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【キヤノンEFレンズ】キヤノンEF50mm F1.8 STMがすごく好き
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EF50mm F1.8 STM、イイね!
2018年ごろの話だから、少し前のこと。そのころに使う機会があったいくつかのカメラのなかで、とても好ましく思ったもののひとつはキヤノンEOS 6D Mark IIとEF50mm F1.8 STMの組み合わせだ。35mmフルサイズセンサーを搭載したEOS 6D Mark IIはフルサイズ機としてはコンパクトだ。けれど、いまの高性能なズームレンズと組み合わせると、どうしても大柄になる。
そこで、EF50mm F1.8 IIを組み合わせてみると、そのたたずまいが好ましく思えた。おでこの曲線との組み合わせかなあ。
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「高級感がものすごくある」というわけではない。ボディもレンズもいわば35mmフルサイズのエントリーモデルだから。けれど安っぽくは見えない。むしろ大げさになりすぎず、じつにシンプルなところが気に入った。この組み合わせで35mmフルサイズであっても気軽に持ち歩きたい。じっさいに、持ち歩いていて楽しかった。
それにほら、やや細めのDOMKE 740-1TNストラップ「1インチ スウィベルなし」をつけると、目立たずにいい感じになるのではないかな。
むかしの私は「ガチ業務用機材」みたいなものに惹かれた。ところが、最近の私はこの「機材が大げさすぎるように見えてしまわない」というところをとても気にする。機材でオラオラといばるようなことは、カッコ悪いもの。もちろん、たいていのみなさんは、けっしてそんなことはしないとは思うのだが。残念ながらそういうオラつくひとがいたことがあるのです。
私の私物はニコンとパナソニックの古いカメラばかりだ。だが、私はキヤノン製品の持つ「なんでも撮れそうな気がする」雰囲気が好きな「EOSファン」なのだ。"Make it possible with Canon"(キヤノンがあればできるようになる)というのはいいフレーズだよな。
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F5.6
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F5.6
かのEF50mm F1.8 IIの後継商品
このEF50mm F1.8 STMの光学系は、キヤノンEFレンズユーザーのみなさんならご存知のロングセラーレンスEF50mm F1.8 IIと同じだ。
ただし、現代ふうにデジタルカメラに最適化されたコーティングが施されている。AF駆動用のモーターがSTM(ステッピングモーター)になり、マウント部分も金属部品に変更されている。さらに、最短撮影距離が0.35mに変更された。絞り羽根は7枚だ。
さて、前身となったEF50mm F1.8 IIは1990年12月に発売されて以来、約25年間も売られていた。2015年に後継となるEF50mm F1.8 STMが発売されたときのプレスリリースには「(2015年)現在も全世界で月産7万本を誇る」とあったから、いったいどれだけの数が作られたのかわからない。
EF50mm F1.8 IIは初代EF50mm F1.8のローコスト化モデルだった。光学系はそのままで距離表示をなくし、AF駆動がDCモーター化され、マウント部分にはプラスチック素材が用いられていた。絞り羽根は5枚。
このレンズが売れたのは、コンパクトなサイズで明快な描写であることはもちろん、約130gと軽量だったことと、希望小売価格が税別1万2,000円と手に入れやすい価格だったからだろう。
EOSで写真を始めた写真学生や、EOSユーザーのカメラマンたちのあいだでは「いざというときのためにカメラバッグに入れておくとなにかと役立つ」と言われていたのだそうだ。
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F5.6
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F5.6
「そうだ」と伝聞形で書いているのは、有名なレンズであったにもかかわらず、ずっとニコンユーザーだった私は使ったことがなかったから。
評判はもちろん知っていたし、ときどき脳内で思い描く「自分がもしEOSユーザーになるとしたら、あのレンズをまずは手に入れたい」という夢想(妄想)にはいつも選んでいた。あ、もしかして変なことを書いているかなあ、私。「あのメーカーのボディにするなら、レンズはアレとアレがいい」という妄想ごっこはみなさんはしないのかな。
なお、このレンズはさらにRFマウントに最適化されて「RF50mm F1.8 STM」に生まれ変わった。RFマウントレンズのなかではもっとも手頃な価格のレンズでもある。最短撮影距離が30cm、最大撮影倍率が0.25倍とより近接できるようになった。
2025年のいまだとEOS R6 Mark IIとRF50mm F1.8 STMの組み合わせがそうそういばった感じにならず、なおかつ工夫すれば何でも撮れそうだと思える最強の組み合わせかもしれない。手ぶれ補正機構(IS)のないR8で軽快に使うのも楽しそうだ。
