入院記録
先日、卵巣腫瘍の摘出手術の為、5日間ほど入院していた。
こういうふうにしっかり手術&入院というのは初めてだったので、今回はそんな入院中に感じたこと、見たものについてまとめてみたいと思う。
・病室
部屋は大部屋にした。一人部屋にするか迷ったが料金がとても高く、それに比べて大部屋は部屋代については無料だったので、迷わずそちらを選択した。
ひとりだと心細くも不安にもなりそうなところ、喋らずとも同じ部屋に人が居て、生活音が聞こえるのは思いのほか安心感があった。
・麻酔
手術は全身麻酔だった。初めてだったので不安なのと、どんな感覚なんだろう?という好奇心もあって直前はどきどきしていた。
手術室の手前で麻酔科の人たちが迎えてくれ、手術前の身支度を整えた。手術室に入ると手術台に乗り呼吸器を付けてもらった。
麻酔科の人は、ひとりが中国人の女の子で、もう一人が西洋系の女性だった。少しだけ辿々しい日本語で、普段は英語や中国語を話しているのかもしれない。キリスト教系の病院なので、外国人も見たところ多く、その人たちの為にも彼女たちは居るのだろうなと感じた。ふたりとも安心感があって、不安な気持ちに寄り添ってくれ、とても有り難かった。
肝心な麻酔の感覚はというと、睡眠薬を飲んで頭がぐらぐらしながら眠りに落ちていく感じにすごく似ていた。
・シスター
前述した通り、入院した病院はキリスト教を信仰していて、病棟にもマリア像などが置いてあるようなところだった。院内には大聖堂もあり、入院している人がお祈りができるよう配慮がされている。それだけでも異色な雰囲気なのだが、中でも驚いたのが院内にシスターがいるところだった。彼女たちは受付や各科に数名いて、看護師さんたちと働いており、主に外国の方の通訳にまわっていた。
私も入院中シスターと話す機会があった。手術が無事終わり病室で寝ていると声をかけられ、足元に彼女が立っているのに気付いた。60代〜くらいに見える小柄な女性で丸メガネを掛けており、優しそうな雰囲気。手術の内容だったり経過について軽く話すと最後に、「なにか困ったことがあったらいつでも言ってね」と声をかけてくれた。その時の彼女の本当に心からそう言ってくれている感じが嬉しかった。
退院日の朝、今回の入院を窓の外を見ながら思い返していた。私はどうしても病院のピリピリ、あくせくした雰囲気が苦手で、入院前は憂鬱になっていたものだが、今回の入院では本当に良くケアしてもらってとても有り難かった。
本来あり得ないことだ。医療現場は逼迫してるし、ましてや世は乱世なのだから。それなのに彼女たちの言動からは仕事でやっていることにプラスして温かさを感じた。感情労働は強いたくないし強いるつもりもないが、そういう風に接してもらうととても気持ちが安やぐのを認めようと思う。
普段から優しく接してもらえたらそれはすごく幸運なことなのだと思っているので、私は運が良かったのだろう。どうか、優しく、頑張る人たちに幸あれと心から思う。
お陰様で良くなったし、また乱世に身を投じようじゃないかと深く息を吸った。