4 ご近所 謎なコミュニケーション(ミョウガクレー最終回)
あれから2か月後
近所の高齢者を中心とする集まりに行った。
遅れて中に入ると、貼り絵の続きをやっていたので同様に活動した。
遠い向かいの席には、妖怪ミョウガクレーが一方的に喋りながら座っている。
工作はしないけど、コーヒーとおやつのためだけに来て良いと主催者から許可されてそこに居る。
しかしまあ喋りが長すぎてうるさいな。
周りが貼り絵に集中して静かな中、ミョウガクレーは言った。
[ねーまだやるの?]
[もう片付けようよ]
[コーヒーまだ?]
うわ、2~3歳の子供か。
まだやめる時間にすらなっていない。
ミョウガクレーの隣で話相手をしていた人が、
[皆、それぞれのペースがあるから]
と必死のフォローをしていて気の毒すぎ。
しばらくして本当に片付ける時間になり、コーヒーやおやつが配られた。
食べ終わってテーブル畳んで皆で後片付けしながら(ミョウガクレーは何もしない)、これだけは絶対に言わねばなるまいという台詞を頭の中で練った。
外に出た時についにはっきりと言った。
[来年ね、ミョウガはあげられないよ、収穫量減っているから]
ミョウガクレー
[ああ~あれから他の人にもミョウガの話をしたら、数人くれたの。あなたから貰ったのが最初で、その後別の人がくれたの]
あっそう。良かったね(棒読み)。
[オクラが採れたらあげるわ]って言っていたのはすっかり忘れている様子。でもこれ以上関係性が継続するのはめんどくさいので言わない。
とにかく来年は請求されなくて済むのでホッとした。
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