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添削屋「ミサキさん」の考察|17|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた⑰
2⃣必ず入れたいのは「逆のこと」を書く場合
「接続詞はできるだけ省いたほうがいい」と主張する著者でも、「逆接の接続詞」の必要性を認めています。逆接の接続詞は、「前の文とは反対の内容」「前の文からは予想できない内容」が後ろに続くときに使います。
そのため、逆接の接続詞を削ると、
・文と文の関係性
・前後のつながり
が見えにくくなります。
おもな逆接の接続詞
しかし、しかしながら、だけど、けれども、ところが、なのに、にもかかわらず、とはいうものの、とはいえ、それでも、それなのに
教育学者の小笠原喜康さんは、逆接の接続詞について、次のように述べています。
「論理的な文章は、前後の文の関係が明確でなくてはならない。接続詞はその関係をつくりだす。その意味では、必要なところには、しっかりと入れなくてはならない。だが、順接の場合は、文章を短くすると必要でなくなることもある。可能な限り接続詞を省く方がすっきりする」(『最新版 大学生のためのレポート・論文術』/講談社)
ところで、私の意見ですが、論理的な文章の場合はあくまで論理関係を明確にするためということがあると思いますが、小説などの文章の場合には、リズムや雰囲気をつくるためにも接続詞(句)が一役買うこともあると思います(16でご紹介した『虐殺器官』(伊藤計劃)の文章展開など)。
◇最初は接続詞を使って書き、あとから削る
接続詞をうまく使う書き方のコツ
①接続詞を気にせず書く
論理展開や文章の流れを重視する。
②書き終えたあとで、「削れる接続詞はないか」を考える
特に順接の接続詞は削れることが多い。
③削るか残すか迷ったときは、「残す」ようにする
削りすぎて論理関係がわからなくなってしまっては、元も子もない。
自分事ですが、書きながら同時に正しく接続詞を入れるのは至難のわざです。読み返すと、必ずといっていいほど不適切な接続詞(句)が見つかります。
推敲のときにはとくに注意したいところですよね。
◉さて、以上Part1第1位~第7位を読んできました。
全部でPart3第40位まであるのですが、この後は、文章表現に直接かかわる重要なところをピックアップして、また例文などを挙げて見ていきたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
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