アグレッシブ烈子 シーズン5感想 前編


アグレッシブ烈子シーズン5が2023年2月16日よりNetflixにて配信スタートしました。


シーズン5で完結とされているため、烈子の新規ストーリーが見れるのは今シリーズが最後になります。


アグレッシブ烈子は社会人であれば誰もが共感するような題材をテーマにしたものが多いですが、2016年4月からテレビアニメ化されたということで私が社会人になり働き始めた年にも近く、烈子や他のキャラクターに共感し憤怒したり涙したりしながらシーズン5まで追いかけていました。


今シーズンで完結ということで今後新しいストーリーを見れないのがとてつもなく寂しく、シーズン5を見終わったあとは半ば放心状態で毎日を過ごしていました。この喪失感を少しでも紛らわすためにシーズン5を振り返りながら感想を綴っていこうと思います。


長くなったので今回の感想は前編 (1~4話)・後編 (5~10話)に記事を分けています。次のページからネタバレを含んだ感想を記載していますので、未視聴の方はご注意ください。


今回のシーズン5は、ザックリ言うと1~4話の「ハイ田の自立編 (仮)」と5~10話の「烈子選挙出馬編」に分けられます。今回は1~4話の「ハイ田の自立編 (仮)」についての感想になります。


シーズン4で粉飾決済に関わってしまったハイ田がキャラリーマン商事を自主退職し、次に何をするのか目標を定められないままネットゲームにのめり込んでいる…ところから始まります。もはや恒例となった角田先生の恋愛講座「無職の彼氏~経験者は語る~」編で名言出ましたね。「無職とゲームは混ぜるな危険!!」…心に刻みたいと思います。就活を頑張ると決めた直後にレアアイテムを落とすために課金ガチャ回してしまうハイ田…なんというか胸が痛い…こういう意思の弱いところ共感できる人も多いのではないかと思います。


ハイ田くんは会社では仕事をテキパキこなし、業務の効率化をはかったり烈子の仕事の手伝いをするなど頼り甲斐のあるタイプでしたが、一度会社というルールから外れてしまうとこういう人ほど自分を律することが難しくなり、見たくない問題を後回しにしがちなんですよね…すごくよくわかります私もそのタイプなので。


そしてハイ田弟ジロウの登場…無職で仕事も真面目に探していないハイ田くん、父親のマンションから出て行かねばならない状況になります。そんな中烈子には「仕事が見つかるまで会わない」と宣言されたり、後輩の穴井くんに家に泊めてもらうことを断られたりなどして、最終的にはネットカフェに流れ着きます。そこでシーズン5のキーパーソン (キーアニマル…?) シカバネちゃんと邂逅します。毎晩ネトゲで遊んでいたシカバネさんが実は女の子だったという展開です。


ネカフェ難民になったことで履歴書に現住所が記載できず、工事現場での日雇労働を始めるハイ田ですが、体力が無さすぎてボロボロになってしまいます。そして日給1万円のバイトでもネカフェ滞在費や食費等で結局貯金はできないんですよね…日本の社会問題を風刺したなかなかグロめのストーリーだと思いました。サンリオの皮を被ったこち亀やんけ…


そんな中でもシカバネちゃんや、仕事を紹介してくれたドカチンさん、ネカフェ店員と仲良くなって行ったり、なんだかんだハイ田はコミュ力強者でした。


毎晩就活もせずネトゲで遊んでた人が実は女の子でした、実は家なくなってネカフェ難民やってました、というのも結局烈子とフェネ子にバレてしまうのですが、ハイ田の所在地を突き止めてネカフェの個室ドア上から覗き込む烈子が怖すぎてリアルに「ヒエッ」って声出ました。そしてフェネ子の特定力はシリーズ5でも健在。個人情報を守るためにパスワードは定期的に更新したいと思います。


ハイ田がネカフェを出ることになった時に、「あたしはここが好きだから」とネカフェ暮らしをやめるつもりのないシカバネちゃん…遂には語られないですが、彼女の過去に何があったのか色々考えちゃいますね…


烈子の家に転がり込み同棲をスタートさせたハイ田。同棲初日は張り切って朝ごはんを作っちゃったりしてました。これもあるある…w新生活開始直後は張り切って朝ごはん用意するけどすぐにやらなくなるやつ…そしてやっぱり1ルームでの同棲はきついって…トイレ流さない、靴下脱ぎっぱなし、鼻かむ音がうるさい男 (ヒモ) イヤすぎる…。


