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ワインにまつわるお仕事

こんにちは。カオリです。
ワインに興味を持ち始め、ワインにまつわる仕事をしたいと考える方も多いのではないかと思いました。私自身、最初は興味から始まり、ソムリエ・WSET ディプロマ取得や多くのセミナー、輸入並びに販売を通じてワインにまつわる仕事をしてきました。この業界、様々なお仕事がありますので今日はその内容をお話していきます。


ワイン業界とは

まずワイン業界が何を意味するか。ブドウ栽培から最終的消費者への販売に至るまでに、何らかの形でワインへ関与する仕事と私は定義しています。ブドウ栽培から販売までサプライチェーン(供給連鎖)で追っていくと、生産者、生産補助、販売業者、その他に大きく分けられます。

生産者

  1. ブドウ栽培者
    ブドウ栽培だけに特化しており、契約でぶどうをワイナリーに販売します。

  2. ワイン醸造家
    ブドウ栽培に関わらず、ワイン醸造のみを担当。大生産量を販売しているワイナリーは栽培担当と醸造担当を分けているケースが見られます。規模が大きくなくても、ぶどうを買付しワイン醸造をだけを行うケースもあります。

  3. 栽培醸造家
    殆どの小中規模の場合、ブドウ栽培+ワイン醸造の両方を行っているケースが多いです。小規模の場合、販促もすべて行うこともあります。

生産補助

  1. 瓶詰め業者
    瓶詰め設備を持たないワイナリーは世界中多く存在しており、瓶詰め作業を生業としている方たちもいます。規模は移動式のボトラーから巨大な工場迄規模は様々です。日本の場合は、外注でのボトリングサービス一般的でないこと、ワイナリーを始めるに当たり自社瓶詰めの作業ができないと認可が降りない可能性があることからも、バルクワインを扱う大手ワイナリーだけのようです。

  2. 研究所
    外部の研究室。醸造所で設備を持つには費用がかかりすぎる場合などは、外部のラボラトリーへ調査の委託を行います。オーストラリアのAWRIやETS Labなどが、細かい成分の検査を行っています。

  3. 苗木商
    ブドウ栽培者が自社畑で自分で苗木を増やすことも可能ですが、時間もかかり非効率なため、Nurseryと呼ばれる苗木提供業者を通じて、ワイナリーは苗木を購入します。ワイン用の苗木は最終的な品種となりうる穂木と台木の2種が求められており、苗木商は土壌、気候、活着度合い、病原菌への耐性等、栽培における多く知識が必要となる仕事です。

  4. 生産備品販売者
    ワイン醸造中に多くの備品が必要となります。除梗機、圧搾機、醸造用タンク、オーク樽などの装置や容器、酵母、酵素、清澄剤などを含む添加剤、コルクやスクリューキャップ、瓶、パウチ、缶など、出来上がったワインを詰める容器など、数多くの物品が必要になります。それらを生産販売している会社もワイン業界に関わってきています。

販売者

  1. ブローカー
    ボルドーワインの販促に大きく関わるクルティエやネゴシアンがここに当てはまります。

  2. 輸入業者・卸業者(ディストリビューター、輸入代理店)
    それぞれの国の法律にもよりますが、殆どの国で酒税や物品税等がかかってくるため、酒類の輸入・販売にはライセンスが必要とされます。輸入業者は、ある国・地域でのワイナリーの正規代理店という位置付けになります。輸入業者は1社のみを取り扱うわけでなく、別の産地のワイナリーの代理店も同時に扱います。

  3. 小売業者
    ワイン専門店、デパート、雑貨店、スーパーマーケット等、一般消費者へのBtC販売を行います。基本、その場で消費されない販売です(試飲を除く)。インターネットでの販売もこちらに含まれます。

  4. オントレード
    オフ・トレードは卸業と小売業のことを指し、オン・トレードはバー、レストラン等で、ワインがその場で消費されることを目的とした場所を示します。ソムリエはオントレードでの領域に入ります。

  5. オークションハウス
    英国系ではSotheby's、Christies、米国系ではZachysが有名です。オークションハウスは絵画等の美術品だけでなく、ワインも扱います。香港では、イタリア系のオークションハウスもあり、オークション市場は非常に活気があります。日本では細かい法律により開催が難しいことからも、オークション会場が日本になることは滅多にないようです。オークションハウスのワイン部門も二次市場の販売に関与していますので、業界に入ります。

その他

  1. 教育機関
    英国の「WSET (Wine & Spirit Education Trust)」、米国の「CSW(Certified Specialist of Wine)」、日本ソムリエ協会のソムリエ/ワインエキスパート等の資格取得のための教育機関、所謂ワインスクールが当てはまります。

  2. 公的機関
    オーストラリアのAWRI (Australian Wine Research Institute) 、シャンパーニュ委員会 (Comte Champagne)等、公的団体機関で多くがある地域や国のワインを販促させる活動に関与しています。

  3. メディア・評論家・コンサルタント
    世界的に名を馳せたロバート・パーカーや現在も活躍中のジャンシス・ロビンソンMWなど、評論家やコメンテーター、ワイン醸造の本を出版しているJamie Goodeなどですね。中国本土では、一般人のKOLによる販促活動が重要視されることもあり、ワインに特化したKOLが何人かいます。

まとめ

ワイン業界はワイン醸造と販売だけでなく、かなり多くの仕事が密接に関わり合っています。ワインだけに特化したものもあれば、ワイン関連以外のものを扱う場合もあります。この記事では大まかに説明しましたが、ワインにまつわるお仕事はもっと掘り下げていくとたくさんあります。意外なところから、ワイン業界とつながるお仕事があるかもしれませんね。





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