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気に入ったのは見た目だけではない
EF50mm F1.8 STMの気に入ったところはその外観だけではない。まず、F1.8と比較的明るい開放絞りのおかげで、ファインダー像も明るい。
そして、素直なぼけと明快な描写が楽しかった。F2.0くらいまではややにじむようなところもあり、それがF2.8程度から絞り始めると引き締まっていくところも、少し前に設計されたレンズという雰囲気だ。F5.6まで絞ると力強い。ただし、EF50mm F2.5 コンパクトマクロのような、びしびしとした力強さではない。だが、私はこういった球面収差を残しているレンズが好きなのだ。
使ったボディが35mmフルサイズのEOS 6D Mark IIだったからか、Digic 7のたくみな絵作りのおかげもあるのか、カリカリしすぎないところが気に入った。一眼レフで使うには手ぶれ補正機構(IS)はないので、気合いと根性だけではなく、シャッター速度とISO感度の調節で乗り切ろう。
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F1.2LやF1.4にもまさるところ
EFレンズの標準レンズには、EF50mm F1.4やEF50mm F1.2Lもある。名レンズといわれているその両者を使ったこともじつはないくせに、EF50mm F1.8 STMが自分にとって心惹かれるのは、コンパクトさやその価格の手頃さにもある。本稿執筆時の2025年1月現在ではヨドバシ・ドット・コムで税込み1万8,230円(キヤノンオンラインショップ価格は、税込み1万8,232円)というお値段だ。さらにはやや古めかしいやわらかい描写が魅力的だ。
なんといっても、気に入った最大の理由は最短撮影距離が一眼レフ用50mm標準レンズとしては短い0.35mになったところ。EF50mm F2.5 コンパクトマクロの0.23m(単体での最大撮影倍率0.5倍)ほどではないけれど、かなり近接できる。単体で0.35mまで近接できる35mm版の現代の50mmレンズはほかにはないはずだ。
マイクロフォーサーズを使い始めてから、一眼レフ用レンズの最短撮影距離の長さが私には気にかかるようになってしまった。私物の機材では60mmのマイクロニッコールばかりを使うのは、最短撮影距離が短いから。マクロ撮影をしなくても「近寄りすぎ」を意識しないですむ。近接しすぎてピントが合わないというのは、撮っていておもしろくない。
また、APS-Cサイズ機で使うと80mm相当で0.35mまで近接できて、これもまたいい。
通常の一眼レフ用50mmレンズの最短撮影距離は0.45mが一般的だ。だから、EF50mm F1.8 IIならばそれよりも10cmも近接できるというのは、意外と重宝する。
軽やかに撮影できる道具が好き
もちろん、近接時の性能をとくに向上させたわけではないと思うので、球面収差によりやわらかい描写になるだろう。それもまたいいんだなあ。文献複写のような厳密なマクロ撮影をするわけではないから。
もちろん、Carl Zeiss Otus 1.4/55のような、にじみもない高解像の最新機材は魅力的だ。けれど、EF50mm F1.8 STMのような決して目立たない道具を工夫してうまく被写体の雰囲気を撮るというのは楽しい。自分の腕と頭を試される気がするから。値段の高い高性能モデルできちんと撮れるのなんてあたりまえだもの。
いつもお世話になっている友人がこういうのにしびれたことがある。彼はプロ写真家ではないが写真の腕前もものすごい方だ。私などかなわない。その彼いわく、安い機材でいい写真を撮る工夫に腕が鳴るじゃないですか、と。かっこいいよね。
そういうわけで、ニコ爺でAI Nikkor 50mm F1.8SとAF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition)が好きな私は、キヤノンEF50mm F1.8 STMも好きだ。どれも、軽やかに、そして「本気の撮影」もできる道具だから。
それにしても、ミラーレスカメラ時代に「進化の終わった(とされている。個人的には納得しているわけではない)」一眼レフと一眼レフ用レンズばかりが好きな私自身は、いつまでもスコープドックに乗り続けたキリコ・キュービィーみたいに融通がきかないかも。不器用ですから。私はP.S.じゃないくせにね。いつの時代のアニメの話をしているのだ。
ウドのコーヒーは苦い。むせる。
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F5.6
【撮影データ】
キヤノンEOS 6D Mark II/EF 50mm F1.8 STM/RAW/Adobe Photoshop CC 2025
【おことわり】
本記事はブログに掲載したエントリーを大幅に加筆し写真も再現像して改稿したものです。また、有料記事に設定していますが、無料で全文をお読みいただけます。もしお気に召しましたら、投げ銭のつもりでお支払いいただけますと、とてもうれしいです。
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