ディッキンソニアの化石だと思っていたら蜂の巣だった件


先日、Yahooニュースでこんな記事が出ました。


https://news.yahoo.co.jp/articles/ca35565659558f61d38f0deb627ce2ced4c91e6a


「古生代より前の珍しい化石かと思っていたら蜂の巣だった」ということのようです。


記事でも言及されている通り原論文の著者もこの見解には同意とのことで、古代化石の研究がいかに難しいのかということが垣間見える記事だなーと思いました。


古生物といえば土屋健先生の「黒い本」なので、本日の記事ではその中でも「エディアカラ紀の生物」について言及したいと思います。本記事は趣味で書いているもので学術的なことはわからぬ全くのど素人ですのでその辺はご容赦ください。


また、古生物ファンの方は言わずもがなご存じかと思うのですが、土屋先生の黒い本リンクを貼っておくので興味がある方はぜひご購入検討ください。寝る前に読むといい夢が見れます。

https://www.amazon.co.jp/エディアカラ紀・カンブリア紀の生物-生物ミステリー-生物ミステリープロ-土屋-健/dp/4774160849

エディアカラ紀は約6億3500万年前~約5億4100年前とされています。これより一つ新しい時代がカンブリア紀といって、古生物界のアイドル「アノマロカリス」はこの時代の生き物です。


高校生物の教科書では触れられていないと思うのですが、先カンブリア時代にも地球上には生命がいました。わたしたちに馴染みのあるどの現生生物とも類縁関係が不明な部分が多い彼ら、エディアカラ紀の愉快な仲間たちを一部紹介したいと思います。


ディッキンソニアは長径80~120cm程度になるものまでいたと言われております。一見すると左右対称に見えますが、体軸で節構造がつながっておらず微妙にずれているらしいです。現生生物で似たような生き物がいないため、分類学的には未確定の位置付けとのこと。遠浅の海で遊んでいるときに120cmのディッキンソニアが近くに流れてきたら腰抜かすと思います。


Reference : https://paleontology.sakura.ne.jp

ランゲオモルフは海底に貼り付くための「ベース」と茎、葉のような本体から構成されている生物たちのことで、その一種のカルニオディスクスは全長40cmの化石が見つかっているらしいです。ほかにも葉のようなものが横方向に広がったランゲオモルフもいるらしい。この時代にタイムスリップしたらとりあえず食べられるか試してみる生き物個人的ランキング第1位です。ワカメとか、そういう系の味がすると予想。


Reference : https://www.nikkei-science.com/?p=54847

トリブラキディウムは120度ごとに同じ構造をくり返す「3回対称」構造をしていて、見た目としては原生のイソギンチャクとかヒトデのように見えます。しかしながら3回対称という生物は現生では存在しないとのことで、現生生物との類縁関係はよくわかっていないようです。3本の腕のようなものは膨らんだりしぼんだりしたのではという説があるみたいで、想像するとかわいいですね。観賞用にいいと思います。


Reference : https://paleontology.sakura.ne.jp

エディアカラ紀の生物で動き回っていた証拠が多く発見されているのが、キンベレラという生物です。軟体性の殻をもち、体の一部から腕をのばしその先にあった爪で海底の有機物を集めていたようです。大きいものでは15cmにもなったとのこと。見た目が貝っぽいので、こちらも食べられそうな感じがします。ただ15cmもの大きさになると流石に躊躇いますね…


Reference : https://paleontology.sakura.ne.jp

以上、エディアカラ生物群ゆかいな仲間たちを抜粋してご紹介しました。


また、今回はエディアカラ紀の生物が海に生息していたという前提でご紹介しましたが、彼らが陸上生物であったのではないかというような説も出てきているようです。今までの学説が覆るような研究が発表された際には、エディアカラ紀の生物食べられそうなものランキングを更新して改めて記事にしたいと思います。


スティーヴン・ジェイ・グルード著「ワンダフル・ライフ (日本語訳版)」では、カンブリア紀まで生き残ったエディアカラ紀の生物がいないことから、最初の多細胞生物であるエディアカラ生物群の進化は失敗だった、というようなことが記されています。エディアカラ生物群では硬組織を持つ生物がおらず平面的な構造のものが多いですが、こういった構造は生命活動に必要なほとんどの機能を体や機関の表面を介して遂行しており、自意識の獲得に不可欠だと思われる複雑な内部構造に進化させるのに向いていなかったようです。内部構造を進化させる代わりに、彼らは全体の形状を変化させることで表面積を拡大し進化して行ったのであろうとのこと。これは私たちのよく知る自意識を備えた生命体からは最も不都合な形となり、彼らが原生まで残っていたとしても自意識の獲得は難しかったであっただろうということみたいです。


エディアカラ紀の生物が、ペラペラの体を維持したまま、自意識を持つような進化をしていたら…と考えると面白いですね。それはもしかしたら地球ではないどこかの星で起こっているかもしれない進化で、それってもしかして地球外生命体っていうコト…!?とか思ったりします。そう考えるとエディアカラ紀の軟体生物ってどこかエイリアンっぽいような気がする。


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