私、和尚と結婚する
和尚妻ルコです。
( 前作の
『和尚に出会う』を読んでない方はそちらから!)
前からの続き
『僕のお寺、特に大変だと思うし結婚まで色々あると思うけど負けずに頑張ってついてきてくれる?』
『何が大変なの?』っと答えたら
『 家族がねぇ。っていうより僕にもわからないのですよ、、、』っと
言われてちょっと考えたけど、好きになって初めて結婚したいと思った人だし単純に一緒になりたかったので持ち前のポジティブさで、
『 まぁ何とかなるでしょ?頑張ってみるっ!』
っと答えたら和尚に
『では私も腹はくくりました。
じゃあまずご両親に挨拶を行くのでその日にちを決めてくれる?』と。
相変わらず善は急げなのか行動が早いっ!
次の日にまず私の家族に伝えようと母に連絡をしました。
とりあえず近いうちに私だけ実家に行って
まずは報告をと、、、。
ちなみにその頃私は
父にお見合いの話をされていました。
『もうそろそろ結婚しなさい。この2人(父の仕事先の人)は優秀だからどっち選んでも家は継いでくれるだろうし、
〇〇(←私ね)みたいな奴もらってくれるんだら。
誰ももらってくれんぞ、そんなんじゃ。
ありがたいと思いなさいっ』(自営業なので)
って言われてました。
でも自分で探すから断ってはいました。
そんなことがあったのできっと両親は喜んでくれるだろうなぁと思い
とりあえず休みに実家に帰りました。
どうやって話そうか考えながら父のいる部屋へ向かい
『久しぶりです。お父さん元気してましたか?』
『私、お坊さんと結婚する事にしたよ!』
と、テンション高めで伝えたら
『はっ?ダメだっ❕』
『坊主なんて絶対ダメ。俺は坊さんが嫌いなんだ。ろくな奴がおらんっ。絶対あかんっ!』と。
『はっ??』
ってか何で反対されるのか意味が分からずでした。あれだけ結婚しろっていってきたのに。
だからちょっとキレ気味で
『お父さんが菩提寺(お世話になってる自分のお寺の事)の和尚と仲が悪いのかもしれないけど
私には関係ないし、ってか彼と一緒にしてもらっても困るし。
とりあえず会ってから決めてください。
会ってもないのにそんなこと言うのは失礼です。
話してみてどうしてもってなら私は考えますから。』
と伝え、部屋からサッとでてきました。
何ともいえないこのモヤモヤ感。
思ってもみなかった返答でなんだか気分悪っと思いながら母の所にいき、同じように伝えました。
そしたら
『あなたの人生だから私は良いと思うよ。
でも自分で選んだからにはしっかりやりなさいよ。普通とは違うから大変だろうけど、、。
でもね、向こうの御両親と一緒に住まないと行けないなら私は反対するわ。あなたには無理だと思うし辛い思いはさせたくないからね。』と。
『う〜〜ん。わかった。』
思わぬ微妙な反応にちょっとガッカリしつつも
とりあえずまた彼を連れてくる事を伝えて
その帰りに祖父達の家にも行き同じように伝えにいきました。
そしたらおばあさまは
『 やめなさいっ。
そんな畑違いの所に嫁ぐなんてあなたには無理よ。大変な思いするのはあなたよ。悪いこと言わないから寺に嫁ぐなんてやめなさいっ。
そもそもあなたには身分も違いすぎるわ。
でも、どうしてもというならせめて先に花嫁修行しなさいっ。恥をかきますよ 』と
ガーーーーーーン。ここでも、、、。(;´д`)
まさかこんなみんなに反対されるとは思わなかったわ。なんでそんな反対?
ってかお坊さんって普段何してるとかあんまり知らないけど、
私嫁いだら何するんだろう?
そんな特別に奥さん何かする事あるの?
そんな風に言われてちょっと自信がなくなって
とりあえず家に帰りました。
ってか私の家族側の問題で壁ができるなんて思ってもみませんでした。
サクッと認めてもらえると思ってたので(泣
そして帰ってすぐネットで
お寺の奥さんってメチャ調べました。(笑)
(当時は大して有力な情報がでてこなかった)
でも調べるうちに冷静になってきたのか
知ったところで何も変わらない
好きになって結婚するのだから別に何だっていいじゃん!
もし凄い大変だとしてもきっと大丈夫!
