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私がファシリテーションをする際に気を付けている事

ビジネス系の事をやると、だいたいの事は2流半、つまり3流ではないけど1流にはなり得ないワタクシ。そんな私も、色んな場でおこなうファシリテーションがそこそこいい、と言ってくださるので、自分なりに気を付けてることをまとめてみます。

会議や、パネルディスカッションなどに使える…かもしれません。

私が考えるファシリテーターの役割

ファシリテーターとは「〇」を作る人

まずはシンプルに結論めいた話から。ファシリテーターというのは「場」を作る人、と私は考えています。「場」というのは何かというと、その場の雰囲気だったり、流れだったり。そして、そこにいるメンバー全員のポテンシャルを引き出すことで、全体の総和を単なる足し算以上のものにするもの。

…というとすごいことをやらなきゃいけないっぽいですが、場の雰囲気がうまく出来上がると、勝手にそうなると信じています。

話者と聴衆の橋渡しを行う人

ファシリテーターのもう一つの役割は、発言される方の言葉が、しっかりとメンバーに伝わるための橋渡しをする人。もし、たくさんの聴衆の前でのパネルディスカッションのファシリテーションをする場合は、聴衆との知識や理解のギャップを埋める必要もあると思います。

これは広義の場づくりと言えるでしょう。

というのも、専門分野が違う人たちは使う言葉が違います。また、日頃の仕事の性質によっては、同じ事象についてフォーカスする場所が違ったりすることもあります。こういった部分の目線合わせへの配慮も、ファシリテーターの役割と考えています。

基本は自分の考えは脇に置いておくけど…

純粋にファシリテーターの役割に徹するとすれば、自分の意見は差し控えるべきでしょう。しかし私の場合、例えば社外の人間としてクライアントの会社の会議のファシリテーションをする、といった経験はありません。だから、ファシリテーターをやりつつその議論にガッツリ入り込むケースが多い。

また、人に見せるパネルディスカッションの場合、「結論は出さないけど、様々な意見を引き出すので、結論は自分で考えてください」という締めにするのがおそらく、本来的なファシリテーションなのかもしれません。しかしその場合、大体満足度が下がります。フラットではないかもしれないけど、イベントとしてのまとめや結論が欲しい、というニーズがけっこう高い
だから私の場合、だいたいは結論めいたまとめを行います。

ファシリテーターの準備

社内会議などクローズドの場でのファシリテーション

その成り行きを人に見せることのない会議、あるいはワークショップでのファシリテーションでは、あまり事前準備をすることはありません。真摯なコミュニケーションを心掛けるだけです。

可能であれば、何かを議論するに際して、誰がどんな意見を持っているかをある程度事前にリサーチできると安心感はあります。そのうえで、Aという意見があり、Bという意見もあって競合する場合、それらの議論に要する時間感覚をイメージしておけると会議全体の構成や時間配分がしやすくなります。

そこまでのリサーチができなかったとしても、メンバー1人1人の性格や志向、こだわりポイントなどをあらかじめわかっているとどのポイントで誰に発言を促すかをイメージしやすくなります。これには意外と事前の雑談が効きます。

また、当日扱う議題のアジェンダは必須です。これらテーマを扱う順番を入れ替えたりするのは、リアルタイムでの判断になりますが、項目の一覧があるとやりやすいです。

人に見せるパネルディスカッションの準備

会議の主人公は参加者であるのに対し、人前で行うパネルディスカッションは、主人公は聴衆の方々。そもそもの方向性が違います。

色々なケースはありますが、聴衆者の満足度を考え、私の場合は特定のゴール(結論)を目指してファシリテーションをすすめます。
そのための事前準備としては、登壇するパネリストのバックグラウンドを知ることです。登壇者が本などを出版されていればその本はできる限り読みますし、そうでない方は、ネットで検索した記事や会社のWEBサイトなどで人となりを知るよう心掛けています。

また、可能であれば、事前に個々の方々にインタビューを行い、そのうえでパネリストの主張の共通点を探ります。それをもとに、当日のディスカッションをすすめます。これは人によっては、フェアじゃないと思われる人もいるかもしれませんが、私にとってはこれが誠意です。

どこまでいじれるかの見極め

クローズドの会議でも、オープンなパネルディスカッションでも、笑いというのは「場」の安全・安心を保つ中で重要な潤滑剤と考えてます。一番無難なのは自虐ネタですが、ファシリテーターがあまり前に出るのもどうかという事もあります。そこで、メンバーやパネリストを「いじる」シーンもあろうかと思います。その時にどの程度までならいじってOKか?をやはりある程度事前に知っておいたほうがいいでしょう。

