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J・P・ホーガン「ガニメデの優しい巨人」感想


昨日「星を継ぐもの」の感想を書いたので、今日は続編の感想を書きます。一作目を読み終わったその足で本屋に向かい、今作は一日で読みました。「星を継ぐもの」に比べると展開のスピード感があってサクサク読み進めることができましたね。


奥付けを確認したところ、2022年8月に56版が出ていて今回購入したのは2023年8月に出た新版の初版らしい。読みやすかったのは翻訳が多少変わっていたりするのかな?? 少なくともフォントは変わってましたね。天地の余白差は若干気になるけどこれは創元SF文庫の仕様なのかな。フォントが変わるだけでもだいぶ目が疲れなかったです。


あとね〜、私、『ガニメデの優しい巨人』っていうタイトルがめちゃくちゃ好きですね。原題が”The Gentle Giants of Ganymede”なので普通に訳しただけって言えばそうなんだけど、一作目が『星を継ぐもの』、つまりルナリアンであるチャーリー、そして我々地球人という意 (※独自解釈も入ってます) なのに対し、二作目のタイトルが、地球人の祖先の謎が深まった先にある『ガニメアン』を意味するものになるのがすごくいい。というか一作目”Inherit the Stars”を『星を継ぐもの』と邦題つけたセンスがまたすげぇんだよな〜。直訳だと『星を継ぐ』だけじゃん。これを『星を継ぐもの』と訳すことで具体的かつ、エピローグまで読み終わってプロローグを再読した時、またタイトルを振り返った時に深みが増す構造になってる。まじですごい。本文が高校英語みたいで読み難いって言ったけど邦題のタイトルには膝を打たざるを得ない。手のひらクルックルでごめん。


また、今作も40年以上前に執筆されたと思えないアイテムが色々出てきました。いちばんはガニメデの人工知能『ゾラック』ですね。この時代にAIを登場させるセンス、またAIが地球の言語や文化を学習していく過程が緻密に、さらにユーモアたっぷりに描かれています。今で言うとめちゃくちゃいろんなことができるアレクサみたいなもんかな? ゾラックを2500万年前に生み出したガニメアンの技術たるや……。


遺伝子工学の禁忌に対する地球人とガニメアンの考え方の違い、さらには人類の競争意識がここまでの繁栄をもたらしたという考え方など、想像力すごすぎない???? 『温厚な性格をしている』っていうガニメアンの設定、最初は「え? それだけ??」って思ったけど、それを裏付ける進化学的バックグラウンドや地球人とコミュニケーションを重ねる中で設定の説得力が増し、最後は「あ〜〜〜〜ガニメアン地球から帰らないで……」ってイチ地球人の気持ちで入り込んでいました。


ラストもね……ニクい終わらせ方するじゃん。前作もそうだったけど、余韻を残すというか、こういうほろ苦い終わり方大好物です。絶対に続きを読みたくなる。気になる方は本買ってください。


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「星を継ぐもの」シリーズはあと二作品で終わりかー。本は買ったけど読み終わるのが勿体なさすぎてまだ開けてないです。どこかにJ・P・ホーガンの脳みそを学習したAIがいて永遠に続きを生み出してくれないかな〜〜。

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