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貴重な体験談最大なお寺行事 〜和尚の『 晋山式 』〜
和尚妻ルコです。
今日は、私がお嫁にいく前に初めて参加した
晋山式(しんざんしき)のお話し。
和尚にとっては結婚式より重要で
1番大変だけど1番大事な伝統的行事。
大体どこのお寺も数年前から計画する
ホントに規模が大きくて刺激的な行事でした。
っで、何それ?って感じよね。
住職が寺院に入山する(このお寺の住職になる)際に行われる正式な儀式のこと。
うちのお寺は
新しい和尚を迎え入れるという事で
檀家さんから多額の寄付を募り、
お寺の改善工事、住職の住居、先代の住職の住居を直したり作ったりで数億円かけて10年ほど前から計画したとの事。
そして途中私が結婚する事が決まったので
私用に色々配慮してくださったみたい。
そんな晋山式の当日。
まだ着慣れていない着物を着て
早朝からお寺に向かいました。
いつも来るお寺とは違って、
本堂や門の飾り、生け花、祭壇の飾りつけ等が
ホント華やかなこと。
1番初めに向かったのは彼の所ですが
初めて見る顔と雰囲気に私も緊張が…
それはそうよね。
こんな大きな行事はまたとしてないんだから。
作法等もこの晋山式の時にしかやらない
最初で最後のも沢山ある。
絶対間違いは許されないらしい。
( 一生言われる )
そんな緊張している彼に挨拶だけして
私はお稚児が集まる学校の校庭に向かいました。
(お寺から200m位離れたことろ)
稚児行列(ちごぎょうれつ)といって
仏教の儀式や祭事で行われる行列の一つで、
華やかな衣装を着た子どもたち(稚児)が参加する行事のこと。
稚児は「清らかな存在」とされ、
仏様や菩薩様の化身、
あるいは善行を積む存在と見なされてるよう。
だから、寺院の重要な儀式で行列に
参加することで、仏教の教えやご加護を受けると考えられているんだって。
よく中学入る前までに
3回出るといいって聞かない?
うちの姉や、友達の子供もこの時参加していて
校庭で一緒に列の初めで待っていました。
時間が迫るにつれて子供たちも多くなり、
なんかすごい数だな・・・
和尚(彼)達皆んなも校庭にきて
大きな靴
( ピエロが履いてるような先が尖った靴)
を履いてグラウンドを一周し、
和尚の後ろに続いてお寺まで歩き始めました。
子供の歩くスピード位にゆっくり歩き、
話しながら途中後ろを振り返ると
「え???!!!」
っていう位の大行列。凄い数。
この数の子供がこの小さな街にいるの?
って思いながら
和尚の後をサポートしについてきてた
近所の和尚が私に
『えらいところに嫁ぐ事になったなぁ。
まぁ大変だろうけど頑張って!』
っと。(^_^;)
後から聞いたら2,500人(子供と大人合わせて)位後ろにいたみたい。
町内町外、県外からも来てたようです。
信号を一個渡らないといけないのもあって
みんながお寺にたどり着き終わるのに
この短い距離でも2時間もかかっていました。
予想していた時間(1時間)を大きく遅れ
だいぶ待ってからの開始でした。
この宗派の1番偉い方が最後に本堂に入り、
お坊さんの数60名程。
檀家さん、御詠歌の皆さん、華道、茶道の先生、日本料理人、町長、政治家、他
合わせて150人程が参列してました。
祭りで使うような大太鼓がさらに大きくなった
太鼓をドンドン叩きながら
初めて参加する、そして最大の
行事が進んでいきました。
(これ以上のはそれからは1度もない)
私はこの数の和尚達を見た事がなかったので
まずはそれにビックリ‼️
どこ見ても当たり前だけど坊主(OvO)
( 禅宗なのでほぼ )
彼がボソっと私に
式に出たらやって欲しい事の中の1つに
和尚の顔を覚えれるだけ覚えといてと。
とりあえずグルっと見渡して
何となく全員のお顔はみさせてもらいました。
でも、皆んな同じ衣に同じ髪型。
わからないよね、普通。(笑)
とりあえず偉そうな人はしっかり見ておきました。
1時間位かけてお経や、お釈迦様に数十回の拝、
漢詩の読み上げなど全て初めてみる光景。
そして、御詠歌でお唱え。
これはお経の歌バージョンみたいなのもの。
それを女性30名程で歌います。
綺麗なおりんの音が本堂に鳴り響き
演歌みたいな声の出し方で歌ってました。
10分程で歌い終わって、近くに座ってた
よそのお庫裡さんに
『 あなたも御詠歌を覚えていつか
教える人になるのよ 』と。
『えっ? やれるだけはやってみます。』
なんか皆んな私に圧をかけてるなぁ.....(>_<)
でも、ここに来ると決めた以上やるしかない。
そして彼に言われた事のもう一つに
『 来山者の顔はなるべく覚えておいて下さい 』
とも言われてたのでとにかくギョロギョロ
周りを見渡してました。
そして、式が終わり食事の時間。
この日は人数が多かったので
本来の上座は1番奥ですが、
真ん中から末広がりに順番に座ると言う事で
和尚達が席につき始めました。
私はこの時の和尚達の会話が今でも
本当に忘れられない。
完全なる縦社会でビックリしました。
まず1番偉い人から10名位の和尚は
明確に席がわかるので用意する時にこちらも
さっと名札を席に置けたそう。
他50名程は
①お寺の格
②和尚の位
③歳
④うちのお寺との普段からの関わり
大体この4点から席が決まっていくらしい。
なので、先代の和尚も流石に全部
把握していないので、
何となく席を決めて名前を置いたと。
その時1人の和尚が
a『 おまえ、何で俺より上にいるんだ?
