私の読書●小説家志望の読書日記⑮ 東野圭吾『プラチナデータ』
東野圭吾『プラチナデータ』読了。
最初は遺伝子(DNA)論のような方向にいくのかと思っていたのですが、それ自体には踏み込んではいませんでした。
それはともかく、やや、二つのテーマが絡み合わずに併存してしまったような印象があります。もちろんそれでも十分に興味深かったのですが、この作家ならもう少し深掘りできたのではないかという気がします。
(私の捉えた二つのテーマとは、DNAデータの国家管理という問題と、二重人格である主人公の、トラウマの底にある陶芸家だった父親の自殺、そこにおける芸術観の問題。)
ただ、終わり方は悪くありませんでした。これで彼らが国家権力と対峙するような展開になっていたら、まるで拍子抜けでしたから。
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