「普通」って何?①
「安心・安全」という言葉を本当の意味で理解するのは、それがすでに与えられている人間には不可能なことなんじゃないか。
その状態が、本人にとって当たり前なのだから。
それは幸せで、不幸せなことだ。
大学でアメリカ留学を経験するまで日本でぬくぬくと育ってきた私は、いわゆる「多様性」という言葉を実感したことがなかった。中学と高校は私立一貫校で、そこには見た目も価値観も似ている人たちが集まっていた。
髪の色も、髪形も、スカートの丈も、化粧もピアスも、事細かに校則に規定が定められていたので、同じにしかなりようがないのだ。
当時は別に違和感も感じなかったし、むしろそれが「普通」だと思っていた。
しかし、その「普通」は少しずつ形を崩していく。
つづく。
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