その許容度は、実はお互いがお互いを知っているかどうかで変化します。そういう意味では、事前のわずかな時間でも、メンバー全員での雑談の時間をとることができるとベストかと思います。

シラケたパネルディスカッション

ここでちょっとだけご注意を。
パネルディスカッションって、前打合せをすればするほど、白々しく見えることがあります。「その三文芝居、なんとかしろよ!」と言いたくなるような場合がけっこうあります。大企業主催の場合、どうしても突発的なことを嫌います。すべてをコントロール下に置こうとすると、ほぼ「決まったことを棒読みする」ようなものになりがち。あるいは、主催者やファシリテーターの言いたいことを、パネリストの口を借りて言わせるという腹話術状態になりがちです。

やっぱりライブ感が大事なので、大雑把な方向感や結論を共有するのはアリかもしれませんが、ほどほどにとどめておくのがよいかと思われます。

ファシリテーションの最中で気を付けている事

ここでも大事な心理的安全性

ファシリテーターの役割の一つに加えられるかもしれませんが、発言者の安全確保というのは意識している事です。いわゆる心理的安全性の確保は場づくりくりの一環でもあるかと思います。

具体的には、
・全員に可能な限り均等な発言機会をつくる
・発言をまずは受け入れる
と言ったところになります。

相手の発言を受入れるというところに関連すると、その発言と違う意見を発する場合も、「私は〇〇と考えるのですが」といういわゆる「I(アイ)」メッセージを使うことで、相手の意見を否定することなく、違う意見を表明するといった工夫をすることもあります。

細かなテクニックはともかくとして、誰もが自由に意見を言える環境を整えるためにどうふるまえばいいか?という事にはそれなりに気を使います。

ちなみに、場が荒れた場合の対処法など細かなノウハウやスキルは、この本に詳しいので、おススメです。


時間配分

実は、会議であれパネルディスカッションであれ、色々と難しいのが時間配分。例えば、日頃大人しい人が、自分の発言の機会を与えられると、延々と話しだすときがしばしばあります。逆に、言いたいことはあるのだけど、ぶつ切りの発言しかできず、意味が伝わりにくい人もいます。

前者に関しては、多くの場合、求められている意見に至る前置きが長すぎる、というケースが多い気がします。つまり、話が長いからと言って途中でブチ切りしちゃうと、その方の本質的な意見が聞けずに終わります。あらかじめ、時間制限を設けるとかの配慮は必要です。ただ、こういう方は、時間内にコメントを終えることになれてない人ですので、ベルを鳴らしても語り続けることが多い。出来れば発言の途中で介入するのは避けたいのですが、やむを得ない場合もあります。

事前にそんな癖がわかっている場合は、「私の考えは、〇〇です」というテンプレートで話していただくようお願いすることも必要かもしれません。

後者のぶつ切り発言の方については、ファシリテーターが翻訳することが求められるかもしれません。

前出し

会議やパネルディスカッションに至った背景や、目的をはじめに語ることはたぶん大事じゃないかと思っています。ただ、手短に、という事を意識します。

まとめ

会議においては決まったことを一つ一つ確認していきます。
パネルディスカッションにおいては、自分なりの結論をパネリストの言葉を盛り込みながら語っていきます。長すぎないボリュームであることは必須ですが、一定の時間をかけたディスカッションの結果としての収穫は何か?を明確にすることを自分的には気を付けています。

最後の締めは、行動への誘いを行います。
パネルディスカッションを聞きに来ている人は、たいてい、次の行動のきっかけを求めている人です。そういった人たちがこのディスカッションを通じて、何を感じ、どんな行動を行うかの内省を促し、行動していただくための言葉を投げかけます。そして、名言格言などで少し余韻を残しつつ終了できると、ベストかと思います。

終わり良ければ総て良し、というのは心理学的にも正しいようですので、終わり方はこだわりたいところです。


ファシリテーターは意外と個性が出る

さて、色々細々とした話をしましたが、先だって面白い体験がありました。
同じメニューで行う行事のファシリテーションですが、私がやるのと別の人がやるのとでは、空気感が違うんです。
前述の通り、ファシリテーターは出すぎないほうがいいから大人しくしているわけですが、それでも空気がその人の空気になり。

どっちがいいとか悪いとかではなくて、何かが違う。

そういう意味では、何をやるかというより、そこにいる人の持つキャラクターが割と強い影響を作るという事。
こういった前提で考えたとき大事なのは、ファシリテーターが場を楽しめれば、皆も楽しくなるし、そうでなければそうでない、ってことになるんじゃないかと思います。

だから、肩ひじ張らず、リラックスして楽しんでやるのが一番のコツ、と言えるのではないかと思います。ぜひ、深呼吸してやってみてください。
成功をお祈りしております(^^)/





私はこんな本書いてる人です。







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