GREY

GREY見てきました。

リアリティショーに出演したシンガーソングライターが自殺をするところから始まるお話し。

誰にでも心を開けっ広げにして、すなおで、明るくて屈託のない。でも決して強くない彼女が、実は筋書きのあるリアリティショーに出て人気を博し、デビューが決まると今度は手のひらを返したように叩かれる。

彼女の開けっ広げな感じの危うさも、

shiroの友人の構成作家、あおいの、他の人の才能を喜べない、自分の弱さを見つめられない、でも等身大のわたし達とおんなじ歪みも、

shiroのもう1人の友人、アセクシャルのきらりが自分のアイデンティティを否定された時の血の気が引く感じも、

テレビ局で、報道局からもどこからも煙たがられたゆかりの、娘の死を受け入れられない逃げ方も、すごくすごくリアルで、

shiroがSNS上でどんどん追い詰められて、誰かが助けなきゃ危ないことは分かっているけれど誰もそんな余裕なんてないっていうのが、今のわたしたちの状況そのもので、本当にきつかった。

わたし達は、shiroが死んだ先にも物語を続けなくちゃいけなくて、だいぶしんどいその先を続けることこそがハッピーエンドなのかな？と思ったりしたの

最後にファンタジックな終わり方をするの、板垣さんの優しさだと受け止めています。こういう優しさとかこういう甘やかされ方を私たち今必要としてた！！

本当はもっと残酷な現実があったことを知っているけど、今は物語の中で甘やかされて、傷を癒す力をもらったように思います。

この物語は、舞台じゃなきゃできないし、ミュージカルじゃなきゃ受け止められなかったとおもう。

台詞が音楽の中で話されたり、口ずさみたくなる優しくて力強かったり、ときには軽やかな音楽で伝えてもらえるの、すごく嬉しかったな。なんというか、シロップの風邪薬的な。

桑原まこさん天才すぎる。。。

わたしにとっては、ショック療法だけれど、本当に大事なグリーフケアだったと思いました。

役者さんみんながほんっとうにすてきで歌も、お芝居も。佐藤彩香さんは張り詰めたお芝居も、柔らかくてエネルギッシュなお歌も本当に素敵で一生推すし、矢田さんの凄みのある、でもちゃんと自分のことだと思えるような、一緒に連れてってくれるお芝居大好きだし、わたしのマリウス竹内さんの繊細な歌やお芝居に心臓が痛かったし、高橋由美子さんのお芝居のテンポが全てを統べてて素敵だったし、梅田彩佳さん何でもできちゃうし愛さずにいられないし、え？まって！あの女優と一人二役？やばいすごい。羽場裕一さんの安定感たるや。

あとほんっと、遠山祐介さんがいてくれてよかった救われた。キャラクターに安心するし、可愛いしとにかく遠山さん当銀さんの顔が好き。

ほんっとに見て良かったし、これからも色々な場面で思い出しては救われる舞台だと思うけど、まずは明日、瞼が開くかどうかが心配です。泣きすぎた。