見出し画像

子どもとミングル〜ホームスクーリングと料理

「ミングルは子どもと一緒に料理をするのに良さそうですね」という声が案外多い。息子が小さなときにミングルがあったら親子のコミュニケーションはもっと豊かになったかなと思う。

が、それだけではない子どもとミングルの可能性について考える機会に恵まれた。

昨日、春のNサロンで私の「家庭料理の新デザイン」ゼミを受講した藍さんが、娘さんを連れてやってきた。彼女はホームスクーリングを実践している。

【ホームスクーリングとは】学校に通わず家庭を拠点に学習を行うこと(通学する場合もある)。日本では不登校の子どもを家で学習させるというイメージがあるが、既存の学校のあり方ではない教育方法を実践する、非伝統的(オルタナティブ)な教育形式のひとつ。親の教育方針、政治、宗教、地理的、健康的なものなど、さまざまな原因に由来する。アメリカ、カナダ、イギリスなどでは合法的である。日本では義務教育に関しては出席日数が足りていなくてもほぼ卒業できるため、環境が整っているかは別として、ホームスクーリングは可能な状況にある。

藍さんの娘さんのYちゃんは、現在小学2年生。1年生の冬から学校へ行っていない。藍さんは仕事も辞めて子どもと向き合った結果、Yちゃんの意志を尊重し、ホームスクーリングをすると決めた。Yちゃんは学校での集団生活こそ少し難しいが、人懐こく友達と遊ぶのも好きだというし、習い事もいくつかやっている。

春のゼミの3回目の調理実習に、藍さんはYちゃんを連れてきた。料理に関心があるそうで、大人たちに混ざって楽しそうに味噌汁を作っていた。

この日は駅で待ち合わせて駅前のスーパーで買い物をし、あさりのクラムチャウダーと、デザートに白玉団子を作ることにした。

買い物からスタート!

いろいろ買い物して、セルフレジもやってみた。

親子でじゃがいもを洗い、ピーラーで皮をむく。

「1センチぐらいの幅で切ってね」向かい合って切ったら、Yちゃん、右利きなのに左手で包丁を持ってしまった。これは失敗。90度の位置に立つ方が良い。

上手に切れた!

「水400ml入れてください!」ミングルは熱源が中央にあって、小さな子は少し手が届きにくい。台が必要だ。

あさりの砂抜きも体験してもらった。あさり、生きてるんだよ。

たまたま昨日Twitterで盛り上がった、ごぼう洗いを体験してもらう。たわしでゴシゴシ洗うと真っ黒なごぼうが白くなる。あとで切って粉をまぶして、フライパンでじっくり焼いて塩をかけた。

ぐつぐつ。

クラムチャウダー完成!買ってきてもらったパンと一緒に、昼食です。

実はYちゃん、あさりが食べられなかった。動いているのを見たら、ちょっと怖くなってしまったみたい。そういうこともある。それはマイナスではないと私は思う。あさりのだしのスープはおいしいと、パンをひたしてたくさん食べてくれた。大人になったら、ちゃんと食べられるようになる。

さて、いったん食卓を片付けて、デザートの白玉作りに移る。

「白玉粉100gはかってくださーい」

「ポロポロなのが、ひとつになるでしょ。よく練るとツルツルのおいしい白玉になるよ」

お団子に丸めるのは楽しい作業。「ニョロニョロしたのも作っていい?」「もちろん!少し細くしてね、火が通るように」

大小、長いの、いろいろなお団子ができました。

すくって、分けます。小さいのはタピオカみたいだから、タピちゃんと命名!

桃を切って入れて、シロップをかけて完成です。

藍さん、Yちゃん、やはりNサロンのゼミ生のyotsuさんと4人でお茶しながら食べる。Yちゃんは子供ユーチューバーになりたいらしいので、白玉チューバーになったらと提案。
逆に、カメラの構図とかセッティングのこと、教わった。(Yちゃんyoutube教室に行ってるのだ)

帰ってからも役立つのが、私の料理教室。今日作ったぐらいのものなら、子供1人でも作れます。

ホームスクーリングに話を戻すが、子供にとって料理はとても学びの多いものだ。生物、化学、数学、地理や美術、広げていくと環境問題に至るまでさまざまな要素が入っている。お金の管理やタイムマネジメントなど、現代社会で必須の能力についても学べる。

なにより体が覚えることの素晴らしさ。いくら知識があっても頭と手が呼応していないと料理はうまく作れない。その呼応能力や対応能力は、料理に限らずありとあらゆる場面で生きる力に直結しているし、自己肯定感も持てる。大人でもできない人が多い。

料理だけじゃないけれど、親が子に教えるのはなかなか難しいもの。第三者を入れて料理をやるのもありだなと思うし、ホームスクーリングのカリキュラムでこそ、ではないだろうか。

少子化を嘆くのではなく、せっかく子供の数が少ないわけだから、こういう学び方がもっと進んでいって、生き生きとした子供たちを増やすアイデアを小さなことから実現していけばよいのにと、考えた。それこそが、ミングル的発想ではないか、そんな話もしながら夏の午後を過ごした。

私は子供や教育については素人なのでレポートぐらいしか書けないのですが、こちらに藍さんのより深い考察noteが書かれていますので、ぜひ。

子どもとミングル、テーマとして引き続き考えていこうと思います。

yotsuさん(今回の写真、ほとんどyotsuさん撮影です!)、藍さん、そしてYちゃん、ありがとうございました。Nサロンから発展して、こうして家庭料理のことを考えてくださっているのが嬉しいです。

いいなと思ったら応援しよう!

有賀 薫
読んでくださってありがとうございました。日本をスープの国にする野望を持っています。サポートがたまったらあたらしい鍋を買ってレポートしますね。