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夏への扉
※私が読んだ本の書き出しとざっくりした内容を書き留める読書記録です。
はじめの一行
しゃれたタイトルと不思議なスタート
本書は、SF小説。
タイムパラドックスものと言われるジャンルの本です。
著者の、ロバート・A・ハインラインといえば、アメリカのSF界では有名のようです。
その中でもとりわけ、日本の人に親しまれているのが本書。
ちょっとしゃれたタイトルとは裏腹に、1行目はこんな始まりです。
六週間戦争のはじまる少しまえのひと冬、ぼくとぼくの牡猫、護民間ペトロニウスとは、コネチカット州のある古ぼけた農家に住んでいた。
「六週間戦争」ってなに?
「護民官」ってなに?
というかんじですよね。
ネコ好きのための本?
どうやらこの書き出しは、場面設定においてとても重要な内容を含んでいるようです。
六週間戦争というのは、架空の戦争。
その戦争の後、首都はデンバーに移ったらしい。
護民官というのは、平民を守る公職だという事。
猫のペトロニウス(通称ピート)は、どうやら主人公を守っているらしい。
この後の物語は、主人公の猫への愚痴と続く。
冬になると、家の中に12ある扉を猫のピートはぜんぶ開けろとせがむ。
その一つが、夏に続いていると信じているらしい。
本書の内容
時間のはざまを行ったり来たり
内容は、いわゆるタイムパラドックスもの。
主人公の段は、ひょんなきっかけから冷凍睡眠(コールドスリープ)に入る事となる。
30年後目覚めた世界は、とんでもない未来の世界。
その世界を刺激的に感じる半面、30年前に残した人との関係を悔いる。
これ以上はネタバレになりますが、過去と未来が複雑に絡み合う、
なかなかスリリングなドラマです。
猫が中心?
この本の特徴的な部分は、猫のピートが随所でその個性を発揮するところ。
冒頭、「猫好きに捧ぐ」とされています。
今の世の中、猫がちょっとしたブームですから、また注目されるかもしれません。
最後のシーンは、主人公ダンがこうつぶやきます。
「ぼくは、ピートのかたを持つ。」
最後の最後まで、ピートはとても重要な役割です。
ハッピーエンド
この著者、ローバート・A・ハインラインは、あるインタビューで、
「ハッピーエンドしか書かない」と言っていたそうです。
なぜならば、お客さんは「お金を払ってまで悲しい思いになりたくはないはず」
と考えているようです。
だから、最後はハッピーエンド。
とっても素敵な物語です。
ちょっと理屈っぽくて読みにくい部分もありますが・・・笑
いやーーー、読書って素晴らしいですね。
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