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ギリシャ2回目:Day6 エピダウロス
2月15日
ナフプリオから 35km 東に位置する世界遺産、アスクレピオスの聖地エピダウロス。この遺跡をガイドさんに案内してもらった。
エピダウロスは古代ギリシャのヒーリンセンターで、治療を求める人々が訪れて栄えた場所。アスクレピオス信仰が基となっている、ホリスティックなアプローチでヒーリングを行っていた。
ギリシア神話に登場するアポロンの息子アスクレピオスは医療と健康を司る神として崇められていた。アスクレピオスの治癒能力にちなんでこのような治療センターができ、治療を求める人々(裕福な人々)が奉納品を持ってギリシャ各地から訪れた。
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ヘビは脱皮をすることから蘇生の象徴だった。杖にぐるぐる巻くヘビが医学のシンボルとなっているのは、ギリシャ神話の医神にちなんでいるようなことは昔から聞き覚えがあるが、その発祥の地がここだったのか。そのぼんやりした遠いギリシャの国の神話でしかなかった話が、実際にこの地を訪れてみて、リアルに感じられるようになった。古代の文明と自分の記憶が結びついて、過去が現在も生きている、過去と現在が融合するような感覚を覚える場所だ。
エピダウロスは紀元前4〜5世紀に隆盛し、ローマ時代にまで続いた。ここにはアバトンやトロスという医療施設を中心に、神殿、劇場、宿泊施設、浴場、屋内競技場、スタディオン、図書館、ストア、野外大劇場など、いくつもの施設が建てられていた。癒しの複合センターで「ヒーリングの聖地」だったと同時に、ストアでの討論、競技の祭典、演劇など古代ギリシャで流行った文化芸術のたぐいを経験できる場所だった。
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まず考古学博物館に入って出土品などを見ていく。
考古学博物館で最初に目に入るのが文字でいっぱいの石碑。これには、治療を受けた人の名前と症状・施された治療の内容などが書かれているという。
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ローマ時代になるとこのような頭を取り換えできる像の奉納品が流行ったそうだ。上に見えているライオンは、神殿外部にあった飾りで、口から雨水を排水できるようになっていた。
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治療を受けたい人々が奉納品を持って訪れると、入浴、断食、祈りなどを勧められる。食堂もあって、いけにえの動物を調理したものなどを食べたのかもしれない。競技場では、患者さん達はスポーツはできなかっただろうから競技を観戦したのか。そして劇場では泣いたり笑ったりして心のケアを。
古代の人々はこのプロピュライアからエピダウロスの聖域に入る。
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治療を受ける者はこのアバトンの地下の場所で眠り、見た夢を神官が解釈して治療法が伝授された。
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円形の建物はトロスと呼ばれる祭壇。左方向の地下にはアスクレピオスの墓が近年発見されたという。
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この有名な大劇場は、ギリシャの野外劇場としてはもっとも状態がよいものらしい。1955年から毎年夏のフェスティバルが開かれている。日本の能の上演もあったという。やはり一度夏に来てみたい。
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ところで、なぜこの辺鄙な場所がよかったのかと不思議に思ったが、比較的平坦な土地が広がっていて、多くの建物が必要だった複合施設を建築するには最適だったようだ。しかも静寂な自然環境、ミネラル水も豊富だったということで、癒しの場所として選ばれたのだろうということだ。
後に、このエピダウロスのような治療センターが、アスクレピオスの名にちなんで「アスクレペイオン」と呼ばれて地中海地域のいくつかの場所に造られたという。
こんな癒しの場所が実現するということは現代には可能なのだろうか。
参照
https://henro.ll.ehime-u.ac.jp/wp-content/uploads/2004/02/d47350c9677c9d7ca839ddf1da86a790.pdf