アンドレデジール最後の作品
ねえ、なんでわたし、こんなに千穐楽間近にマイ初日だったの？？あんまりもう見れないじゃん。よし。大阪だ。
アンドレデジール最後の作品を見たの。日本初演のオリジナルミュージカル。高橋亜子さん脚本作詞、清塚信也さん作曲、鈴木裕美さん演出の、豪華すぎるクリエーターチーム！！
帰り道みんなが振り返るくらい泣いちゃった。
お母さんの語るお話しを絵に描くことが大好きだったエミール(上川一哉さん)は、お母さんが亡くなったあと、絵が描けなくなってたの。
お父さん(戸井勝海さん)はエミールを心配するんだけど、言葉が上手じゃなくてかえって傷つけちゃう。お父さんはね「俺は根暗で卑屈でなんの取り柄もなくて」でも、エミールのお母さん(綾凰華さん)とエミールが大好きだったの。なのに、お母さんの過ちを許すことができずに失ってしまうの。
でもエミールはある時ジャン(小柳友さん)と出会う。
エミールはジャンの言葉を聞けば、お母さんのお話しで描けてたのと同じように素晴らしい絵を描ける。2人はジャンが紡ぐ言葉でエミールが描いて、贋作の作品を何作品も書くの。
2人が描いた最後の作品は「アンドレデジールの最後の作品」これを描いたら贋作なんてやめて2人で作品を作ろうって約束してたの。ジャンはエミールのことが大好きで、エミールの絵が大好きで、エミールに贋作ばっかり描かせたくなかったから。
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あ！！ここまで書いちゃったけどここから先は死ぬほどネタバレだから、なにとぞご覚悟を。では先をどうぞ。
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でも、エミールが書いた「アンドレデジール最後の作品」はアンドレデジールの絶望をトレースしたもので、その絶望にエミールは潰されちゃう。でも出来上がった作品は素晴らしくて、ジャンは作品に夢中になっちゃう。エミールの苦しみを忘れて。。。
エミールはこの絶望から、ジャンに助けてほしかったの。アンドレデジールの作品に必ず救いを表現する船があるように、船を出して助けにきてほしかったの。でも絵に夢中になってるジャンを見て、彼は自分じゃなくて自分の絵を選んだと思っちゃった。
本当はきっと、エミールは絵を描かなければ幸せじゃなくて、そんなエミールがジャンは大事だったんだけど。
エミールはジャンを許せなくて、父が母にしたように、ジャンを切り捨ててしまう。
ジャンが2人の最後の作品に救いの船を書き込んでいたことを、エミールは最後の最後、ジャンが死んで17年後に気づくの。
でも、でもね、エミールに救いの船が届いてよかった！！！ジャンが結局エミールのことを救ってくれたんだね。2人なら世界の美しさを分かち合える、唯一無二の相手だったから、お互いがいない人生はとっても辛かったと思うの。でも、船はいつだってエミールの側に浮いてたんだよね。
という号泣。
言葉が紡ぐ色彩が本当に素敵なの
お父さんが歌う「2人を見ていれば心が虹色で」って歌詞なんて、どれだけお父さんが家族のことを大好きだったかわかる言葉よね。
お母さんが「私たちって絵の具みたいね、赤と黄色を混ぜたらオレンジになるみたいに」っていうのも、お母さんの明るさや暖かさや天真爛漫さがすっごくしっくりくる。絵の具を混ぜる表現って、もっと赤と青とか、そういう色をよく聞くけど、赤と黄色を混ぜるってすごく新鮮だし、暖かさと明るさがズドンって心を打つよね！！！
絵のお話しを、言葉と音楽で表現するってすっごく素敵！！！違うようで同じで
アンドレデジールにとっての妻も、エミールにとってのジャンも、どちらもその人の存在で描けるっていう特別な存在で、2人の像が重なっていくのも、何度も同じ感覚を違う人の気持ちで追体験するみたいで面白くて
最後の作品を書いた時に交わらないジャンとエミールの視線と、エミールが自分だけで絵を描けた時に交わるジャンとエミールの視線と、
いろんな関係性でいろんな人たちが共鳴して、共振して、それぞれに幸せな音色だったり、悲しい音だったりになる。
水夏希さんがキーパーソンになるんだけど、水さんほんっと素敵だった。お歌すっごいすてき！！
綾凰華さんのバレリーナがドガの絵から抜け出てきたみたい。お母さんの役も天真爛漫でほんと素敵
熊谷彩春さんお歌ほんっと素敵だし可愛いし可憐だし、大好き！！！こまるぅ！！！！
そしてわたし(が大好きな、最高に格好いいイケおじ)の戸井勝海さんのお父さん、本当に家族を愛してたんだなって、でもうまく言えなかったんだなって、その後悔にこちらも胸が抉られるようよ！！
おうたほんっっとすてき。あとね、踊るのよ。戸井さんが踊るのほんと最高。今日は赤飯です。
主演のお二人も本当にピッタリで、1人で歌う旋律より2人のデュエットの方が魔法にかかったみたいに素敵になるの、2人の関係性を表してるみたいですてき。主演のお二人は役代わりなのよね。逆もみたい！見ます！
素敵だったな。わたしにもこんなに必要とされて、必要とする人がいるかな。って思っちゃう。大好きな作品に出会えた！しあわせだなあ！！