偽伝春琴抄
偽伝春琴抄見てきた
ちょっっっっっとすっっっっごいこれはすごい。
マイベスト春琴抄だし、ほんとこのまま日本語でブロードウェイ持ってったらすっごい人気出る。もってこ!トニー賞とりにいこう。
一人芝居なの。いろんなテクスチャーの白い布が張り巡らされた中、白いミニ丈のお着物に白い打ち掛けで、そこに、映像が映し出されていくの。
映像が大道具の代わりとか、説明のための画像じゃなくて、新しい種類の舞台美術として、役者さんの心の延長にあるような感じなの。
目の見えない春琴の心の中の色と形!!
谷崎の美しい言葉をそのまま歌うように話したとおもったら、友達とのおしゃべりみたいにカジュアルに続きを語って、歌って、、、、
曲がすっごいの。例えば「ほーきべかこん」とか、有名な「覚えてなはれ」とか、谷崎っぽい詩的な言葉が、曲に乗って歌詞になってびっくりするほど鮮やかになるの。
現代のわたしたちのテンポで、いろんなものを取り払った生の春琴の気持ちがむき出しになっていって
目が見えない自分の中の閉じた世界で、自分がみたい世界だけを構築していく春琴の様子が、画像と曲で際立っていって怖いくらいだったのよ。
佐助がお三味線を習い始めた時の春琴の、依存や同化を求める健気さや偏執的な怖さとか
春琴が佐助にお三味線を教えて、とちるたびにバチで叩いたり佐助を傷つけながら高揚して興奮していくエロティックさとか
本で読むよりもっともっと生々しくて見ながらちょっと息苦しくなるくらいだったの。
「チリチリガン、チリチリガン、またとちった」って歌詞で何度も何度も佐助を痛めつける様子が描かれるんだけど、日本語と曲がすごいの。日本語で曲を作ることの意味がここにある感じ!!!
黒沢ともよさんって声優の方らしいんだけど、間がほんっっっっとによくて。天才と思う。
佐助が春琴の熱湯に爛れた顔を見るときの「あ!」とか、谷崎の地の文を喋るときの歌うような、咽ぶような、叫ぶような声と客席に友達みたいに語りかけるときの近さが、わたしたちをガクガク揺さぶってもう首取れそう。
振り付けもそうだしお衣装も映像も曲も歌詞も全部がすごい相乗効果で、黒沢さんがばしってはまって、いやーーーーーーーすごかった。
現代のすべての芸術家の粋を集めたあれだった。ひゃああああああああああああだった。
これほんと海外でかけよう!!
日本の演劇ドヤ!!ってできる。
ほああああああすっごかった。
そして最後の二重構造についてずっと考えてる。ストーリーテラーとしての春琴と、目が見えなかった春琴。最後に映像がぎゅうって小さくなって枠の中に入っていったの。
とりあえず一緒に見にいった友達と、すーぐ「覚えてなはれ!!」を流行語にしたよね。
そして興奮しすぎて今電車乗り越しました。っくう。
覚えてなはれ!!
(自分のせい)
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