シェア
サンゴの中には、たとえ同じ種であっても、生息している場所によってその姿が大きく異なるものがいる。例えば、ハナヤサイサンゴは、波が少なく穏やかな環境では複雑な枝状の形をしているが、礁縁部の白波が立ち激しい衝撃にさらされる環境では、一つ一つの枝が太くなり、より単純な形をしている。これは、波の衝撃に耐えるために彼らが施した工夫とも言える。 * 新渡戸稲造の著作である「武士道」には、「最も剛毅なる者は最も柔和なる者」という言葉がある。この一文は、精神について語っている部分が大
馬は賢い。ドイツ語で「クルーガー・ハンス(賢いハンス)」と呼ばれた馬がいた。その由来は、彼が計算をすることができたことにある。計算ができる賢い馬として一躍有名になったハンスだが、種を明かしてしまえば、彼は計算をしていたのではなく、人間の表情を読み取っていたのだった。彼は数を答える際、その数だけ自身の蹄で地面を叩くのだが、正解の数に達した瞬間の出題者の表情を見て、それ以上地面を叩くのを止めていたのだ。 * たとえ計算ができなかったとしても馬は賢い。長い間人類の家畜として
人はなぜ、祝い事や見舞いの際に花束を贈るのか。どうして花束をもらうと嬉しいのか。このような疑問に目をつけ、一つの考えを導き出した生物学者がいる。その人こそ、エドワード・O・ウィルソンである。彼は、人が花や自然を愛する理由として、「バイオフィリア」という考えを持ち出した。バイオフィリアとは、他の生命体、および、生命全体のプロセスと「親和的な関係を構築しようとする」人間の精神的な性向のことである。簡単に言えば、人が他の生物や自然に対して、関心や好意を抱く性質のことである。 *