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新しい音楽を聴かなくなるのは老いなのか?(藤村公洋)

『夜はともだち』

初めて手に入れたトランジスタラジオは両親に連れられて行ったパチンコ屋の景品だった。
’79年かな、小学5年生のときだ。当時(というか最晩年の数年以外は常に)ハードコアな喧嘩を夜な夜な繰り広げていた両親の罵詈雑言から耳を塞いでいたい僕にとってラジオはひと時の防空壕のような存在だった。クリーム色のイヤホンを片耳にさし、もう片方の耳を枕に押し付けて聴く温かいお喋りと新旧問わず魅力的な音楽。小さなラジオの向こうに広がるまだ見ぬ世界。ひとりじゃない。
その名も『夜はともだち』という、まるで僕の為に考えられたかのようなタイトルの番組にどれだけ救われたろう。夜は、ともだち、ですよ。すごくないですか?今でも、あの頃聴かせてもらったゴダイゴ「ビューティフル・ネーム」や久保田早紀「異邦人」を聴けば、“ゆうじ小朝の〜夜はともだち〜♪”というジングルと共に暗く長かった夜を思い出す。

といったところが今回のお題をいただいたとき咄嗟に思いついたことで、まあ僕の言いたいことはだいたいこれで全部なんですが(笑)、そうもいかないのでもう少し続けてみますね。

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