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サム・クックみたいに歌えたら、死んでもいいなって思います by 甲本ヒロト


サム・クック『Twistin' the Night Away』


   ヒロトとマーシーが二人で楽しそうに、好きな音楽をかけるラジオが、すごく好きで聴き返すことがある。
   2人の話しにでてくる歌手は、知らない人だらけで、コアな話しが多い。けど2人の会話から、本当に好きなんだという感じが伝わってきて、その「好きになる」気持ちを感じたいと思った。

    その中で『サム・クック』というキーワードが気になった。

   『サム・クック』の名前は、他のバンドでも聞いたことがある。ザ50回転ズの『サム・クックが聞こえる』タイトル通り歌詞に「サムクックが聴こえるよ」と名前が入っている。ザ50回転ズの曲を聴いた時は、『サム・クック』が何者で、どんなものなのかも分からないまま、勝手に想像をして曲を聴いていた。

   自分の好きなロックミュージシャン達が好きと言っているということは、たぶん自分も好きになる可能性が高いと思って調べることにした。

  そこで、ヒロトが毎週放送しているジャンゴバンゴデラックスで昔何回か紹介していたので、同じレコードはないかと探した。

   みなさん、こんばんは。甲本ヒロトです。元気かな?今日はね、ご機嫌な歌をお届けします。聴いてください。サム・クックで『ツイストで踊りあかそう』~♪
 サム・クックで『ツイストで踊りあかそう』聴いていただきました。原題は、『Twistin' the Night Away』1962年発表の『ツイスティン・ザ・ナイト・アウェイ』ていうアルバムの1曲目を僕はかけました。ただただ楽しい気持ちになります。
 はい。えーと、歌を歌おうと思う人は、一度は意識してしまうのが、サム・クック。もう偉大な存在ですね。とても楽しいので、このアルバムの2曲目もかけちゃおうかなーと思います。それでは、聴いてください。サム・クックで『Sugar Dumpling』~♪
 サム・クックで『シュガー・ダンブリング』聴いていただきました。やっぱり楽しいねー。うん。このコーナーをやってると例えば、サム・クックだったならば、サム・クックだけで、1時間~2時間の特集が組めるし、それでもまだ足りないと僕は思う。もしも、この番組をきっかけに、サム・クックを好きになったら、ん~と。例えば、彼がソロになる前の『ソウルスターラーズ』というゴスペルグループで歌っているのも聴いてみて欲しい。それから、このアルバムの次の年に録音された、1963年にされて、1985年に発表になった『ハーレム・スクエアクラブ』でのライブ。なぜ、1963年に録音されたものか1985年まで発表されなかったのか。その理由も含めて知って欲しい。歌い方それぞれちょっとづつ違うし、でも僕はどのサム・クックも大好きです。素晴らしいなと思います。はい。サム・クックみたいに歌えたら、死んでもいいなって思います。それではまた来週。甲本ヒロトでした。バイバーイ。」

2011.6.4放送 DJANGO BANGO DELUXE 

 
 『Twistin' the Night Away』をYouTubeで見つけて、聴いてみた。とってもポップで元気になれる歌だと思ったし、『サム・クック』の声が響いてて、好きかもと思った。

  もっと探していくとウルフルズが『かわいいひと』のB面に、サム・クックの『ワンダフル・ワールド』をカバーしているのを知った。トータス松本さんは、サム・クックを敬愛していて、ヒロトがラジオで流したアルバム『Twistin' the Night Away』を完全カバーしてることを知った。アルバムのジャケットもそのまま再現していて、熱量が伝わってくる。

  Netflixにも『サム・クック』のドキュメンタリーが配信されていて、サム・クックがどんな人で、ヒロトが話していた『ハーレム・スクエアクラブ』のライブについても分かった。サム・クックを調べれば調べるほど「人間的にも好きだ」と思ったし、みんなに好かれる理由も頷ける。

   いろんなレコード屋を回り、数ヶ月してやっと手に入れた『Twistin' the Night Away』赤い背景に、満面の笑顔の『サム・クック』。眺めてるだけで楽しそうなのが伝わる。レコード針を落とせば、後は「最高」の一言。完全に『サム・クック』沼に片足突っ込んだ状態になった。

   このアルバムを聴いてから、『サム・クック』のレコードを集めるようになった。マーシーがブルーハーツの時に歌ってた『チェインギャング』の元ネタもサム・クックだと知ったし、ヒロトが言っていた1985年発表の『ハーレム・スクエアクラブ』のレコードは、言葉にならないくらい大好きになった。

サム・クックの話しは、長くなるので、次に続ける。(サム・クック最高だよ)

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