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フライミートゥザムーンでわかる広報とロビー活動の重要性
少しネタバレしています。
予告では、カプリコンワンのような、NASAの月面着陸は、実はただのビデオだった…というお話かと思いましたが、ちょっと違うコメディ要素もあるお話でした!
すごく面白かったのに、日本では割とすぐに公開館が減ったのは残念です。
「10年以内にアメリカが世界で最初に人類を月に立たせる」とケネディが宣言した期限がせまっているのに、
ベトナム戦争もあり、アメリカ世論は月ロケットどころじゃないでしょう、となり、予算も削られ、議会でも否認されそうな状態。
そんな中、NASAにやとわれたスカーレットヨハンソンが、広報と議員への働きかけで、予算と世論と議会での承認を勝ち取っていく。
技術者チャニングテイタムは、「安全に人を月に立たせる」という目的からすれば、カメラを積むなんて、重さが増えるだけだからとんでもない。
ただ、何のために月面着陸するのか、というさらなる上位目的を考えれば、ソ連に対抗するため、や、アメリカの世界での優位性を強固にするため、というものがあるので、全世界に見せつけるカメラは必須。
宇宙飛行士が訓練の時間削っても、
がんがん宣伝に駆り出されるのも、予算と世論のため。
技術者が議員と話したり、テレビ番組に出演するのもそう。
チャニングテイタムは、そこまで激しく抵抗しなかったけれども、こういう対立って、他の分野でもたくさんありそうです。
目の前の目的達成のためにやる事と、もっと広い目的や予算獲得のためにやる事、が相反していたり。両社でリソースの奪い合いになったり。
(実際のNASAは、えぐいくらいに宇宙飛行士たちに宣伝させたらしいです)
映画の主題ではなかったんですが、私にはその部分が面白かったです。
大統領直轄の謎の政府要人や、
目的のためなら、平気で嘘をつくスカヨハ(とにかく美しい)、
過去に、宇宙飛行士を目の前で死なせてしまった技術者チャニングテイタム、
月面着陸シーンを撮影する、くせ強すぎる撮影監督、
などなど、キャラも魅力的。
実際に月面着陸が成功したのかどうかは、映画見て確認してください!(笑)