ある夏の朝、「資源ゴミ回収」に向かう私へのギフト。露草の群生
私がツユクサとの出会ったのは小学生の時である。
通学路の脇に小さく、美しい青い花が咲いていたのを見つけた私は「ぱぁっ!」と晴れやかな気持ちになったような、、映像としての記憶はあいまいだが、とにかく、感動の出会いであった。
ツユクサ という名前を教えてくれたのは誰だったのだろう?
それ以来、
私の人生に、いつもひょっこり姿を現して、 その美しさを思い出す。
そんな特別な花のひとつである。
引っ越し準備の為に義母に頼んで持ってきてもらった新聞で、益田ミリさんの連載記事(※)に目が留まった。大好きなツユクサのことが書かれているではないですか、!
これは何としてでも落ち着いて読みたい‥!
と思い、その新聞の項をとっておき、また別の日には記事を切り抜き机の上へ、そうして9月も後半に差し掛かった頃、記事を折り畳んでポーチに入れていたのです。きたる『その時‥記事を堪能するひととき』を密かに狙っていました。
大阪から佐賀へと引っ越してきて、
2週間程立った、9月最初の木曜日。
近所に資源ゴミを回収してもらいに行くことになった。
前日から、Google Mapで場所を調べてシュミレーションをする私。
(歩いて10分かからない距離)
ツナ缶や、引っ越しの時に持ってきた調味料の瓶。どうしても使わないな、、、と安易な買い物をした自分に罪悪感を感じつつ、「100均で買ったとうもろこしピーラー」も、持っていくことにした。
当日の朝、緊張して、服装も、「目立たないように」「場になじむように」という無意識が指先に伝わり、茶色の薄手シャツに、白いコットンパンツを選ぶ私‥。
深呼吸をひとつして、「よし。」
玄関の扉を明けます。
すぐに現れる分かれ道を前に、google mapを確認し、曲がり角を進む‥
その時。
目の前に現れたのは、
ツユクサの群生でした。
一瞬、時が止まったように立ち尽くした私。我にかえり、ゴミを出したら戻って少しあの場所にいたい。と決めて、回収場へと急ぎました。
今日は9月最後の日。
ツユクサとは朝咲いて、夜とじる花、なのだそう。
私は早起きが苦手なので、ツユクサが生えているのに咲いていなくて気づかなかった‥という場面がこれまであったのかもしれないな。
また、ツユクサを形容する言葉に「はかない」という言葉が使われていてハッとした。
なぜなら私はあの朝ツユクサを見て、その「凛と力強い青」に感情が揺さぶられたから。
確かに、バラやダリアと比べると、ツユクサの存在は、「はかない」であるけれど、、、
そして
私は、ツユクサに「チカラ」を感じる程に、 自分自身が “はかない"状態 だったのか‥
そりゃそうだ、関西から、心許せる友や家族がいない九州へと移り住むことになったのだから、はかなくもなる。
などと、先月の自分の姿(実際には客観的に、「みる」ことのできない)を少し温かい眼差しでみてあげることができた気がした。
そうだ、私がはじめてツユクサに心を奪われたのも、小学生の頃、友達となじめず、お昼休みの校庭に出ることも「こわかった」私だ。
小学生の頃の自分と、今の私。
変わらない部分。こころや魂というのだろうか。
それを感じて、いとおしい気持ちが湧いてくるとともに、38歳になり、私という人間を受け入れることが少しずつできるようになるのを感じ
ツユクサを好きだな思いばかりが
年を重ね、
ツユクサの事を説明して、と言われると答えられるのは
「青が美しい、都会ではあまり見ない花」
という事くらいだった私が、思いがけずツユクサのことを少し知れたこと。
30代後半にまで生きてきた私に、「少しずつでも、あなたが大切にしてきたモノとの関係を、深めなさい」というメッセージのようだな、と受け取っている私です。
※私が読んだのは・・・益田ミリさんの「大人になった女子たちへ」という新聞連載です。
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