そんな同棲生活の中、烈子母の急襲がありハイ田無職のまま烈子実家への挨拶を迎えることに…。その間も転職活動はちゃんとしていたようですが、お祈りメールが続くハイ田…なんでこんなにうまく行かないんだ見ててつらすぎる…。


一方、元上司のトン部長も、ハイ田のことを心配していたようですね。パソコンのエラー解除のためとかこつけてハイ田を会社に呼び出し近況を聞きつつ、退職した本当の理由を尋ねます。


「無駄だったんすよ。ヒムロ社長に認められて自分の力錯覚して、調子のってやる気出して。そういうの無駄だったってわかって、なんか馬鹿馬鹿しくなって。意味ねえなって…」と語るハイ田。


会社のために身を粉にして働いて、褒められて嬉しくて、自分自身のことや周りの心配してくれる人のことを顧みずボロボロになるまで働く…ハイ田に共感しすぎてめちゃくちゃ心が痛い…ふと我に返ったとき、「私ってなんのために生きてるんだっけ…」ってなるやつ、そしてその考えに至ったら、今まで仕事に費やしていたエネルギーが消滅して何にも気力が湧かなくなるやつ…ハイ田が安易に達成感を得られるネトゲに逃げてしまったのも理解せざるを得ないなと思いました。


退職の理由を語ったハイ田に対し、トン部長はハイ田が導入した経理システムの功績を例にあげ「本気であがいたヤツの足跡はどうしたって残る。1度しか言わねえぞ、お前は有能だ」と諭します。職も自信も喪失していたハイ田にとって、この一言がどれだけ救いになったか計り知れないです。この一言でハイ田は火がついたようにITエンジニアの勉強を初め、家事にも気合いが入ります。彼のいいところは、人からもらったありがたい言葉を素直に受け取り、すぐ行動にうつすエネルギーに変えられるところですね。彼の素直なところは本当に見習いたいと思います。私はひねくれ者で褒められても「いや、全然そんなことないっす…」とか思っちゃうタイプなので。


話が前後しましたが、パソコン操作を習得しようとするトン部長が愛しすぎた…一本指打法タイピング練習中のトン部長、娘たちの写真に「癒し」というタイトルをつけ就業中に眺めるトン部長、烈子とハイ田が贈った金のそろばんを机に飾っているトン部長…推さずにいられない。最初はあんなに嫌なヤツだったのに…トン部長、PC操作が苦手なところとか、その他もろもろ私が社会人になりたての頃の上司にすごく似てるんですよね。私の元上司はドッキングステーションのこと「ステーションドッグ」って言ってました。駅の犬か。


いよいよ烈子の実家に両親への挨拶をしに行くことになるのですが、烈子の両親に無職宣言をしたハイ田が烈子父と話す場面で「すみません、俺みたいなヤツが…」と謝ります。それに対し烈子父が、「いいんだ。人生には情けない自分を抱えて生きなきゃいけない時期だってある。大切なのはこれからでしょ?」と言うんです。


もうね、涙禁じ得ない…普通一人娘が無職の男連れてきて同棲します〜なんて言ったら「バッカモーン!まずは実家に帰れ就職しろ独り立ちして話はそれからだ!!」ですよ、普通。「ハイ田くんは、当面私が責任を持って養います!」と宣言した娘への信頼とか愛情を感じて、もう涙腺だめでした。人生長いですからね、自分のことが嫌になっちゃうような時期もあったりしますが、ちゃんと生きていこうと思いました。


最後に記念として烈子が生まれた時から使っているカメラで最後に写真撮影をするのですが、これがまた最高なオチでしたw烈子父、穏やかな雰囲気でなかなかやりおる。


1~4話 (前編) までの感想はここまでになります。


前編はハイ田の自立編、といった感じでした。情けない部分が多いハイ田くんでしたが、自分を律することが非常に苦手な私はとても共感できるところが多かったです。そこらのヒューマンドラマよりよっぽど感情移入してしまいました。


後編には前シーズンまでの主要キャラが出てきたり、また語るところが多いのでまとまったら記事にして公開したいと思います。


またシーズン5が始まる前に楽しみにしていたオープニングですが、今回はブレイクダンス風でしたねwいつもの表情を崩さずに踊る烈子可愛かった〜〜。


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