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アドバイスに使ってみたい漫画の名言⑩ ~『こちら葛飾区亀有公園前派出所』~

5月の中旬ごろになると、
中学校に入学してきた1年生は
初めての定期テスト(中間テスト)を受ける場合が多いと思われます。

小学校のときは、
テストのためのテスト勉強をするという感覚がほぼなく、
勉強しなくても
ある程度、点数がとれていたという成功(?)体験があるためなのか、
楽観して何もしなかったり、
勉強の仕方がわからなかったりして、
想定以下の結果にショックを受けてしまう生徒が少なからずいます。

そんなとき、
アドバイスに使ってみたい名言として頭に浮かぶのが

人間!つまずくのは恥ずかしい事じゃない!
立ち上がらないことが…恥ずかしいんだぞ!

こちら葛飾区亀有公園前派出所

です。

もちろんテスト結果に落ち込んでいる生徒に対して
「こち亀」のこのセリフをそのまま使ってしまうと
刺激が強すぎるので、生徒の状態に応じて
同じような意味に言葉を変換し、アドバイスしました。

・つまずいてしまったら、落ち込んでもいいこと
・落ち込むだけ落ち込んでいいから、その後、すぐに立ち上がること
・今、その立ち上がる逞しさを学ぶチャンスがきたと思うこと
・失敗しない人なんてこの世にいないこと
・逆に中学校のテストという人生の初期段階で、挫折を味わい、
 そのつまずきを乗り越える経験ができると思うこと
・年齢を重ねるほど失敗やつまずきの規模が大きくなり、
 解決できないことのほうが多くなること
・定期テストの場合、次、どう行動すればいいか、
 解決策がはっきりしているので立ち上がることは十分可能であること
・大きくジャンプするには、一度しゃがまなければならないこと
・落ち込んでいる気持ちは、
 次、大きくジャンプするための準備であると考えること
・いい結果を残せなかったのは恥ずかしいこと、悲しいことではないこと
・立ち上がれないと思い込み、
 自分の可能性を否定してしまうことのほうが悲しいということ
・立ち上がるためにはエネルギーが必要なこと
・そのエネルギーを自分の中から、どうひねり出すかを考えること

というような感じの内容を伝え、
生徒が前向きな気持ちになれるように配慮していました。

しかし、あくまで個人的な感想ですが、
世の中全体、失敗に対する寛容さが薄れつつあるように思われます。

学校においても
【生徒の失敗=教員の責任】と
批判されがちな状況が多いように思われるため、
生徒に失敗させない、成功を体験させる教育活動が
主になっているように感じます。

周囲がリカバリーできる若い年齢のうちに、
失敗から立ち上がる経験をさせることが大切なんですが、
生徒に失敗をさせてしまうことによるリスクに
つまずきを感じている教員の方も多いのではないでしょうか。

私はそのリスクを回避したい1人であったため、
失敗しないように手厚くサポートしすぎ、
生徒がつまずきに対する耐性を身につける機会を
あまり与えられませんでした。

大人になってからも終始、
どんな失敗からも立ち上がる「こち亀」の両津勘吉さんのような逞しさを
どうすれば身につけられるのかは、教育の課題の1つなのかもしれません。

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