ここと変われ 』
b『 私は名前がある所に座っただけです 』
a『 どう考えてもお前は下だろう 』
b『...』
c『 まぁ、今日は数も多いし、お祝いの席だから いいじゃないか?』
a『 は?お前どこの寺だ? 』
c『 私は●●です 』
a『 あっ、●●様だったのですね。
大変なご無礼お許し下さい 』
っと、こんな感じのやりとり。
ちなみに見た目は
a和尚 50代位のそんなにオーラない感じ
b和尚 50代位のしっかりした感じ
c和尚 40代位の優しそうな感じ
あんな威張ってそうな感じの和尚も、
格の違いでこんな風に接するんだと。
見ていてちょっと気の毒にも感じました。
今はもうわかるけど、
お寺の格位ってのは色んな意味で大変。
私は縦社会とかそうゆうのはすごく苦手世界だけど、ここはそれが全てのよう。
ちなみにうちの先代に意見できる和尚は
3人のみ。
( またこの話は違う時に書くとして…… )
っと言う事は、お庫裡さんや、お檀家さんも
そんな感じなのかしら?と見てみたら
そうでした。
なので私の座る位置はというと、、、
1番下。気楽(о´∀`о)
(でも数日後は、、、お察しの通りになります)
まだ結婚してないしね。
他にも檀家さん達は同じように
ゴタゴタゴタしてたけど何とか着席。
皆んなでお酒をのみ食事を楽しんでいたけど、
まぁ何てにぎやかな事。
食事が始まって30分位してから
まだ私達皆んな食べ終わってはない中
うちのお寺によく出入りしている
遠い親戚の和尚からの挨拶。
もう締めの挨拶なんだ!って思いながら
色々感謝等述べて最後に
『 ごゆっくりどーぞー 』と。
一般の人皆んなはまた食べ始めましたが
この言葉を言った後、本当ビックリしましたね。
一斉にさっと席をたち、ほとんどの和尚は
帰って行くではないですか。
残った和尚は5.6人のみ。
まだお酒飲んで話し込んでいる。
っというか、聞いてない感じ。
『 何があった?』と思いながら
とりあえず食事を終えて私達も帰る事に。
終わってその事を彼に聞いてみると、
締めの挨拶した和尚より格が低いと
思われる和尚は帰ってったんだよ。
そして、禅宗の和尚が
『ごゆっくり』といったら
『早く帰りなさい』の意味だから覚えておいてと。
『 ほ〜〜ぉ 』
一般の人は和尚にそう言われたら
絶対にゆっくりしていくよ......(@_@)
こんな感じで色々と初めての事で衝撃を受け
本当に大変な所に来ようとしているのを
楽しみと、沢山の不安をダブルに感じた
そんな1日でした。
そして、今日この行事に参加した人達と
今後、接する機会がでてきますが
中途半端な気持ちではやっていけない事を
痛感するのでした。
おしまい
次回は、『お坊さんとの結婚式』を予定中。
最後まで読んでもらってありがとうございます
知らなくていいけど
知ってるとちょっと『へ〜っ』てなる
そんな『 お寺日記 』書いてます🍀