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言いたいことも言えないこんな世の中はポイズンだよね(医療・介護現場にありがちなシーン)


私は現在、訪問看護ステーションの管理者であり、定期巡回随時対応型訪問介護看護という、介護保険で受けられる地域密着型サービス事業所の管理者でもある。

今回のお話しは、先日契約して最近私たちのサービスを使い始められたかたとのやり取りで感じたことを綴ってみた。

私が今働いている仕事について
定期巡回随時対応型訪問介護看護について詳しく知りたいかたはこちらの説明が解りやすいので、ご参考に↓

簡単に説明すると、
訪問介護を要介護度による設定されたお月謝で、(包括払い)1日複数回、365日受けられて、24時間随時対応も受けられるサービスだ。そこに訪問看護も必要であれば付けられて、それもお月謝に含まれるというものだ。

定期巡回随時対応型訪問介護看護(以下、定期巡回と略す)は、全国的にまだ数が少なく、あまり知られていないサービスで、私の地域にも、1つしかない。
ライバルがいないので、独占かとおもいきや、
知られていないサービスは、介護保険サービス調整をするケアマネージャーにとって、使いにくいようで、そうそう簡単には依頼につながらない。
介護保険のサービスは、基本的にケアマネージャーが調整して選んでいくので、営業にいく時は、主にケアマネージャーがいる居宅介護支援事業所を中心に回っている。

多くのケアマネージャーは、従来型の一回の訪問何分間でお値段がつく、
積み上げ式の訪問介護や、
訪問看護のほうが、使いなれている。
いくら定期巡回がマッチする利用者がいたとしても、以前はその積み上げ式の訪問介護しかなかったのだから、それでやれないことはないのだ。
使い慣れた自分がよく知っているサービスのほうが、安心してケアプランに取り入れられるというその気持ちも理解できる。

だから、なかなか定期巡回を選んでもらうのは大変で、営業や、啓蒙活動を地道に続けていかなければならないのだ。

営業マンと言えばこのような公園で休憩する絵が浮かぶ私の脳内の偏見イメージ画像。でも実際よく訪問中に見かけます。


定期巡回を使おうと思うケースとは
そんな定期巡回にも、白羽の矢が立ちやすいシチュエーションがある。

それは、訪問回数が多く必要になり、
従来の積み上げ式の訪問介護では介護保険の限度額を越えてしまい、自費が発生するために利用料金が払えなくなる時だ。
でも、それでもお金が払える人は、わざわざ使いなれたサービスを変えてまで定期巡回を使わない。

さらに、定期巡回は従来型の訪問介護の内容そのままに利用できるわけではなく、
多くの利用者に、1日複数回訪問する体制を確保するために、訪問介護員がしなくても代替えできることであれば、そうしていただく。
たとえば、食材からの調理とか、買い物、外出支援等だ。
調理の代替えは、宅配弁当にしていただくか、買ったお惣菜にする。
買い物は、生協や、スーパーの配達サービスをつかっていただく。
外出支援は、(受診同行など)介護つきの介護タクシーを使ってもらう。
等々、今まで通りの支援がそのままで、定期巡回サービスに嵌め込まれることは無い。
だから、お金が払えて、いままでの慣れたサービスがいい人は、定期巡回を使わない。

もう一つの白羽の矢シチュエーションは、
随時、緊急の呼び出しが多い方だ。

訪問介護では、緊急対応をしていない事業所が多い。だから、介護で緊急が必要な人は、
市町村によっては、緊急通報システムを、条件によっては使えることもあるが、最近では、ALSOKや、セコムのような、民間の警備サービスを使っている人も多い。
ただ、市町村にしても、民間サービスにしても、駆けつけてくれても介護はしてくれない。
そこで、代わりにされやすいのが、訪問看護だ。
訪問看護は、緊急の契約をすれば、緊急対応をしてもらえる。
しかし訪問看護の緊急の目的は、体調に異変があったり、相談が必要な時に、受診の必要性を見極めたり、主治医との連携をとって、医療的な対応をすることだ。
でも、緊急を要する場面というのは、医療的なことばかりではない。

オムツが汚れた
トイレに行きたい
転倒して起きられない
などが、代表的な呼び出し理由だが
カーテンが閉められない鍵がしめられない
など、生活に関連した細かいこともある。

そんな理由で度々訪問看護が呼ばれるようになると訪問看護側からケアマネージャーに、サービスの調整の相談が入る。
訪問看護の緊急対応は、本当に医療的に必要な人の為に不必要に使われない方がいい。
だから、看護の目的の対象とならない人の対応は他のサービスにしていただく。
それは、本来の訪問看護の機能を保つために大切なことなのだ。
ということで、定期巡回にそんな理由から白羽の矢が立ったケースが過去に何件かあった。
つい先日契約された方も、そのパターンだった。

