添削屋「ミサキさん」の考察|27|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた㉗
3⃣「……が」を使っていいのは「逆接」のときだけ
「が」も注意が必要な助詞です。覚えておきたい「が」の用法は3つあります。
◉格助詞 おもに名詞について文節同士の関係をあらわすもの
◉接続助詞 前後の文をつなぐもの
文章のプロの多くが、接続助詞の「が」を警戒しています。「が」は前後のつながりのない文でもくっつけてしまうからです。
接続助詞の「が」には、上記のように「逆接」と「単純接続」の2つの用法があります。注意すべきは、単純接続の「が」です。
⇒確かに、単純接続の「が」は曲者ですよね。
下手をすると永遠につなげることができる助詞です。
例文2が代表的な使い方。例文1は「が」を削除した方が意味は通りやすい。
※「が」を逆接で使う場合は、例えば、
「期待を抱いて新規事業を開始させたが、軌道に乗っていない。」
『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』(新潮社)の中での井上ひさしさんの言葉。
「今日は、朝から雨だが、会社で弁当を食べた」
⇒「雨が降ると役所の都合で弁当がとれないとか、いろいろ事情はあるらしい。その事情の説明抜きでも『が』を使うと簡単に文章ができちゃう」
⇒以前ご紹介した、主語の違う2つの文章がつながって1つの文になっている例も、このような「が」の安易な使用によるものです。
単純接続の「が」を使わないようにするのも一つの手ですが、使う場合でも文章の論理構造を慎重に見ながら使うべきかと私は思います。
「が」をどう使うか、というより、論理性を心がける必要があるように思います。
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