From Broadway with Love

いやもうびっくりしちゃった。

すっっっごいたのしかったの。

主人公のマーゴ(七瀬りりこさん)は大女優なんだけど、ずいぶん長い間トップを走ってきていて、有名コラムニストのスタンさん(楢木和也さん)に、落ち目の女優が若い役をやっていて不快だとか書かれちゃう。

サンセット大通りのノーマみたいな感じ。傲慢で美しくて今の地位にしがみつきたいと思っている大女優。

健気にずっとお世話しているイヴ(ラリソン彩華さん)にもきっついの。

でも、昔からの仲間はマーゴのことをすっごく心配して愛してて、なんか、マーゴはきっと女優の演技をして無理して女優であろうとしてるんだろうなって思うの。

批判を受けてもなお、折れないように顎を上げて立とうとしてるんだけど、いつも行く酒場のジャック(川原一馬さん)には「そんなの気にしちゃダメだよ」って言われて「わたしはそんなに強くないの」って、それでも強気に言っちゃうのが、強がりかっわいい。

七瀬さんが大女優役するって知った時、なんか、溢れ出るスター感とか、大人美人な感じは想像できたけど、滲み出ちゃう可憐さとか可愛らしさとか、想像してなくて客席が一瞬で恋に落ちちゃったよね。

つよがってる！かわいい！かわいそう！！助けてあげたい！！ってなるやつ。川原さんジャックに負けないくらい客席も思ったよ。

歌は当然とんでもないわけ。マイクなくてもビリビリなる声。そりゃブロードウェイもひれ伏すわっていう。

ラリソンさんはイヴの付き人で、謙虚で従順。。なんだけど、なんだろう。隠しきれぬ野心！！

マーゴの対外的な女優としての態度とほんとの、少女みたいな性格、イヴの対外的な従順でいい子の付き人としての態度とほんとの性格。見てるこっちがあわあわする！！！

1幕最後で、マーゴとイヴが同じ歌を歌うんだけど、まあああお歌すっごい2人が対決するから、あれだけ見てもチケット代払う価値ある。

女性同士の葛藤ってあんまりミュージカルでどどーんとえがかれることないけど、こういうの好き！！レベッカ好きな人は絶対好き！！！！

イヴの野心を唯一気づいてるのが楢木さんスタン。ねえ、楢木さんかっこいいんだけどどうする？

梅棒でトートダンサーのいっつも笑ってる人ってイメージだったけど、なにあれ！色気！！！思わずお友達に、楢木さんかっこいいんだけどって言ったら、前から言ってたでしょって言われた。わたしだけ？気づいてなかったの。

でもあと30分くらい踊ってほしい。散々イヴに悪事を吹き込んでからの、いったんタップのお時間とかどうでしょうか？お待ちしております。

マーゴの楽屋では、マーゴが誰彼構わず当たり散らしてたり、イヴの野心が透けて見えたりスタンが新聞のコラムでブロードウェイを牛耳ろうとしてたりするんだけど、マーゴの行きつけの酒場は暖かい人たちの集まりなの。女優を夢見て田舎から出てきた子にもやさしい。そんなあったかい酒場の一番の優しさが川原一馬さんジャックさん。

マーゴのことが好きなんだけど、手負いのまま喚いてボロボロなマーゴを包み込んでくれるジャックの包容力と純粋さに全員、ジャックがんばれーーってなる。

甘い声に甘い顔に甘い仕草で、しかも包容力！！！結婚したいランキング世界ナンバー2です。一位は不動の瀬戸かずやさんです。

イヴが仕掛けた罠にハマって舞台に穴を開けたマーゴの代役として舞台に立ってチャンスに手をかけ、スタンと手を組んチャンスをものにするイヴ。好き！

イヴを利用し、イヴに利用させる関係を持ちかけるスタンとの大人ぶつかり合いカップルも強くてすき！！

ジャックと婚約して安心な場所を手に入れて、地に足をつけて成熟した女性の役に挑戦するマーゴをみて、ああああ、サンセットのノーマもこうできたらあんな悲劇は起きなかったのに！！しあわせになってマーゴ！！って思うし、

でも安直なハッピーエンドじゃなくて、賞をとって地位を不動のものにしたイヴの元に付き人になりたい綺麗で若い田舎娘が現れるって言うのもなんていうか、よきカタルシス！！！

そんなわけでほんと楽しかった！！！しあわせになれるからみてみて！！！