「光る君へ」ロス
毎週末楽しみにしていた、「光る君へ」が終わってしまった。
悲しい・・ロス真っただ中。
源氏物語に親しんでいた身としては、ドラマ開始当初は、貴族の女性が顔を皆の前にさらすか??町中で走ったりするのか?いくら下級貴族とはいえあんなに自由に行動できなかったのでは?などなど、はてなマークが頭の中を飛び交っていたけれど。
だんだん、まひろと道長のすれ違い、めぐり会いに惹かれて、なにより出演している俳優さんも演技がとってもお上手で魅力的。心に残るシーンやセリフが沢山、さすが大石静さんの脚本!!とうなってしまう。
源氏物語の中から取られているエピソードを発見するのも楽しかった。(雨夜の品定めとか)大鏡に書かれているエピソードを知ったり。藤原彰子が実際に国母と言われるような強い人になったことも知らなかったし、いろいろ学ぶことも多かった。
着物もセットも美しく、絵巻の中の人が3次元で動いているなんて!源氏物語の世界がテレビの中に繰り広げられているなんて!と、うっとり。
何より、柄本佑さんの道長がカッコいい。こんなにかっこ良い人だったの?直衣、狩衣、烏帽子が似合う~切れ長の目が色っぽいよ~。源氏の君そのものではないかい?と、こちらもうっとり。
最終回にまひろが道長のところに毎晩通って、もし道長が別の世界に生きていたら?という物語を語る。その途中での二人のやりとり、まひろの表情に泣けて泣けて。道長がこと切れたと思われる時に、自宅で「まひろ」という道長の声をまひろが耳にしたシーンも泣けてしまう。
最後の方で賢子も言っていたけれど、どんなに男性に愛されても、本当の意味での心の平安や幸せを味わう人はいない。平安時代の女性は男性が通ってくることを待つだけ。後ろ盾(実家がどれだけ力があるか)によって、どのように男性に扱われるかが決まってしまう。源氏物語の中で一番光源氏に愛されたとされる紫の上でさえ、女三宮という身分の高い女性が源氏のもとに来てからは、本当にかわいそうな境遇になってしまった。これも紫の上が後ろ盾がない身分だったから。
このドラマの中でまひろは幸せだったのだろうか?あれだけの物語を書くことが出来て、道長というソウルメイトと生涯心を通わせたのだから幸せであったとは思うけど・・。
大河ドラマとしては、視聴率は取れなかったそう。そうだろうね。戦国時代とは全く違うし。一般の人には馴染みが薄い時代だったし。
人間関係が難しい。突然出てくるこの貴族はだれ?どいう繋がり?と理解が追い付かないところもあった。
そして、源氏物語や平安文学に親しんでいれば当たり前に知っている「女御」「更衣」「髪をおろす」「中宮」などの言葉が沢山出てきて難しかっただろう。政治のゴタゴタを書くならもう少し、家系図など解説が入っても良かったかな。
すっかり「光る君」ロスの私。29日の総集編放送を楽しみに待とうと思う。