だいぶ切羽詰まった『白羽の矢』のイメージ。定期巡回に依頼が来る人ってこのくらい切羽詰まった人が多いです。それにしても、これだれやねんw



言いたいことも言えないこんな世の中を作っているのは?
今回契約された方の主な利用目的は、週二回の入浴介助と緊急時の随時訪問とのご要望だった。
その方は難病で、体の筋肉がたびたび突っ張り、思うように動けなくなる症状が発作的に出る方だ。
そのため、緊急の対応が一番のニーズだった。

その方の発作は、不安や緊張など精神的要素からも誘発されることが多く、「なにかと対応が難しい方です」ケアマネージャーから再三言われての、契約だった。

契約前から思った事だったが、依頼の段階から
厄介者」的な扱いの印象だった。
ケアマネージャーの言葉の端々から、
困っている、面倒な、難しい、やっかい、というようなイメージを受ける事を、しつこく言われた。
私たちはその方と会ってもいないので、
始めからネガティブキャンペーンをされると
先入観をもってしまいそうであまり個人的な感情を交えた情報は、ありがたくない。

そして、いざ、ご本人に会ってみると
ご本人は、いたって普通の印象の人だった。
ご病気から少しの言葉の出にくさはあるものの、考えておられることや、言っていることは、まともで前評判から考えると、拍子抜けしたくらいだ。

逆に、私が不信感をもったのはケアマネージャーの対応だった。

ご本人を前にして、私に
「○○さんは、こだわりと思い込みが激しいので、あんまり余計なアドバイスをしないようにしたほうがいいですよ」
という、本人の尊厳を無視したそれこそ余計なアドバイスをした。

ご本人は苦笑いをしておられた。

どういう意図でそんなことを言われたのかわからなかったが、言い回しを間違えていたのかな?と思って、こちらも苦笑いでその場を濁した。
ケアマネージャーと、その方との間の信頼関係は大丈夫か?と心配になった。

そしてその契約時にご本人からの質問で
「痛い時に、痛いと言ってもいいですか?」
と聞かれた。

私は質問の意図がわからず、
思わずどういう意味ですか?
と聞き返した。

すると、体が突っ張って動けなくなった時に
突っ張った体の部位、主に足が痛いのだという。
そこを、触られるととても痛くて、
動けなくて困っていて、動かしてもらいたくても、痛いと騒いで、支援者側が遠慮をしたり、困ったりすることがあるとのことだった。

以前に、緊急的に来てもらった時に、
痛いと言ったことで、なにか言われたことがあり、その時の事がひっかかっているご様子だった。

そんなこともあり、
今度来るあなたたちも、
また同じように言うの?
といったことが聞きたかったらしい。

答えは勿論、「痛い時は、痛いと言ってください」だ。

ケアマネージャーからは、前の訪問看護さんとは関係性が悪いと聞いていた。
それも、今回のサービス変更の一つの理由らしいのだが、痛いときに痛いと言ってはいけないと思わせるようなやり取りが、そこにはあったのだろうか?

医療・介護の現場において、
サービスを提供する側が上に立っているような関係性がしばしば見られる。

例えば医者と患者の関係において、高齢になるほど、患者は医者に対して言いなりだ。
診察時に言いたいことの半分も言えていない人が多い。
お医者様と呼ばれるくらい、崇拝されている。
でも、意見や、不満が無いわけではないので
家に帰ってから、ここが痛い、あそこが悪いなど、今日病院に行ったのだからそこで相談してくればよかったのに!と思うようなことを、家族や、介護職員などにこぼす。

そうさせているのは、医師側に問題があることが多い。
多くの患者を診なければいけないので忙しい。
その中で、要点のまとまらない質問でもされたら、時間がかかってしまうので、あえて聞き出すような話し方をしていないのもある。
先生が考える治療の根拠、理由など
説明してもわからないだろうと決めてかかり、
時間がかかるからあえてしないのもあるかと思う。
無言の圧、忙しそうな空気に巻かれてしまい、
言いたいことが言えなくなるのは、
高齢者じゃなくても、わかる気がする。
ましてや、お医者様と呼ぶ世代の人は
へりくだってしまい、
思っていることは言えず
本当は聞きたかった気になっている症状、
変えてほしい薬、してほしい治療などについて
何一つ聞けないで帰ってくるのだ。

先生ゆっくりお話し聞いてください!

