皇室の美の玉手箱にうっとり
こんにちは!美術館巡りが好きなかおりです。
今回の展示を知ったのは、アートが好きな友人から。
彼女の推しの「動植綵絵」(伊藤若冲)が展示されるということでチェックしました。
すると!
私の好きな唐獅子図屏風も出るということではないですか!
しかも8/28まで!
ということで、当初の目的の「動植綵絵」を見る前に、一足先に唐獅子図屏風をお目当てに行ったのでした。
それではどうぞ〜!
特別展「日本美術をひも解く―皇室、美の玉手箱」
会期:2022年8月6日(土)〜9月25日(日)
会場:東京藝術大学美術館(上野)
玉手箱、おめみえ♡
まず最初に登場したのが、「菊蒔絵螺鈿棚」!
すごーい!きれーい!
薄暗い中に少し照明を落として展示された棚は、螺鈿がきらきらして上品に綺麗!これぞ玉手箱!といった趣でうっとりです。宮内庁の所蔵品ということもあってか、そこはかとなく気品が感じられます。
文字と紙にうっとり
平安時代の和歌をしたためた料紙もすてきー!
先日行った紙博を思い出しました。
1000年前も変わらぬ紙愛よ。
柔らかな筆致にもうっとり。
絵巻物の物語
そしてお待ちかね、絵巻物!
「源氏物語図屏風」は、雅な平安貴族の様子が大きな屏風で見れて幸せ〜!
そして歴史の教科書でおなじみの、「蒙古襲来絵詞」!
ああー!あの馬が打たれて鮮血が噴き出す様が躍動感たっぷり!
「北野天神縁起絵巻」も迫力あり!
「酒伝童子絵巻」もカラフルでハイカラなかんじ!
人も動物も異形のものも神様も、たくさんでてきて絵巻物はたのしい♪
絵巻物は先頭に人がたまりがちなので、空いているところから見つつ、人の流れが途絶えたところで最初からじっくり見るのがおすすめです。
生き物わくわく♡
次はいきものコーナー
「唐獅子図屏風」はここで登場!
い、いきもの?!
まあそうか。
とにかく大きい!
こちらのツイートについてた写真が人と比べてのサイズ感がわかりやすいのでどうぞ。
屏風にしても大きすぎるのでは?!
でも、元はさらに大きかったとか(!!)、障壁がだったのではという説があったりするらしい。とにかく大きくて力強くてキラキラで、戦国武将が喜ぶのもうなずける。わたしもすき!!笑
近づいたり離れたりして(大きすぎて離れないと全体が見えない)、じっくりたっぷり堪能しました。
もちろんそれ以外にも、高橋由一の「鮭」など、いきものがたくさん!
高村光雲の「矮鶏置物」はめちゃかわでした。
静かに風景を堪能
最後は風景。
海北友松の「浜松図屏風」は静けさときらびやかさが不思議と共存しててすてき。
「ナイアガラ景図」(五姓田義松)という作品があって、これは作者が実際にナイアガラの滝を見た経験をもとに書いたものだそうです。
制作年代は明治22年。
明治22年にアメリカに行ってナイアガラを見た衝撃はどれほどのものだったのかなあと思いを馳せたり。
そして帰りにもう一度「唐獅子図屏風」を見て帰りました!
ミュージアムショップ
最後にミュージアムショップのご紹介を。
1階と2階(だっけか?)の2箇所にミュージアムショップがあり、そのラインナップが面白かったです。
2階の方は、芸大美術館のミュージアムショップ。
風神雷神図(だっけか?)のTシャツや、東京藝術大学のクロッキー帳なんかがありました。ちょっと大学生協みたいですね。笑
1階の方は、今回の特別展のミュージアムショップ。
唐獅子図屏風の木製パズルと「鮭」のラベルがついた鮭ふりかけが気になりました。
日本美術をひも解く
この展覧会は「日本美術をひも解く」と名打たれているわけですが、まさしくそのとおりな美術展でした。
章立ても魅力的で、古代、中世の美術にはじまり、「物語」「生き物」「風景」といった題材に注目しながら、それぞれの時代の作品を紹介する。
そしてサブタイトルに「玉手箱」という言葉を使うだけあって、展示品はほとんど宮内庁三の丸尚蔵館の所蔵品で調度品も品のよさが半端ない。
また、展示の説明もとてもわかりやすい。
専門用語を使わないのではなく、専門用語をわかりやすく説明して知ってもらうような展示になっているのが、東京藝術大学美術館で開催されているがゆえのこだわりなのかなと思ったりしました。
学生や先生とおぼしき来館者もたくさんいて。
スタッフにも学生さんがいたのかな?
若い人がたくさんいる美術展っていいなあと思ったりしました。
もちろん年配の方もたくさんいて、幅広い年代がそろっているのもいいなと思ったり。
会期は2ヶ月くらいと短いながら(しかも展示替え4回!)も充実した展覧会でした。
普段はあまり日本美術を見ない方もわかりやすく興味をそそられる内容となっているので、ぜひお目当ての作品を目指して足を運んでみてはいかがでしょうか。