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【教員1年目 実践編】生徒との関係づくりは1対1から

こんにちは。
元教員で現ヒラ社員のかおるこです。

今回は、新任教員は生徒との信頼関係をどう結んでいけばいいのか?というテーマの実践編を書きたいと思います。
結論から言うと、生徒を集団として捉えるのではなく、「私とあなた」という1対1の関係をまず作っていこうという話をします。

教員としてのキャリアをお持ちの方には、当たり前に感じるかもしれませんが、まだ経験が浅い方はこのことを見落としがちだと私は考えています。(実際私もそうでした。)
今回は具体的な実践も交えながら、書いていきますので、どうぞ最後までお付き合いください。

【目次】
・はじめに
・「私とあなた」という1対1の関係を作る
・初任者の私がやったこと(実践編)
・あなたの心の内を生徒は見破っている
・さいごに

・はじめに

初任者にできることは数少ない。だからこそ…

さて、前回の記事(私の教員1年目の話(あの時は必死だった))では、私が四苦八苦しながら、生徒との信頼関係を1ミリずつ築こうとしていた話をさせて頂きました。

正直、初任者は授業もヘタですし、集団をうまく扱う技も持ち合わせていませんので、大変苦労する時期だと思います。

しかし、教師としての技量が不足していても、生徒との信頼関係がうまく作れていれば、案外生徒は助けてくれたりするものです。
ではそういう関係は、どのように作っていけばいいのでしょうか?


・「私とあなた」という1対1の関係を作る

生徒を集団と捉えず、一人一人の生徒だとみる

初任者が教員となり、最初にその難しさに圧倒されることは、1人で30~40人の生徒集団を扱わないといけないということだと思います。

「生徒が指示を聞いてくれない」
「一人がおしゃべりをし出すと周りの生徒もつられて話だし、収集がつなくなる」

こういう時、初任者が何とか力で抑えつけようとすると逆に生徒から反発を買い、関係が悪くなってしまうことも多々あります。

自分の失敗談を含めていうと、初任者はこの時、生徒集団という「数」に目がくらみ、その構成員は1人1人の生徒なのだということを見落としがちなのではないかと思うのです。

つまり、常に1対40での関係づくりをしようとしてしまっているということです。

しかし、人間関係というものは、1対1で結んでいくことが基本です。
たった1人の生徒と信頼関係を結べない教員が、生徒の集合体である学級と信頼関係を結ぶことは不可能だと私は思うのです。(もちろん対集団になることで関係が変容することはあります)

ですから、集団を扱う技術や経験を持ち合わせない初任者は、まず、1人の生徒と信頼関係を結ぼうとすることから始めるしかないと私は思っています。


・初任者の私がやったこと(実践編)

「あなたを見ているよ」というメッセージを出して続けていく

私は、初任者が集団をまとめるためにできることは、普段の生徒1人1人との関係づくりをコツコツやること。これに尽きると思っています。

しかし、授業の時間が始まってしまってからだと、どうしても関係は1対40(集団)になってしまいます。
ですから、私は1対1の関係を作るべく、授業前と授業後はなるべく教室にいるようにし、毎時間生徒1人か2人に声をかけるようにしました。

具体的には…
・(黒板に残った字を見て)前の時間何勉強したん?難しいことしてんなぁ。
・(自分の授業が終わってから)今の話わかった?説明わかりにくいとこあったら教えてね。
・あれ?背伸びた?(←これが一番喜ばれる)
・(眠たそうな子に)昨日何時に寝たん?
・(テスト返却時)すごい、前より上がってる!

などなど、小さなことでいいので、「私はあなたのことを見ていますよ」「あなたに興味がありますよ」「私は授業を改善したいと思っていますよ」というメッセージをなるべくこまめに出すようにしていました。

生徒は先生に話しかけられると嬉しいものですし、そういう教師の姿を、実は周りの生徒も見ているもので、「この先生は私たちのことをわかろうとしてくれている」というのを少しずつ感じ取ってくれます。
そうすると、生徒はもともと若い先生に親近感を持っていますから、教室に残っているだけで、話したそうにしてくれる子が出てきたり、授業の後で質問に来てくれたりするようになってきます。

そういう、「私とあなた」という1対1の関係を生徒一人一人と少しずつ築き上げていくことで、1対40の授業形態になった時にも、不思議と1対1で話している時とそう変わらない落ち着いた関係になってくると思っています。

(ただし、信頼関係の構築には少なくとも3ヶ月くらいはかかると思っておいた方がいいです。諦めずにやりましょう。)


・あなたの心の内を生徒は見破っている

小手先ではなく、誠実に向き合おう

また生徒に対しては、どんな声かけをするかも大切ですが、あなたが本当に彼・彼女のことに興味を持ち、一人の人間として見ようとしているかどうかが最も重要だと私は思っています。

生徒はまだ未熟な部分や気持ちを言語化できないことが多い分、動物的勘ともいうべき、鋭い察知能力を持っており、あなたの心の内を見破ってくるものです。
ですから、あなた自身が本当に生徒のことをわかりたいと思っていなければ、到底うまくはいかないでしょう。

しかし、あなたが本当に生徒との関係を築きたいと願い、誠実にコツコツ努力を続けていれば、それに応えてくれる生徒は必ずいます。
それを信じて、毎日生徒一人でもいいから個人的なコミュニケーションを取ろうとしてみることを、あなたへのアドバイスとして送りたいと思います。


・さいごに

今回は、初任者が生徒との信頼関係をいかにして結んでいけばよいか?というテーマで、生徒を集団として捉えるのではなく、「私とあなた」という1対1の関係から作っていこうという話をしました。

生徒は「自分のことをわかってくれる・わかろうとしてくれる」先生に信頼を寄せます。そういう先生の言うことだからこそ、ヘタな授業をがまんして聞いてくれたり、めんどうだと思うことをしてくれたりするものです。

相手は生徒でも大人でも、人間関係の中で信頼関係を結んでいくプロセスは同じです。
あなたが今まで大切な友人と結んできた関係を思い出し、生徒ともまずは1対1の関係づくりを地道に始めてみましょう。
それがひいては、あなたの教師としての喜びにつながっていくと私は信じています。


では、また。


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