初めまして「note」。
ちょっと真面目に、美味しい未来を。
「へべれけ日記」があるのに、
「note」もって、何でや?と思われる方もいるでしょう。
「もうめっちゃオススメしたい美味な店」はいつもの「ヘベレケ日記」で。
一方の「note」は、
ウイズコロナの今、応援、そして貢献したいと感じる私目線の情報、
さらに、日本各地で取材をさせていただく中で気づいた
生産者やシェフなど食のスペシャリストの、素晴らしいアクションや
地方に目を向けたときに感じた、これからのライフスタイルなど。
やや真面目なネタも、取材こぼれネタなど仕事のことも伝えたいなと。
さらには、知ってたらもしかして役立つかもしれない、家飲み家ご飯という
全くのプライベート情報まで。
公私混同。遊びと仕事の垣根なし(笑)。
強いて言うなら、いつもと少しだけ違う目線で、
日本の食の未来を見つめていきたい。
最近、とある方に多大な影響を受け(このエピソードも追ってnoteで)
走りながら考える思考を、身につけようと考えているので
noteの方向性が変わったら、それはそれで良し。
「今、思うこと」を緩急つけて書いていきたいなと思います。
海民宿で味わい考えた、持続可能な漁業。
最高の景色!
ここは我が故郷・若狭小浜(福井県小浜市)
過日、毎度なメンバーが地元にやって来た。
公私ともにお世話になりまくりの、飲食関係者、街の先輩などなど。
こんな時期だから、何かあってはいけないって、緊張感持ちつつの
現地集合・現地解散の旅。
小さな漁村・阿納地区は、“とらふぐ養殖北限の地”
縄文時代から続くと言われている阿納地区。16軒の宿があり、うち13軒は、自家養殖場を持つ。とらふぐ養殖北限の地が、この地であり
「若狭ふぐ」という名で知られている。
宿から走って数10秒で海。最高のロケーション。
でも今夏は遊泳禁止で、観光客も激減。静かなビーチそのもの(涙)。
おじゃましたのは
「若狭ふぐの宿 下亟 (しもじょう)」。
創業50余年。「下亟」では若狭ふぐをはじめ、
マハタ、タイ、ヒラメ、岩牡蠣に至るまで、手塩にかけて魚を育てている。
夏には赤ウニも試験養殖したそうで、
地元の農水関係者によれば「めちゃくちゃ絶品」だったらしい。
マハタがどどーん!とインパクト大な舟盛り。長皿の中には
マハタ、甘エビ、剣イカ、タイ、ヒラメ。
艶やかで、どの素材もじんわり深みのある旨みが広がる。
てっぴ、そして「ふぐ皮ときゅうりの酢味噌和え」に続き、数日寝かせてから捌く「てっさ」。飴色した身からは、清々しくも清新な旨みがグッと。
驚いたことに「下亟」では岩牡蠣も養殖している。
ミルキーを超えたミルキーさ。
キュッと塩味を感じつつ、まぁるく深いエキス感。
ワインはプロの方々にお任せ。ツボ突くラインナップ。
ワッシー、幹さん、そしてゆか姉ありがとうございます!
「マハタ、タイ、ヒラメの炙り」は、塩梅も、ミキュイの質感も、
そしてじわっと舌に押し寄せる味わいに、ただただ唸るばかり。
「焼きふぐ」は凝縮した旨み、むっちりシャキッとした食感も堪らん。
続く「ふぐ陶板焼き」も、好みの一品。
「マハタの煮付け」は、ブンリブリン。弾力ある身は、味がしっかりのってって、あっさりとした煮汁が、マハタの風味を引き立てていた。
目の前の海から獲り上げるため鮮度は抜群。ただただ唸る味わいでした。
この他にも、一品料理やデザートがついた
「若狭ふぐとマハタ料理」コース1泊2食ひとり¥17,600(通年)。
産地ならではの鮮度と値打ちにあっぱれ。
食後は宿の若主人・下丞由明さんに話を伺った。
コロナ禍で、どの業界も大変厳しい状況だけど、自家養殖場を持つ宿も、ほんまに大変。客足が減っても、本来提供するはずの魚たちが、生簀の中で待っている。エサ代もかさむし。
しっかりと観察しながらの丁寧なエサやり、肉質をよくするためのエサの選別など、質が高い魚を育てるための努力を惜しまない。
また、とらふぐに至っては、年に数回「歯切り」を行う。
「前回は下の歯、今回は上の歯」というように。
噛み合いしても、互いが傷付かないよう、また網を噛み切られないようにするための、慎重かつ大切な作業だとか。養殖の背景を知れば知るほど、その手間のかけ用に頭が下がるばかり。
ここ小浜市の漁獲量の推移をみてみた。これは天然だけなのか養殖もカウントされているのか定かではないのだが、
平成5年、年間1500t近くあった漁獲量が、
平成29年には647tに↘︎↘︎↘︎。(資料:福井農林水産統計年報より)
気候が変わって獲れなくなった? 後継者不足?あらゆる要因が絡んでの数字なのだろうけど、衝撃的な事実。
世界で魚食の需要が高まる一方、日本人は魚離れが進んでいる。でもやっぱり美味しい魚が食べたいと思う人は多いはず。
小浜市とその周辺の地域・若狭小浜は、日本海側では珍しい大規模なリアス式海岸を有する地。波穏やかな海域ゆえ、最新技術を投じた養殖業が盛んなのだ。市では漁獲量が減ってしまった魚種を、復活させる取り組みも行っている。例えば「鯖、復活プロジェクト」といった鯖の養殖など。
都市部への流通など、マーケティングも重要課題だと思うけど
天然資源への影響を最小化した持続可能な養殖業から、ますます目が離せないなと。私自身、これから色々学びたいと思う。
「若狭ふぐの宿 下亟」
福井県小浜市阿納
0770-54-3313
http://www.fugu-shimojo.com/
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