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老いて着るべきは派手な服? 地味な服? (藤村公洋)

早くおじいさんになりたかった少年

それにしても古着が似合わなくなった。

面白みがなくなった、といったほうがいいかな。驚きがない。
昔はこんな事はなかった。古いツイードのベストに幅広のネクタイを合わせ、内側のライナーがボロボロになったステンカラーコートを羽織って穴のあいた中折れ帽を被るといった全身古着の「おじさんコスプレ」はとても楽しく満足度の高い遊びだった。
前回も書いたように僕の夢は長生きであり、おじいさんコーデをしたいというのがその大きな理由のひとつだというのに。
このごろは、たまに古着屋で試着してみても(先日も竹下通りに移転したシカゴに行ってきた)鏡に映るのは単に古びた男が色褪せた服を着ているというだけの話で、気が滅入ることはあっても新鮮味やメッセージ性などどこにも感じられない。

ん?ちょっとまって

あれれ?

変だな

ここまで書いてみて大変なことに気づいちゃったかもしれない…

ちがうんだ。

僕は古着が似合わなくなったんじゃない。

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