ロンドンで大人気のコワーキングスペース
ロンドンに拠点があるIntro Kは、現地から生のビジネス情報をお届けしています!今回は、ロンドンにあるコワーキングスペース事情についてご紹介します。今回、Intro Kこと佐藤香里は、Googleレビューの評価がとても高いBorn Freelanceにお邪魔しました。取材許可を得て、こちらのコワーキングスペースについてご紹介させて頂きます。
ロンドンのコワーキングスペース事情
ロンドンには、2019年のデータでは、1423のコワーキングスペースがあり、世界で最もコワーキングスペースが多い都市にランクされています。ロンドン市の調査(2016年)では、2009年から2011年に設立された中小企業の3割がコワーキングスペースを使っているとあり、中小企業(いわゆるスタートアップ)、フリーランスにとってコワーキングスペースは、メジャーな仕事の場所になっています。
一方で、ロンドンのコワーキングスペースは、ここ2,3年で急増し、その多くは採算があっていないそうで、コロナになってさらに厳しい状況になっています。私も、ロックダウン前にコワーキングスペースを使っている企業の方をよく訪問していましたが、その時はどのワーキングスペースに行っても多くの人がいて、活気がありました。ロックダウン後も今回の施設も含めて、3軒訪問しましたが、ほとんど人がいませんでした。今回お邪魔したBorn Freelanceのオーナーに伺ったところ、今、Born Freelenceのユーザーは50人程度ということでした。コロナの前は2倍のユーザーがいたそうです。
ちなみに、イギリスでマーケットシェアNo1はベルギーの会社Regusです。同社は、市内に157か所のコワーキングスペースを持っています。また、ロンドンでもWe Workはポピュラーで、市内のいたるところにあります。
私がここを選んだ理由
私が今回、Born Freelanceを取材したいと思ったのは、私自身がワーキングスペースを利用してみたいと思い、探したのがそもそもの発端です。私がここを選んだ理由は、①Googleのレビューの評価が高かったこと、②立地(ロンドン中心部、大英博物館から徒歩3分)、③値段(後で詳しく書きます)、④無料お試しサービスがあったことからです。
施設の紹介
お試しの日は、朝10時30分から17時30分まで使いました。Born Freelanceはソーホーのような作りになっていて、1階に受付、キッチン、イーティングスペース、トイレ、固定席、自由席(ホットデスク)があり、屋根裏のような2階に自由席、会議室があります。私は今回は2階のホットデスクを使いました。下の写真がその2階の様子。
使ったのは、月曜日ですが、10時30分について、2階にいたユーザーは私を含めて3人。午後になって、3人増えましたが、オーナーが言う通り、コロナの影響でやっぱりユーザーは少なかったです。私は広々とスペースを使えてうれしかったですが。。
1階にあるキッチンには、エスプレッソマシン、電子レンジ、冷蔵庫があり、キッチンにあるコーヒー、お茶、ミルクなどは全て無料。ベジタリアンやビーガンが多いロンドンらしく、ミルクに代わるオートミルクもぬかりなく、ストックされていました。キッチンには、お皿などもそろっており、お弁当を持ってきて温めて、イーティングスペースで食べている人もいました。私は今回、コーヒー、ハーブティーを3杯飲みました。ロンドンは、カフェを利用すると、カフェラテで400円から600円くらいするので、それだけでもかなり元がとれます。ここだけではなく、ほとんどのコワーキングスペースは無料で提供してます。下の写真がキッチンの様子。
使かっている人はどんな人?
今日、こちらを利用していた2人の方に突撃インタビューをしてみました!一人の方は、チリ人男性。チリワインの輸入とマーケティングのビジネスをされており、ここで常時お仕事をされているそうです。コロナになって、ワインの輸入はサプライチェーンが崩れたため、できなくなっているそうです。ワイン好きの私としては、ショッキングなニュースでした。なぜ、コワーキングスペースを使うのかと聞いたところ、ネットワークキングができ、ビジネスチャンスが広がるとのことでした。もう一人の方は、なんと日本人の若い男性。イギリスにきたばかりのフリーランスの方で分散型自律組織 (Decentralized autonomous organization)のビジネスをするためにイギリスに来られたそうです。やっぱりイギリスは最先端の技術をしたい人が集いますね。ここを選んだ理由は、家から近く、24時間空いているからとのことでした。
気になるコロナ対策は?
使用開始時にもらったインストラクションには、机は毎日、除菌を行っていますとありました。エントランスには、除菌ジェルがあり、トイレ、キッチンなど至るところに、手を洗いましょうという注意書きがありました。というわけでコロナ対策はばっちりされていて、私も安心して過ごすことができました。
コワーキングスペースを使うメリット
今回、コワーキングスペースを使ってみて、私が感じたメリットを挙げます。
①仕事が進む:イギリスは日本より、ノイズに対して寛容さがあり、自分の席で電話で話す人も多いです。それでも、みんな真剣に仕事をしているので、他の人を見て刺激になり、他のことに気がそれることなく、仕事ができました。
②広いスペースを満喫できる:ロンドンは家賃がとても高いです。40代でシェアハウスに住んでいる人も多いです。そこで、狭い家で仕事をするよりも、より広いスペースで快適に仕事をすることができます。
③ネットワークキング:このメリットが一番大きいと感じている人が最も多いと思います。
ロンドン市の報告書ではそれ以外のメリットとして、コワーキングスペースから得られるビジネスのサポート、市内中心部にあり移動しやすい、仕事に必要な設備が整っている、そしてコストなどが挙げられていました。ビジネスサポートとは具体的には、コワーキングスペースが開催するネットワークキングイベントやワークショップ、アクセラレータープログラム、メンターへのアクセスなどです。私もロックダウン前はこういったコワーキングスペースが開催するイベントに多く出席していました。
料金は?
さてBorn Freelanceの気になる料金ですが、以下の通りです。(使用したレートは1ポンド133.92円)
プライベートデスク 495ポンド/月(約66,300円)
自由席使いたい放題 295ポンド/月(約39,500円)
自由席90時間 245ポンド/月(約32,800円)
自由席午後4時~朝10時(月~金)95ポンド/月(約12,700円)
週末プラン土曜9時から日曜深夜 95ポンド/月(約12,700円)
1日9時~5時30分まで(月~金)25ポンド/日(約3,350円)
同じエリアにあるWe Workの自由席使いたい放題は1カ月450ポンド(約6万円)なので、そちらと比べるととてもお得です。また、上記の通りフレキシブルな値段設定が魅力です。
まとめ
ロンドンでは、コロナ前は、中小企業、スタートアップ、フリーランスにとってコワーキングスペースが主要なオフィスになっていました。コロナになり、新しい働き方が模索されており、コワーキングスペースもその在り方が問われています。実際にこちらの人に聞いてみると、イギリス人は、日本より、在宅勤務で(が)良いという人が多いですが、週2日くらいはやっぱりオフィス勤務したいという声を聞きます。これから冬になり、コロナの第2波、2度目のロックダウンという声も聞こえる中で、ロンドンにおけるコワーキングスペースの将来像が落ち着くのは、来年春以降になるのではないでしょうか。
私個人としては、色んな人に会えるし、ロンドンのコワーキングスペースはただ単に機能的ではなくて、個性的なデザインなところも多く、インスピレーションが得られるので、これからも時々使いたいです!
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