「暇」という苦痛、「やることがある」歓び
一言でいうと
何もすることがないのは結構つらい
活用シーン
充実感
内容
クリストファー・シーが行った調査(2010年)
被験者に記入済みのアンケート用紙を届けてもらうことにした。
A:届け先を歩いて往復15分かかる場所に指定した
B:部屋のすぐ外に届けてもらうもののそこで15分待つ場所に指定した
上記二つの条件を被験者に選ばせた。
実験は2回に分けて行い、1回目のグループには、どちらの届け先を選んだとしても、同じ菓子を提供し、2回目のグループには、2つの選択肢のどちらかを選んだかによって、違うタイプの菓子を提供した。
1回目のテストでは、被験者の大半(68%)は、部屋のすぐ外にアンケートを届けることを選択した。(怠ける選択)その後、遠くまで歩く理由を与えられると、大半は忙しいほう(歩く方)を選んだ。
実験後、歩く方を選んだ被験者は、怠けた被験者よりも、ずっと満足感があると報告しています。
その次の実験では、被験者は「忙しい」選択と「怠ける」選択のどちらかに割り振られました(つまり、自分で選択できない状態)。この場合もやはり、忙しいほうの被験者は、より満足度が高いと報告している。
心理学的に正しいプレゼン
スーザン・ワインチェンク (著)
前回も書きましたが、私は「無我夢中になれることがあり、それに取り掛かっている状態」こそが、幸せな状態じゃないかな、と思っています。
今回のテストはまさにそんな感じ。
何もやることがなく怠ける状態(一見、これって幸せに見えがちなんですが)と、否応なく歩かされる状態(普通は嫌なことのように思う)を比べると、大半の人が、やることがないより、あったほうがいい、というのです。
実は、職場でも同じです。
たとえば、営業担当者は、けっこう無駄な動きをする人が多いものです。彼らは、行き先がなくなるとどうでもいい訪問先を創ったりして「空白の時間を埋める」ことに必死になります。行くところがあると、ホッとするのです。
事務職だっておんなじ。やるべき仕事がないと、なんとなく余計な(生産性の伴わない)仕事を創り出したりします。合理的でないものが多いのですが、せっかく空白を埋めるために作った仕事だけに、誰にも介入されたくない。こうやって、事務フローはブラックボックス化します。
経営層・リーダー層だってやっぱりその傾向はあります。
ルーチンの仕事、そこから派生する仕事があると結構仕事した気になれます。けど、経営層・リーダー層って実はこういう空白の時間を使って、新しい価値を生み出すのが仕事だと思うのですが、その空白を日常業務やその延長でルーチン作業に流れやすくなります。
そういった傾向は、このレポートを合わせてみてみるとリアリティがあるかもしれません。
人はホッとできる空白の時間を求めているように感じますが、実は意外とそうでもないのかもしれません。
こんなイベントに登壇することになりました。
よろしければご検討ください(^^)/
私はこんな本書いてる人です(^^)/
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