添削屋「ミサキさん」の考察|26|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた㉖
「は」と「が」の使い分けですが、私はずっと感覚でやっていました。
自分で文章を書く場合はそれでよいのですが、他の方の文章を「添削」させていただく仕事をはじめて、なぜ「は」なのか? なぜ「が」なのか? という明確な根拠が必要だと思うようになっていました。
ですので、大野晋さんの発見は、非常に画期的なことだと思います。
「は」と「が」のこういった使い分けは、日本語の大きな特徴かなと思います。
とはいっても、他言語は英語のほか、ドイツ語とハングルを少しかじった程度なので、断言はできないですけど。
でも、日本語に文法的に近いハングル(というか、順番でいうと、日本語が朝鮮語の影響を古代から受けてきたということだと思いますが)、また違った英語やドイツ語(例の構文ですね!)とも違うニュアンスがあるのは、日本語の良いところで大切にしたいという気がします。
さて、つぎにいきます。
2⃣「は」がついても、主語になるとは限らない
この例文の場合、主語はどれでしょうか。
「野球選手のAさん」なのか、「バッティングが」なのか迷うところです。
正解は、「バッティングが」です。
「野球選手のAさんは」の「は」は、「主題提示の助詞の『は』」です。「野球選手のAさんについていえば」と主題を提示しています。
(「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」146ページ)
この例文の場合、「象は」の「は」が主題提示の助詞です。
主語は「鼻」になります。「(たくさんいる動物の中でも)象についていえば」と主題を提示しています。
「は」がついていると、主語かと思いがちですが、必ずしもそうとは限りません。(同上)
「は」に主題提示の意味合いがあるというのは言われてはじめて気がつきました。
「は」や「が」については、日本語を母語にしていると、無自覚的に使っていることが多いですよね。
でも、あらためて文法的に解説されると、「そうだったのか」と驚きます。
もちろん、ふだん文章を書くとき、ここまで意識する必要はないと思いますが、日本語の独特の構造を頭の隅に入れておくといいかと思いました。
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