平さを感じました。
個別のお話をすると、私自身が結構気になったのが、スマホによる集中力の分断。集中している時に、スマホの通知に気づいたら集中が途切れるというのはわかる話です。しかし、机の上に端においてあるだけのスマホがあっても、人はそれだけで注意が散漫になるといいます。学習効率なども、スマホを別の部屋に置いておいたほうが圧倒的に高かったということですし、スマホというのは目の前にあるだけで私たちの脳に影響を与えるというのは、とても衝撃的でした。
だからなのか、IT企業のトップは自分の子供のスマホ利用を制限しているといいます。スマホは行動経済学などから導き出された法則を使い、依存度を高めるような設計になっているといいます。そしてそこに無防備な子供は、どんどんスマホに依存していく。そういったところから子供を守る、という考え方も必要なのではないか、と思わされるような内容です。
また近年日本でも導入が進みつつあるタブレット学習。あれはどうやら幼児には向かないとのこと。これもいろんな事例と結果を検証しながら考えていく必要があるのかもしれません。
人類の過去何万年にも及ぶ進化の歴史の中で、手の中に世界につながるインターネットを握りしめる時代などの想定は当然されていないわけで、人間の進化はこのデジタル化の波にはついていけてないところが結構あるようです。私たちはそんなところと折り合いをとりつつ生きていく必要があるのかもしれません。
いやーーー、読書って素晴らしいですね。
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