今まで乗り越えてきたし彼はきっと守ってくれる
と信じてとりあえず今日の事を電話で彼に伝えました。
そしたら
『私に任せなさいっ。あなたは何も心配する必要ないよ!大丈夫、結婚認めてもらえるから』
って、
『なっ???
何でそんな自信ある?うちの家族知らないよね?
言っときますがうちの父は中々自分曲げない人で私達でもいつも大変なんだから、、、。
ってか策はあるの?
『 いやっ、ない!』
私は唖然としました。
でもきっと彼に考えがあるのだろうと思い、とりあえずその言葉を信じて彼を連れて後日会いに行きました。
そして当日、
彼はお坊さんの格好で正装していつもと変わらない感じできました。
ドキドキしながら父の部屋に。
そこには母もいました。
そしてドアを開けて入った瞬間いきなり
低頭(土下座の事)し、
『初めまして。私は、〇〇と申します、、、』っと
顔を上げずにずっと話し続けてる彼。
私はビックリしたけど軽く頭を下げながらそのまま彼に任せようと思い話を聞いていました。
その間、両親は何も話さず、、、。
そして一通り話し終わった後うちの父が
『 頭をあげなさいっ。 』
そして彼の目をジーッと見てました。
15秒位してからでしょうか。
指先でトントン机をゆっくり叩きながら父がこう言いました。
『 では、前向きに考える 』
と。
『えっ?今何と?』( 私の心の声ね)
私が言うのも何だけどなんかドラマのワンシーンを観ているかのような、そんな感じでした。
彼はニヤッと私の方をみて微笑み、そして頷きました。
そして彼が私に外に出るようにと言ってきたので
母も一緒に何故か外にでてきました。
そして15分位してからでしょうか、2人の話が終わりまた部屋に戻り父に
『 しっかり恥じないよう彼の隣で務めなさい。
彼についていけば間違いないだろう。娘をよろしく頼むよ。
いやっ、実にめでたいっ。こんな日は酒だ酒!!』
なんかビックリ❗️
以前のあの言葉は何だったかと。
彼の話でどう変わったか知らないけど、
何にしても認めてもらえた!
彼の良さをわかってもらえてよかった!
重い肩の力がスーッと抜けたのを覚えています。
(何を話したのか未だに聞いても教えてくれません(笑))
そして帰り際に父が彼に頭を深く下げてもう一度
「泣かせるなよ。娘を頼むぞ」と。
彼は何も言わず頭を下げとりあえず今日は帰りました。
で、次はおばあさまです。
後日また一緒に行き彼は前回と同じようにしっかり話してくれました。
そしたらおばあさまはこういいました。
『 父から彼はその辺の和尚とは違う筋の通った芯のある少年だから認めてやってくれって言われたわ。私はね、、、
お寺と言うところは神聖なもので、あなたがどんなに良い方でも私はこの子には向いてない、無理だと思ってたの。でも今話を聞いて安心したわ。きっとあなたが孫を変えてくれるわね。あなたも大変だろうけどどうかこの子をよろしくお願い致します。』
っと正座してゆっくり頭を深く下げられました。
その光景をみて、私は涙が出てきました。
みんな本当に私を心配してくれてたんだなぁ。
恥じない女性になる為に頑張らないといけない。
だから何があっても負けないと心に決めました。
とりあえず家族みんなに認めてもらえた事をとても嬉しく思い、心がスーッと晴れながら祖父母の家から帰路へ向かいました。
車の中で彼に
『よかったー!これでもう大丈夫だね。
その凄い話術でみんな思考が前向きに変わってくね。心配事もなくなったし、今度は私が挨拶に行かなきゃ。』
っと話したら彼がこう言いました。
『 心配なんて全くしてなかったよ。さて、これからが本番です。ここまでは私の想像通り。あなたの家族は私にとっては序の口です。
でもうちの両親は私でも太刀打ちできない時もあります。さて、どうしたものか、、、
あなたが嫌な思いをしないようにちょっと策を考えるのでその時また連絡します 』
『 えっ?今から本番?どうゆうこと? 』
私はこれから会うご両親がどんな感じの方か全く想像がつかず、挨拶どうするか?手土産何持っていこう?位しか考える事ができなかったのだけど
今度こそ本当に想像できなかった壁にぶち当たるのです、、、。
私の家族なんてかわいいものでした。😭
続きは次回🙏🏻