「このエンブレムをつけたかった。」オフ・ザ・ピッチ インタビューvol.1-ジェフユナイテッド株式会社 高梨 智久さん
合同会社ライクズのスポンサーアクティベーションの一つとして、ピッチ外からクラブを支える人たちにスポットライトを当てる活動「オフ・ザ・ピッチ」をスタート。
7/30(火)に開催したイベントに続く第二弾のコンテンツとして、ジェフユナイテッド株式会社スポンサーグループ 高梨 智久さんへのインタビュー記事を公開いたします。(取材:2024年6月)
高梨 智久(たかなし ともひさ)
ジェフユナイテッド株式会社
スポンサーグループ マネージャー
「ジェフに入社する可能性を高くするために、当時働いていた会社を潔く辞めて1年半くらいフリーターをやりました。」
――まずは高梨さんの今の役職を教えてください。
スポンサーグループのマネージャーです。2009年に入社してから3年間スポンサーグループで勤務し、他部署を経て2020年に戻ってきました。
――2012年から2020年の間はどんな部署にいたんですか?
運営に3年、ホームタウンの部署に5年いました。
――もう少し遡りますね。
2009年入社とのことですが、新卒での入社ではないですよね?
そうですね、中途です。前職は千葉市内の企業で営業職をやっていました。
――どんなきっかけでジェフに入社したんですか?
元々サッカーは好きだったんですけど、ジェフには興味がなかったんです。
興味を持ったきっかけは、前職で仲の良かった先輩がジェフに勤めることになったことでした。
たまたまその先輩が「試合観に来なよ」と誘ってくれて。
そこで観たオシムさんのサッカーがめちゃめちゃ面白くて、それからしょっちゅう試合を観に行くようになり、後にその先輩に「ジェフに入れないか?」と話をしました。
――当時はそこまで求人とかも出回ってなかったと思うのですが紹介で入ったと。
縁ですね。ジェフに入社する可能性を高くするために、当時働いていた会社を潔く辞めて1年半くらいフリーターをやりました。
――1年半!結構空白期間がありますね。
実家暮らしだし、家庭があるわけでもないのでフリーターでも何とかなるだろうと。本気でジェフへの入社を狙うのであれば潔く辞めちゃおうって。
先輩との縁はありますが、それ以外にもジェフに入れるきっかけを作ろうと思い試合運営のアルバイトをしてみたり。
その途中でジェフに声をかけていただきました。
――いや、すごいです。壮絶でしたね。
夢は叶うじゃないですけど、やはり願っていれば叶うんだなと思いましたね。
――今の話でインタビュー終えても良さそうですね(笑)
スポンサーグループの話
――今シーズン、スポンサー営業の調子はいかがでしょうか。
ありがたいことに今年は新規スポンサーも増えています。
だからこそ、一人当たりのクライアント数が増えたことで以前ほど一社一社に対して手厚く対応できなくなってきていることにはもどかしさ、申し訳なさがあります。
――難しいですよね。営業拡大しようとすると既存スポンサーのフォローに手が回らなくなるジレンマ。
とはいえ新規獲得とエンゲージメント向上、どちらも諦めたくないです。
今は目の前にある仕事に全力で取り組んで、いつ人員が増えてもいいように環境を整えていこうと思います。
――ところで、2023年の10月からマネージャーになられたとのことですが、管理職になる前となった後で何か変わりましたか?
今までは、もちろんスポンサーグループ全体のことも考えつつですけど、自分がやるべきことを突き詰めればよいという感覚で仕事をしていました。
それがマネージャーになってからは、グループ全体がうまく回っているか、グループとしての数字が目標に達するかなど、より全体を俯瞰するようにようになりましたね。
グループのみんなに対しても、年度のはじめに目標をいくらにしよう、件数はコレで、厳しいけど頑張ろうという話をしています。
前職で学んだことですが、数字を出そう!とか売り上げをどのようにに上げるというイメージや気持ちを持たないといい話にも繋がらない。気持ちって大事だと思うんです。
そんな話をメンバーにした上で、目標もあえて高く設定しました。
なお、おかげさまでスポンサーグループでの目標は達成しそうです。
厳しい数字だと思っていたのでグループのみんなには本当に感謝しています。
――シーズン中、営業の方も試合日はフクアリにいらっしゃるじゃないですか。みなさん休んでますか?
ちゃんと休んでます(笑)。試合の翌日は基本的にみんな休みです。試合がアウェイの場合は土日月とお休みをいただくこともあります。そうすると週休2日くらいのペースになります。たまに試合の週の月火がお休みのこともありますね。
「しんどいというか、辛かったことの方が多いです(笑)」
――続いて、入社してから一番うれしかったことと、しんどかったこと。
両方お伺いしたいのですが、どちらが先に浮かびますか?
