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ファンは2種類いる

「ファンは2種類いる」という話を聞いたことがあるだろうか?もしあるのであれば、おそらくスノーピーク社の『「好きなことだけ! 」を仕事にする経営』を、読んだことがある人だろう。

僕はこの本を読んだとき、正直「そんなことってあるのかよ」と思った。だが実際にやってみて「完全にその通りだった」と、あとで痛感した。ファンには間違いなく2種類のタイプがいる。

ちょっと本の内容はうる覚えなので(おい)、自分の言葉になるのだが、ファンには「その対象が好き」と「その対象が所属するカテゴリーが好き」の2種類のタイプがいる。これはどういうことか。

仮にあなたが、ラーメン店をオープンしたとする。幸いなことにオープン直後から、長蛇の列の日が続いた。リピートしてくれる人もいて、しばらく客足は途絶えそうにない。あなたは店に固定ファンがついたと一安心する。

だが隣町で、新しいラーメン店がオープンした。すると固定ファンだと思っていた客の多くが、その新しい店へと流れていく。残ってくれたのはごく一部の客だけだ。ほとんどの客は「ラーメンが好き」なのであって「あなたの店が好き」ではなかったのである。

この現象がなぜ起こるのか。僕は「主従の逆転」が理由だと考えている。

SHOWROOMのUIデザインの話がわかりやすい。SHOWROOMはプロアマ様々なタレントが自分で動画配信できるプラットフォームだが、そのUIデザインはユーザーたちのアバターの方が、タレントの画面よりも大きく映るようになっている。

つまり「主」がユーザーたちで、「従」がタレントなのだ。ファンが2種類いるという話も、これに近いのではないかと考えている。つまりカテゴリーが好きというのは、自分たちが好きというのと同義であり、あくまで「主」は自分たちなのである。

そしてこの「主従の逆転」は、これからもっと加速すると思う。だから自分の店のファンを「従」として囲い込むのではなく、どんどんファンに「主」になってもらって、カテゴリー自体のパイを大きくしていくのが得策だ。

「負けるが勝ち」の精神で、ファンと向き合うことのできた会社やタレントが、これからの時代を生き残ると僕は考えている。

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