
ペンの強さ
おはようございます。きょうも書いていきます。
「ペンは剣よりも強し」という言葉が好きだった。だが最近あまりそれが、好ましいと思えなくなっていた。「より強し」とはなんだか無粋だ。
僕にとってペンは、もっといえばペンから生まれる文字は、争いではなく救済の方がよく似合う。他と争って勝ってしまうなら、それは剣なのだ。
なぜそのことを意識するようになったか。それは、こうやって文章を書いていて、誰のために書くのかというのを、考えるようになったからだ。
はじめは、もちろん自分のために書いていた。やがて、読みに来てくれる人が増えて、読まれていることを意識するようになった。以前の僕であれば、きっとそこで読者の興味に合わせるように、話題を選んだと思う。
だが、読んでくれる人に合わせるというのは、競争に身を置くのに等しい。僕に読む人が求めているものがわかるのならば、それは他の人にもわかるということだ。それに応えるのでは、結局誰が書いても同じになってしまう。
いつのまにか持っているペンが(PCだけど)、剣に化けてしまっているのだ。
だから僕は常に自分に合わせて書いている。まずは自分のなかに潜りこみ、なにに悩んだり、苦しんだり、考えが尽きていないかを模索する。それを、ペンで救済していくのだ。
自分が悩んだり、苦しんだりすることは、他の誰かも同じようになっていることが多い。だから、まず僕が自分を救済するから、あとはお願いします、という感じでやっている。そこのところは、結構他人任せである。
正直昔はペンで誰かを貶めてやるとか、ひっくり返してやると思っていた時期もあった。でもそんなことをしたら、剣とおんなじじゃないかと、あるとき思いはじめた。むしろいまは逆で、ペンで誰かを救いたい。おこがましいかもしれないが。
それだけの力がペンにはあるし、僕はずっとそれに、救われてきた。争わなくていい。剣とおなじ土俵にあがらないことが、ペンの強さだから。
きょうも読んでくださってありがとうございました。よい一日を、おすごしください。
いいなと思ったら応援しよう!