しんどいというか、辛かったことが多く浮かびます(笑)。
僕が入社した2009年にJ2へ降格したので、正確にいうと「突き抜けて嬉しいイベントがまだ訪れていない」というか。
この試合で勝って嬉しかったという思い出はあるものの、突き抜けて嬉しい場面にまだ立ち会えていないですね。
――言われてみるとサポーターとしても同じかもしれないです。
今後、J1昇格したときが突き抜けてうれしい瞬間だと思っていますし早く味わいたいです。
悔しいのは‥ぶっちぎりで2014年のプレーオフの試合(味の素スタジアム モンテディオ山形戦)。あれがもう何よりも悔しかった。
――プレーオフにも何度か出場していますが、特に2014年が悔しかった?
2012年から2014年は運営の仕事を担当していたので、サポーターの皆さんとも色々なやり取りをしていたんです。
2012年のプレーオフ(国立競技場 大分トリニータ戦)は、初めてのプレーオフということもありどこか気持ちが浮ついた部分があったのかもしれません。
敗戦後、選手がゴール裏へ挨拶へ行った後ろにいたのですが、サポーターが悔しがっているのに大音量で千葉コールを送ってくれたんですよ。
サポーターも悔しくて泣いている、しかも選手も泣いている中での激励…と呼ぶのが良いかわからないですけど、あのコールは凄かった。あの試合、あのピッチじゃないと体験できないコールでした。忘れられません。
――それでも2014年の方が印象深いと。
2012年の悔しさがあったので、2014年のプレーオフはサポーターの皆さんとも「あの時の気持ちを忘れないで、出来ることは全部やろう」という話をして試合に臨みました。
僕の中ではやりきったつもりだったんですよね。
にも関わらず負けて。ここまでやっても昇格できないのかって。
2012年のプレーオフを経たからこそ、余計に2014年のプレーオフが悔しかったです。
「ジェフに入りたかったし、このエンブレムをつけたかった。」
――スタッフの立場から、ジェフのサポーターに聞いてみたいことはありますか?
聞いてみたいことというか、逆にどんな時でもジェフを応援してくれてありがとうございますと伝えたいです。
運営の経験があるからこその想いですが、特にアウェイの現地でも応援してくださるサポーターの皆さんに関しては全国飛び回って、横断幕や旗も苦労して飾って、全力で応援してくださる姿を知っているので感謝しかないです。
生活の一部のように応援してくださるのは凄いことですし、ありがたいと思っています。
――社歴15年。会社を辞めようと思ったことはありますか?
いっぱいありましたよ。(笑)
でも、そういう時はジェフに入社した時のことを思い出すんです。
ジェフに入りたかったし、このエンブレムをつけたかった。
この業界に勤めて、地元の好きなチームで働くのは幸せなことだと思っています。
辛いときはこの原点に戻ります。
前職は営業として毎月どう数字を上げるかの勝負でした。
もちろん今でも売上目標はありますが、商品を売るだけではなくジェフをきっかけに色んな会話ができて、試合結果によってスポンサーさんと一緒に喜ぶ時も、その逆もある。そんな悲喜交々のコミュニケーションを仕事にできる面白さはこの業界にしかない特徴だと思いますし、辞めたら後悔すると思います。
物の良さだけをアピールするではなく、チームブランドをどう魅せて、どう応援してもらうか。他の仕事では味わえない、この仕事の醍醐味ですね。
――高梨さんが今のジェフでやりたいことは?
ようやくマネージャーという立場になり、クラブの中枢を担わせてもらえるようになりました。
だからこそ自分自身のことより、クラブをどう良くしていくか、クラブがどうなればいいかを考えていきたいです。
――では最後に。今のジェフで叶えたい夢を一つ上げるとすれば?
J1昇格しかないです。
ただ、僕は昇格を通過点にしたいと思っていて、その先の夢はJ1リーグ優勝なんですよ。オリジナル10でJ1にいたクラブとして、やっぱりJ1のてっぺんを目指したい。僕が勤めている間に一回でも叶えたい。
それが夢です。
制作:#ジェフ夢
今後もピッチ外からクラブを支える人たちにスポットライトを当てる活動「オフ・ザ・ピッチ」を記事やイベントなど、様々な形で発信予定です。
【たくさんのご来場ありがとうございました】
オフ・ザ・ピッチ- 2024 Summer -
日程:2024年7月30日(火)
OPEN:18:15 START 19:00 END 21:30(予定)
会場:東京カルチャーカルチャー(渋谷)
【1st leg.】
広告を出して終わりじゃない!スポンサーアクティベーションの会
🇫🇷金井恵子さん 株式会社マネーフォワード
🍊森 宇宙さん 株式会社アイ・テック
📷佐々木哲也さん 株式会社ニコン
【2nd leg.】
何を考え誰に売る?グッズ担当者の会
🦢塚野麻美さん アルビレックス新潟
🔵👽池下美智香さん 横浜FC
🟢🌊勝亦啓太さん 湘南ベルマーレ
🐶周防和彦さん ジェフユナイテッド千葉
【3rd leg.】
動画?チャント?お酒!?様々な形でクラブを応援するサポーターの会
🇫🇷山口みらんさん 勝利後の勝ち酒が生きがいのマリサポ女子
🔴ひろかさん ほぼ全試合行く浦和サポ
🐬オジバナダさん ファッションフォトグラファー