|42|からつづく
――味覚について
角田房子『味に想う』より。
食べたくなる文章ですね 笑。でも、味覚そのものを言い表す描写はないですね。
次に紹介されている甘糟幸子さんの文章は、その点もっと踏みこんでいると思います。
さて、私のほうから例文を。
お料理や味覚の描写の名手といえば、この人ではないでしょうか。
柚木麻子『BUTTER』より。
味覚・食べ物の描写のこのある種の執拗さ、すばらしいですね。この作品のテーマでもある、食と官能とをこの描写においても濃厚に感じさせます。
この章の最後に。
「今まで、わざと、聴覚とか味覚とかに分けて説明を続けましたが、実際に文章を書くときは、五感は重なります。」
然り、かくありたいですね。
|44|につづく