コロナ禍で仕事が完全になくなったイベント裏方がもがいた、書き残し #4
日本全国に緊急事態宣言が出されている中、
いよいよ新しい仕事がスタート。
正直、具体的にはどんな仕事をするのか分かっていなかったが、最初は記事に必要な資料集めや作成、写真素材を探したりするんだろうなと考えていた。
初日はまず人事・総務部へ。
マイナンバーカードの写しなど必要書類を提出、
雇用契約を締結し終えて、いざ私が働く部署の職場へ。
まず、職場はかなり独特な匂いがする。
そこらじゅう、新聞紙で溢れているからなのか、なんとも言いがたい新聞が染み込んだような匂いが漂っている。
人事部長が担当部署まで案内してくれ、
部署の人から「とりあえずここ座って」ということで机に座る。
まず、社内イントラの使い方、作業に必要な手順を一通り教わる。当たり前だがイチから覚えなくてはいけないので、必死にメモを取る。
一通り説明が終わると「はいこれ」と1枚の紙を渡され、そこにはとある芸能人のコメントが書かれていた。
「これ、記事にしてみて」
えっ…
いきなり自分で書くの!?と混乱した。
初日早々、最初の最初から自分で記事を書くなんて、まったく想像できておらず、頭が真っ白になった。
渡された、元となる芸能人のコメントは非常に短いものなのに、全然書けない。そもそもどこからどう書いたらいいのか分からない…
すでに世の中に発信されている記事の構成を見て書いてみたものの、そりゃもう相当直された。
次は、ラジオ番組の放送内容をまとめるものを指示され、2時間ある番組の一部を聴いた。オンエアの内容は理解できても、どの内容をピックアップして文章化すればいいのか分からず、そこから書き始めるまで時間がかかるし、やっとこさ書き終えると赤字だらけで返ってくる。
1.指示を受ける→2.概要把握→3.書き始める→4.これでいいのか…と悩む→5.直す→6.提出→7.赤字で返される→4に戻る…
これが一日中ずっと繰り返され、
明日も明後日も繰り返される。
まずい。
なんだかとんでもなく場違いなところに来てしまった。
こうして苦難だらけの新聞社な日々が始まった。