ブレイン・ルール 健康な脳が最強の資産である
※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です
はじめの一行
序章 科学的に証明された「100年脳トレ」
本書の序章については、これから何を伝えるか、何を論じるかを明確にしています。いわゆるプレミスというやつですね。
ここにでたランガー教授による若返り実験は、たった5日間の間に高齢者たちが見違えるように変化したといいます。そのからくりをこれからお話ししよう、という序章になっています。
本書の内容
脳を若く保とう!
本書のテーマは、年老いても、脳を若く保つにはどうすればいいのか?ということを、科学的なエビデンスに基づいて検証していく一冊といえます。もっと俗っぽく言えば、認知症にならないためにはどうすればいいのか、というのが中心的なテーマに感じました。若い人が、脳を活かすためにどうすればいいか?という期待を込めて本書を買うと、ちょっとがっかりするかもしれません。まずないようしょうかいのまえに、このポイントについてご確認いただいたほうがよさそうです。
脳を健康に保つ10のルール
本書では、脳を健康に保つためのルール、10のブレイン・ルールが提唱されています。
まずはその項目をご紹介しましょう。
ブレインルール①
友達を作ろう。友達になってもらおう
ブレインルール②
感謝する習慣を身に着けよう
ブレインルール③
マインドフルネスは脳を鎮めるだけでなく改善する
ブレインルール④
学ぶのに、あるいは教えるのに、遅すぎるということはない
ブレインルール⑤
脳をテレビゲームで鍛えよう
ブレインルール⑥
「わたしはアルツハイマー病になったのか?」と疑う前に、探すべき10の兆候
ブレインルール⑦
食事に気を付けて、運動しよう
ブレインルール⑧
思考を明晰にするために、十分な(しかし、長すぎない)睡眠をとろう
ブレインルール⑨
永遠に生きることはできない、少なくとも今のところは
ブレインルール⑩
引退は絶対にやめよう、そして、郷愁を大切にしよう
項目によっては、うんうん、とうなづくものもあれば、ちょっとびっくりな内容もあると思います。
次に、私の気になった項目をピックアップして、少し詳しくご紹介したいと思います。
ブレインルール①友だちを作ろう。友だちになってもらおう
じつは、さまざまな幸福度調査において、交友関係が幸福度に及ぼす影響がかなり大きいということは様々な研究で明らかにされています。一方、本書においては、脳の健康を保つために、人との交流は非常に大事なことがわかっているといいます。
まず、社交というのは非常に脳の機能をフル活用する営みのようです。
相手の言葉を聞き、理解し、共感し、それに応じた反応をし、会話を楽しむ。
これだけで脳はフル回転してるようなものなのでしょうね。
ちなみに、年齢層などはばらけてるほうがいいようです。
老いも若きも、男も女も、仲よく遊べるといいですね。
また、パーティーによくいく人ほどインフルエンザになりにくく、なっても治りやすいという調査もあるようです。
さらに、ダンスをお勧めしています。
特に他人との身体接触のあるものがベター。
こういった人との言葉や、身体的な交流が人の脳を若く保つ一助になるのだそうな。
最悪、他人との交流であれば、ビデオチャットでも効果はあるそうです。
しかし、こんな話を見てみると、今の新型コロナウィルスへの対応は、脳科学的には逆方向へ行ってると考えられそうですね。
ブレインルール⑤脳をテレビゲームで鍛えよう
次にご紹介するのはテレビゲームのお話。
これに関しては、ずいぶん前から、脳にいいのか悪いのか、賛否両論がありました。
また、ややこしい子供の事件が起きると、ゲームはいつも悪者にされてきました。
ところで、人間の脳の処理速度は10年に10ミリ秒ずつ遅くなるらしい。
人の認知の三段階は、取り込み-反応-行動という順序で活動します。
パーティーで、話の対象がある第三者の話に至った時、その第三者のことを思い浮かべ、「ああ、あいつのことか」と思い当たるイメージを想起する。これが、情報を理解し、次の処理のために脳に引き込む取り込み作業といえます。
そして第二段階で、先ほど出たあいつのことについての自分の頭の中に浮かぶ感想などが思い浮かびます。あいつにそんなことがあったとは驚きだ、などといった感じです。
そして第三段階は行動で、適当に相槌を打つとか、何か声をかけるとか。
年を取るにつれてこの三段階の遂行が徐々に難しくなるといいます。
あるテストでは、22歳の人は75歳の人より処理速度が75%も早かったそうです。
さてそういった能力を維持するために、テレビゲームが有効か、というと実は、それが有効である、という証拠がいくつか出されているようです。もちろんゲームの多くは、「そのゲームを上手にこなす」能力の向上にしか役に立たないことが多いのですが、特定のゲームにおいては認知能力などの効果が認められたといいます。さらにいうと、その効果の保持期間も結構長かったのだとか。
ゲームは決して悪いものだけではないようですね。
ということで、本書は
・高齢者の脳の構造や認知の違い
・高齢者の特性
・高齢になるにつれて起こる脳の衰えを防止
といった知識と提案にあふれた一冊といえます。
若い人はあまり関心のない話も多いかもしれませんが、だれしもいつかは老いるし、いつも接する人たちの中に高齢な方もいらっしゃるんじゃないかと思います。そういった相互理解にお勧めの一冊といえそうです。
いやーー、読書って素晴らしいですね。
ちなみに私はこんな本書いてる人です。
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