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1歳3歳男の子ママがMBAに入学した話

2021年4月、早稲田大学大学院管理研究科・全日制グローバル(MBA)に入学したカオリと申します。暴れん坊のちびっ子2人をかかえMBAにチャレンジするということで、知人・友人、そして保育園の先生たちから驚かれたことを懐かしく思います。このnoteを書いたのは、春学期は終了した夏休後半。もうじき秋学期が始まろうとしている頃です。

大変な部分もありつつも「入学してよかった、入学できてよかった」と思う今の気持ちと、これまでの記録をnoteにしました。MBAに興味あるけれど、子供が小さいから新しいことは始められそうにない、興味はあるけど行動に移すのは子供たちがもう少し大きくなってから、と思っているママたちが一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。

MBAに興味を持った20代、入学の決め手はママになったこと

私は石川県にある小さな寺院で育ちました。跡継ぎとして期待される面もあり、仕事をすること、女性であることに悩みながら生きてきました。「世界の捉え方は人によってどのように違うのだろうか?」「心の動きと個々人の世界観を理解したい」とクリスチャン系の大学で心理学を専攻しました。その後、ベンチャー企業に入社、より広い世界を体感したいと渡米しました。帰国後は外資系の代理店、ベンチャー企業でマーケティングPRの仕事をしてきました。同時に家業にも携わってきました。

案件の大小問わず、マーケティングや広報の大切さを認識しつつも「話題になっただけでは、事業は成長しない」と感じる中で「事業全体を理解したい」「事業の成長に役立つコアを見直したい」と思うようになり、20代後半でMBAに興味を持ちました。その後実際に入学するまで約10年かかっています。

プライベートでは、縁あって現在の夫と結婚、その後、男の子2人を授かりました。産後は、長引く夜泣きや体力的な限界もあり、これまでのように頭が働ない、業務時間外のみならず業務時間内までも育児に持っていかれ、とにかく時間が無く、思うように全然働けない!という感じに。

一方、子供はと~ってもかわいい、とにかくかわいい!、めっちゃ疲れるけど、という環境と心境のジェットコースターに乗ったような暮らしをしていました。

〇人材組織の授業で作ったMy Career & Life

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2歳差で次男を出産し、育休というジェットコースターの直線落下後の緩やかな道を通っている際、コロナが出現。休園事情もあり職場への復帰を延期することになります。その後「私は仕事人としてどうしていこうか、いきたいのか」と思い始め、MBAについて再度考える事になります。

リサーチしていくなかで、
・職業訓練校になっているコースの存在(つまり給付金がもらえる)
・日中の授業であれば、保育園をやめることなく(とても大事!)通える
ということを発見。その後、あれよあれよと色々なことが重なり、入学切符を手にすることとなりました。

夫の両親は結婚・出産後、2人とも育児をしながら大学院まで進学しており、私の憧れです。夫も博士課程(育児のため中退…)まで進んでいることもあってか、家族親族一同、MAB進学応援団になってくれた事には今でも感謝しています。

もし、私がママになっていなかったら、仕事時間もインプット時間も全て自分のコントロール下。特に疑問に思うことも無く、キャリアを継続していたかもしれません。

「ママなのに凄い!」とまわりから言われた決断ですが、「ママだからMBAで勉強したくなった!」といっても過言ではありません。

入学したらママ友ができた

男性のビジネスパーソンに囲まれたMBA生活?と思いきや、同コースの受講生のおそらく半分は女性でした。そして、子持ちママパパの多いことに気付きます。私と同じように幼児を育てながらのママ、私の子供たちより小さな0歳児のママ、これから出産を控えたママも在学していることは、自身の励みにもなりました。

経営学をともに学びながら、育児や教育の情報を得ることができ、単位取得に励める環境はとても有意義で魅力的です。何より「同じ目標を持つママ友ができた!」という喜びは大きいです。

既に起業しているママ、企業に所属しているママ、フルタイム学生のママなど、学生意外の属性は様々なこともあり、ママとしても、さまざまな刺激を得ることができているように思います。もちろんママパパに限らず、バックグラウンドの違うクラスメイト、担当教員の話を通じ、大人になってから大学院で学ぶことの楽しさを感じる日々です。

私を含め、子育てをしながらの学業のハードルはそれぞれです。子供の人数、年齢、親族のサポート有無、通っている学校・保育園のアフターサービス、そしてパートナーたちの支援によっても千差万別でしょう。

私の場合は、1歳・3歳の男の子2人、祖父母は都外在住かつ現役ということもあり急なサポートは得られません。ただし、保育園は18時15分まで預り可、料理上手かつ育児に積極的な夫ありという環境です。よちよち歩きの次男の夜泣きとイヤイヤ期が抜けきらない長男の育児、そしてコロナ過による登園の自粛制限ありという部分においては、それなりにハードな条件に部類されるのかもしれません。