利用者とケアマネージャーにおいても、そんな関係性になっているケースを、時々見かける。
ケアマネージャーは、利用者の介護保険の点数を管理し、使えるサービスを調整する。
サービス利用決定には、利用者の希望、意思が大前提なのだが、よくわからない介護保険の制度を使うためには、ケアマネージャーを通さなければ使えない弱みのようなものが、利用者側の心理に働くのだろうか?
その弱みに乗じて、利用者に対して上からな対応をとる、勘違いしているように見えるケアマネージャーもいる。(もちろんそうでないケアマネージャーが大多数だ。世のケアマネに喧嘩を売っているわけではない)

看護師、介護士と利用者においても、
世話をする側とされる側という関係性において、どうしても、される側に申し訳ないという思いが生じやすい。
それを踏まえて、そんな風に思わなくてもよい関わりができるのがプロだと思うが、
皆が皆そうではないようだ。

「してもらっている」という利用者及び患者側の思いが、言いたいことを言えなくし
「してあげている」という支援者側の勘違いが、間違った上下関係を生み出し、余計に
言いたいことも言えないこんな世の中
を作ってしまっている。
ポイズン。。。(言いたいだけ)

支援される側にも、
中には言いたいことを言いすぎて
いわゆるモンスター化してしまう人もいて

逆にサービス提供者側が
言いたいことも言えなくなってしまっているパターンもあるが、それにしたって
お互いの立場を履き違えて
間違った上下関係ができてしまった結果なのだ。

上下
勝ち負け

コミニュケーションにおいてこの
不要な思い込み、こだわりが、
あらゆる場面ての拗れを生んでしまっているように思う。

「言いたいことも言えない」というワードに反応してドラマGTOの主題歌が必ず脳内再生される私


ありがとうと言われる仕事とは
私は長年看護師をやっていて、何人かの支援する側の職業の人から
「あの患者は、いっかいもありがとうって言ったことないよね!」
と、不服な気持ちを
さも、皆そう思っているよね?
といったテンションで、話されたことがある。

私はそれを聞いて全く共感できなかった。

私はありがとうと言ってもらうために
仕事をしたことはない。

看護、介護をするのは、そういう目的で
そういう役割で、そういう契約でしている
仕事』だからだ。

利用者、患者は、お金を払ってそのサービスを、受けている。
ただ、医療や介護を受ける人の多くは、全額自己負担ではなく1~3割だけ負担し、あとは公的保険を使っているので、そこはそのルールの中での制約はあるので、
いわゆるお客様というのとも、
また違う感覚だが
両者の関係性を整理すると
利用者・患者という、公的保険のサービスを使っている人』

医療・介護サービスを提供する人』
というだけで、ただの役割であり立場だ。

そもそも、ありがとうというのは
相手が『ありがたい』と思った時に、
感謝を伝える為の言葉であって、
言うも言わないも相手の自由だ。
ありがたいと思わないのに、「ありがとう」を請求されるようであれば
言いたくないことも言わされる世の中じゃ
心にポイズン『毒』だ。
(ちょいちょいGTO反町登場させてちょけているが、真面目に考えている)

↑これ聞くと、泣いてる赤ちゃん泣き止むらしい。


よく介護や看護の職につく人の
この職業を選んだ理由に
「ありがとうと言われる仕事だから」
という人がいる。

本気でそう思っているなら、やめたほうがいい。

ありがとうと言うのは、仕事を提供する側だ。

ご利用ありがとうございます。
私どものサービス提供は、
あなた様を不快にさせていませんか?
ニーズを満たしていますか?
何か、ご意見、ご要望はございませんか?

と、常に自分がした仕事を評価してもらって
満足の行くサービスに近づく努力をしなければ
仕事とは呼べない。

利用する人がいて、初めて収入になる。
利用する人がいるから、私たちの給料が出るのだ。
利用する人がいなければ、仕事がなくなるのだ。

医療・介護のサービスを受ける人は
困っている人』

困っているのだから、嫌でも医療・介護を受けなければいけない人たちだ。

ほしい物を買う時のお金を出す感覚とは違う買い物が、医療・介護のサービスだ。

元気で困っていなければ、使わなくて良かったお金を払っているのに、満足行かないサービスだったら、どんな気持ちになるだろう?

しかも、
言いたいことも言えないこんな世の中じゃ
気の毒(ポイズン)だ。(もうええっちゅうの)

医療・介護の仕事は人に感謝され、ありがとうと言われる場面が多いのは事実だけれど、
その「ありがとう」が、
言いたくないけど言っとかないと、
よくしてもらえないかもしれないと思う
恐れ」から出た、
本当の気持ちではない「ありがとう」なのか?
本当に満足いくサービスが提供できていて、
心から出た「ありがとう」なのか?

よく自分の提供したサービスをふりかえらなければいけない。

言いたいことが気持ちよく言えるそんな世の中にしていきたい。

そんな事を
一人の介護・介護サービス提供者として思う。

こころからのありがとうを伝えよう!



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