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2011年4月のできごと:クレヨンハウスの落合恵子さんからの電話
東日本大震災で落ち着かない中、被災地の子どもたちに絵本を送ろう!というクレヨンハウスのプロジェクトに応じて、段ボールに絵本をつめて送った。
さすが、絵本だけでなく、女性や環境問題に寄り添った本やグッズをそろえる専門店ならではの取り組みだった。東日本大震災の喧噪の中で、出版社とセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンをはじめとする団体などとともに、4月1日にプロジェクトを立ち上げ、避難所となっていた学校や施設にばんばん絵本を送っていくスピード感がすごい! その送り先の一つひとつに、クレヨンハウスを主宰する落合恵子さんは、独特のあたたかい文字と内容の直筆メッセージを添えていたようだ。
すでに子どもは絵本を卒業する年齢で、むしろ私の方が絵本好きになっていて、すごく真剣にセレクトしたことを思い出す。子どもと本を選び、楽しんだ思い出をあれこれ話しながら段ボールに入れ、しっかり箱を閉じた。新しい読み手が喜んでくれるとうれしい、とピュアにそう思った。
そしてなんと、落合恵子さんからじきじきにお礼の電話をいただいた。その当時のブログ記事を、寄せられたコメントと一緒に転載したい。
2011年4月26日のブログ記事より
夕食後に電話が。はっきりした声で「クレヨンハウスの落合恵子です」と名乗られた。何とご本人だ。
先週、落合恵子さんが主宰するクレヨンハウスのプロジェクト、『HUG & READ、もっとハグしてあげよう、もっと読んであげよう』に、引っ越し用の大きな段ボール箱で絵本と児童書を送った。東日本大地震の被災地の子どもに本を送ろう、という趣旨で、絵本の寄付を募り、NGOのセーブ・ザ・チルドレンと共同で、避難所や学校、幼稚園などに既に本を届けて始めている。
HUG & READ プロジェクト(2012年4月1日まで)のブログ
*プロジェクトは終了していますが、2024年10月現在、まだ読めました!
http://hug-read.blogspot.com/
送った絵本は良質の物ばかり、と自負している。なぜなら半分近くはクレヨンハウスで購入したのだから。それに、前任の大学では幼児教育の課程がないのに児童文化の授業を始めることとなり、教材や自分の勉強用にポケットマネーで「二冊目」も買い込んでいた。ほとんど新品に近い逸材ぞろいだ。
子どもが幼稚園や小学校低学年の頃、クレヨンハウスが大好きで、1階の絵本コーナーで絵本に没頭していた。2階のおもちゃフロアも好きで、自然食のレストランを合わせると、親子の休日があっという間のお店だ。
一方で、苦い?思い出は講座「リード・アラウド」。文字通り、大声で読む、それも英語の絵本を、という講座であった。引っ込み思案の幼稚園時代の子どもと2回ほど参加したが・・・・・。アメリカ仕込みの先生が、(はい、大声で!)のような勢いで子どもをうながす。「ソフィ、ゲット、アングリー!」と大声で応える子どもたち。我が子は萎縮してうつむくばかり。先生が顔をのぞき込むように「キャット?」と問いかけてくださったが、子どもはますます固まって・・・・・。子どもに代わり「アイ、ライク、キャット(動作付き)!」と周りの親子への受け狙いの助け船を出す、悪いお母さんの私・・・・・。
今回の段ボール詰め作業をしていて、「リード・アラウド」のテキスト(普通の絵本です)が出てきて、子どもと思わず苦笑した。今では良い思い出だ。今は亡き長新太さんや、(『チョコレート工場の秘密』の挿絵の)クェンティン・ブレイクの絵本、中川ひろたかさんや長野ヒデ子さん(絵本作家ですが!)のCDなど、未知の素敵な児童文化の世界を、クレヨンハウスにはたくさん教えてもらったように思う。
いつの間にか子どもはヤングアダルト文庫を読むようになり、引っ越してクレヨンハウスは遠くなった。我が家の絵本コーナーも「すかすか」になった。しかし、被災地の子どもにとって少しでも気休めになったり、喜んでもらえたりするなら、絵本も本望だろう。
電話口の落合恵子さんは、絵本のお礼と、サイトに載せる氏名についててきぱき話された。いったい何人に電話されたのだろう。頭が下がる思いだ。私は最後電話を切らずに相手の動きを待つことが多いが、落合さんもなかなか切らない。そんなところも敬服してしまう。
ブログ記事に寄せられたコメント: nekohandさん、 wisteriaさん、ありがとうございました!
みどりさんの家って本がいっぱいありそうですね~
うちも沢山ありますよ~漫画が・・・
ここ二、三日上の娘(小学4年生)がハリーポッター読み出しました、
ゲームに漫画、DVDと、ど~しようもないと思ってましたが、
何故か突然(笑)
感想はまだ聞いてませんが、活字に興味を持ってくれればと、
ちょっと期待してます
絵本を読んでって、せがまれてたのが懐かしいなぁ
ハリー・ポッターは分厚いですよね~
小4ですごいなあ、と思います
たくさんの登場人物が出てきて、
オトナは(私は?)根気が続きません?!
絵本読んで、と子どもに言われるのは
本当に幸せな時代かもしれません
それも思いのほか、短くて・・・・・
娘(小6)もハリー・ポッター大好きでしたが
最近は「Gantz」系に・・・・・ちょっと複雑です
落合恵子さんから直接お電話ですか
すご~い
うちの本は痛んでしまったものが多くて
人様に差し上げられる状態のものではないかも
実は今日の夕方にもう一度
落合さんから電話が
夫が出たのですが、ブログに名前を載せました
という確認の電話だったようです
ブログ見ましたが、こんなにたくさんの参加者に
電話されていると思うと、本当に頭が下がります・・・・・
本は「現役」のものを荷詰めしたつもりです
わが子のファースト・ブック『いないいないばあ』は
文字通りぼろぼろで・・・手元に残しました。
たしかに1、2歳の頃、叩くようにページをめくっていたし・・・・・
他にも、ラクガキやお菓子のくず!でいっぱいの本も発見!
記念に残しておくかどうか、迷いどころです☆
後日譚: 2024年10月に思うこと
青山にあったクレヨンハウスは、吉祥寺に移ったらしい。行きたいな・・・。
この noteのトップの画像は、まだ手放せない『悲しい本』(マイケル・ローゼン・作、クェンティン・ブレイク・絵、谷川俊太郎・訳、あかね書房、2004年)と、『4人のこえがきこえたら』(おのりえん・ぶん、はたこうしろう・え、フレーベル館、2007年)。クレヨンハウスで手に取った、大人向けの絵本です。
日曜は、NHKラジオ第一「NHKマイあさラジオ」で朝の6時10分過ぎから、落合恵子さんの「絵本の時間」がある。落合さんが一冊を選んで魅力を語り、それに合わせた、なんだか懐かしい楽曲が流れる。日曜の朝、早起きしなくては!
↓クレヨンハウスのWebサイト「大人にもおすすめしたい~NHKラジオ[落合恵子の絵本の時間]で紹介した絵本」の URL