子供の発熱、寝落ち、でもフル単位取得

私の所属しているのは全日制グローバルという2年制のコースです。春学期で取得できる22単位をとっても、基本的には9~18時の中に、授業の履修、予習復習、レポートの作成を収めることができました。秋学期が始まる前に春学期の成績が発表されます。育児があっても耐えうる負荷で無事にフル単位取得できました。

〇私の春学期の履修科目とスケジュール

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所属コースの場合、英語で受講できる科目も複数あり、多国籍の留学生と一緒に講義を受け、グループワークなど行うことができる点も魅力的です。私は、学期中の受講だけではなく、集中講義と呼ばれる短期で履修できる科目もとり、全部合わせてフル単位になるように計画だてました。

履修科目数をみると、余裕がありそうにも見えますが、正直全く余裕はありませんでした。平日の空き時間は全て予習やレポート作成に費やしました。そして平日夜と土日はみっちり育児時間にあてました。育児中の睡眠不足で体調不良に陥った経験から、体調管理の為、睡眠は減らしたくないと思ってのことです(とはいえ、次男の夜泣きなどで寝不足な日々でした)。

レポート提出前は、子供が寝た後(22時~など)オンラインでグループワーク※をすることもありました。寝かしつけで寝落ちしてしまい、遅刻した日も。。また、土日は授業履修をしていなかったものの、テスト前は、夫に頼んで2~3時間テスト勉強に充てたこともありました。

※ビジネススクールには「グループワーク」が多くあります。講義を通じて学んだものをチーム内で活かし、アウトプットする過程を学べます。学生同士仲良くもなりますし、ビジネススクールに行くメリットとしてよく話にでる「横のつながり」を築くことができます。

さらに、集中講義や休日なのに授業がある日(つまり保育園は休み!)は、遠方に住む義母に仕事の休みを取ってもらい手伝いに来てもらったり(私の母は365日寺院の仕事がある為来られず)、次男を背負ったまま予習をしました。

そして、小さな子供を抱えるママたちの最大の壁ともいえる「発熱対応」。これは春学期だけで5回(次男3回、長男2回)ありました。コロナ過での感染予防対策として、熱が下がってから24時間は自宅待機要請もあり、「元気なのに登園できない。そして病児育児は空いてない」事情に数回ハマったものの、大学側のコロナ対策としてオンライン受講※の選択肢に何度も助けられました。2人同時に発熱が無かったのも幸運です。
※大学側が講義の受講に対面を推奨しており、今後もオンライン受講が可能かどうかはわかりません。

目的にそった履修計画ができるのは2年制ならでは

より多く学びたい学生たちは

・サブゼミと呼ばれる、所属ゼミとは異なるゼミにも参加する
・夜間主コースの受講生向けのゼミに出る
・聴講(履修はしないけれど講義にでる)で興味のある講義にでる
・WBS生が主催する数々の「部活」にも参加する
・ビジネスコンペに参加する
・教員のTAをする

他にも空いた時間はバイトをする、インターンをする、など各々の興味に合わせ活動しています。履修科目の中でプロジェクトがうまれ、実際にサービスを具現化したり、起業する人もいるようです。

私の場合、春学期は履修できるフル単位を取得しましたが、2年制※の為、もうすこし速度を落として履修することもできそうです。もし子供たちが0歳&1歳などであれば、1年目は負荷を落とす計画を立てたかもしれません。

ビジネススクールに入学する本質的な目的は、決して単位取得ではなく、自身の興味があるものを「学び」そして「仕事への反映する」ということもあるので、各々にあった過ごし方をしているように思います。

※早稲田大学のMBAコースはいくつかあり、日中は1年で必要科目を履修できるコースもあります。1年制で学ぶクラスメイト達の中にも乳児や幼児を育てながら学ぶママがいます。気になる方は「子育て会社員に早稲田MBAの1年制をすすめる理由3つ by やそよろず」もご覧ください。

脳に汗かき、産後ボケは解消した?

とはいえ、MBA取得のための「必修科目」も存在し、その知識を否が応でも取得しなければなりません。マーケティングや広報活動を職としてきた私にとって、春学期に履修した「財務会計」や「ファイナンス」は未知の世界でした。

予習をしている時に、何やらこれまで使ったことのない脳みその部分が熱くなったのを感じました。クラスメイトと教科書の輪読会をやったり、いろいろと周りに助けられながら勉強している内に、「なんだか頭がはたらかないな~」という産後ボケ状態からようやく抜けたように思います。何より学びを楽めています。

また「仕事をするうえで、知らないことが多すぎた」という感想もあります。「ビジネスとは?」を体系立てて把握する為にも、MBAでの学びは大いに役立ち、過去現場で起きた様々な疑問に対し、それなりの意味付けをできるように思います。

まだ続くMBA生活。コロナ過ということもあり、不安要素はいろいろとありますが、学びの機会と家族のサポートに感謝しつつ、様々な発見を堪能していきたいと思います。最後まで読んでくださりありがとうございました。

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